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曙色に染まる赤城山地蔵岳に立つ

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 赤城山で霧氷を見始めたのは2015-16シーズン。以来、青と白の世界の虜になって、もう数え切れないほど通い続けていて、そうなると自然の流れで、朱の光景も見たくなるもの。しかし、寒いの苦手だし、半ば徹夜になるし、暗闇怖いし、まして雪山のナイトハイクなんかやったことないし、などと言っていて、はや6シーズンが過ぎてしまっています。

 今季こそ赤城でモルゲンロートの霧氷越し谷川連峰が見たいと、お正月に一念発起、地蔵岳(赤城山第3峰、標高1674m)を目指しました。するとどうでしょう、ビギナーズラックとしか言いようのない願いどおりの光景に、あたふたドタバタしどろもどろ‥‥
 慌てるのも無理はなく、こうした光景はたった5分ほどしか見られません。撮影はいろいろやらかし二兎も三兎も追って一兎をも得ず、の感なきにしもあらず――

 (※以下写真24点の長編)

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 この日は月明かりがなく下からは山の様子が分かりません。上の方に来るまで霧氷がなく気掛かりでしたが、山頂付近はしっかり霧氷、第1の条件はクリア。この辺りで三脚を据えているカメラマンが多いですね。
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 山頂に立って北側の眺めもよし、第2の条件もクリア。武尊はもちろん、尾瀬の至仏・燧・会津駒や日光もばっちり見えていて、山並みの上には鮮やかな地球影とビーナスベルト。全体がシルキーなこの色合いは、無雪期では見られない、初めて目にする光景です。
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 そして午前6時48分、第3の条件である御来光も現れます。条件は整いました。しかし写真を見ておわかりのとおり、御来光の上に雲の帯があり、日の出から4分後、その帯に太陽が隠れてしまいます。。。
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 ダメか‥‥  朝焼ける霧氷はあきらめ、場所を移すと風紋がきれい。。。
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 ツイテネエナと思ったのも束の間、6時56分、太陽が雲の帯を抜け出ます! 急ぎ北側に戻ってみると、ビーナスの帯が下りてきていて、平標・仙ノ倉・万太郎を染め、谷川岳の“耳2つ”にも火が灯り始めていました。手前も奥も、モルゲンロート、アルペングリューエン!!
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 冒頭の写真は6時59分に撮りました。その1分後に撮ったのがプロローグ(前号)に掲げたこちらの写真です。
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 山頂のすべてが染め上げられます。
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 あちこち向いては夢中で撮りました。結果、多くは見せられるものではございません‥‥
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 7時05分を過ぎるとだんだんに赤みが弱まり、薄いオレンジからイエロー、第2幕のゴールデンアワーへと移ります。この時間帯もまた神々しいんですよね。アップで上州武尊山~
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 谷川岳~
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 万ちゃん、仙ちゃん、平ちゃんも入れて~
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 いつか主峰黒檜山の頂上からも、この光景を見たいものです。
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 山麓の方、沼田の街に陽が差し始め、外輪山や大沼も照らし出され、雰囲気もだいぶ変わってきました。7時26分、黄金の魔法も解けつつあります。
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 7時30分を過ぎると、いつもの青と白の世界へ。ショータイムは終わりを迎えます。
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 日常へと戻っていく第3幕。ふだんの白さに輝き出す霧氷の木立たち‥‥
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 東の方、霧氷越しに霞む水墨のような山並みが幻想的でした‥‥
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 これにて終幕。赤城山の地蔵岳山頂でのモーニングショーについて、以上、ダイジェストでお届けしました。8時を回って、ピーカン晴れで写真映えもしなくなりましたので、下ります。
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 下山の道は雪晴れの景色の中を進み、もう十分おなか一杯になる感じでした。
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 ‥‥とは言ったものの、下山して車の中で一休みしてもまだ10時。見ると霧氷が残っていそうだから、とりあえず駒ヶ岳の稜線まで行っちゃおう。案の定、ちょっと登ったらいい感じになってきました‥‥
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 いいよ~ いいよ~♪
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 結局だらだら、駒ヶ岳の山頂まで行ってしまった‥(^_^;
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 それでもまだ11時半なんで、さらに黒檜まわっても余裕で下りられるけど、この眺めでもう満腹。ここで雪の中にカメラを落としましたし、何かの「お告げ」でしょう、引き返します。
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 ちゃんと拭き取ったつもりでも、レンズに水滴残っていると“お化け”出ます。
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 2度目の下山でもまだ午後1時。大沼は氷結したようだけど立ち入れず、カメラの予備電池4個を使い切り、最後も残りわずか。目的は達しました。早いけど帰りましょう。
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 そうと決まれば温泉どころかコンビニにも寄りません。関越のUターン渋滞に捕まりながらも、珍しく明るいうち家に着きました。
 良き一日、良き山始めでありました。幸先良くなんかとても良い年になりそうな気もするし、わずか2日にして運をすべて使い果たした気もするし、さあどうでしょう。とりあえず一歩前へと進んだのは確かです。


*撮影2022年1月2日 Sony RX100m6 群馬県前橋市
*赤城山/小沼駐車場~地蔵岳往復 & おのこ駐車場~駒ヶ岳往復

(第1098号)

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コメント

新年にふさわしい神々しい光景!
幸先よさそうですね。(^-^)

投稿: Suekich | 2022年1月10日 (月) 11時22分

Suekichさん、お楽しみいただけたようで何よりです。
幸先良い方に一票を投じて下さり、ありがとうございます。

投稿: 鉄まんアトム | 2022年1月10日 (月) 11時44分

朝のドラマ満喫ですね。ほんとに短時間ですからしっかり準備と言うか撮影の流れをしておかないとアタフタしてしまいます、官界はそんなに寒くなった?ようですが場合によっては氷点下10度いかになると危機のトラブルも出たりするので大変だけどこの一連の光景を一度でも見てしまうと病みつきになります。さらに星空も撮ろうとか考え始めると徹夜ですね(^_^;) まあここなら登山口からたいした距離じゃないから車中泊で出発しても余裕でしょうか。

投稿: てばまる | 2022年1月11日 (火) 10時51分

てばまるさん、まさしく朝のドラマ激情編でしたね。青と白の霧氷以上に危ないやつですよ、これは。毎朝必ずモルゲンロート見られるわけでもないから、なお厄介。のめり込まないようにしないと‥ (^_^;

小沼駐車場から地蔵岳は約40分です。この時期なら薄明の6時発でも日の出に間に合います。マイナス11度の車中泊はちょっと想像できませんね。

投稿: 鉄まんアトム | 2022年1月11日 (火) 14時00分

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