平標テント泊、紅葉の上越国境山稜をあるく(後編)
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朝の4時半はまだ真っ暗で、しかもガスに覆われテントの外側はびっしょりでした。気分が乗りません。明るくなるのを待って渋々歩き出してみると、ん?稜線は晴れている??
階段を駆け上がっていくと、うわ、やべえ、一面の雲海だ、空も焼けている! やっちまったな‥‥ どうやら“わが別邸” はこの雲の中だったようです。
はひー、もう山頂での御来光には間に合わねーと思いつつも、必死で登り続けて5時46分、山頂にてどうにか撮った1カット。1週前だったら“ダイヤモンド仙ノ倉”だったでしょう。
西の方では苗場山に影平標が現れました。奥に北アルプス白馬連峰が浮かんでいます。
こんな好天に30分以上も滞留した代償は大きかった‥‥ ブルーアワーがとうに終わってしまった、朝日差し込む平標山頂です。静かに見える写真とは裏腹に、ここを文字通り東奔西走、あたふたしました。
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晴れ渡っていたのは束の間、さっきの雲海が一気に上がってきて、あっという間に山頂はガスに覆われました。風が強く雨粒も落ちてきて、再び停滞することに・・・
山頂の風裏にて滞留すること小1時間、風とガスが弱まったのを見計らって先に進みました。平仙鞍部を過ぎ再び登りに差し掛かろうというところで・・・
7時05分、ガスが一気に失せ始め、振り返ればブロッケンやら白虹やらが出たり消えたり。2つを合わせ撮ることは叶いませんでした。
冒頭の写真を撮ったあたり、この山稜一番の紅葉地帯に差し掛かります。この日最も艶やかだったのはたぶんこのミネカエデちゃん。
そして7時50分、仙ノ倉山頂2026mに到達。谷川連峰の最高点です。
山頂を乗り越し東側に少し下りてみます。谷川岳へと続く国境稜線を境に上州側は大雲海です。一部は滝雲となって越後側に溢れています。絶景です。
1時間ほどこうした情景を1人で眺めていました。8時50分、ようやく私以外の人がこの山稜にやってきました。
仙ノ倉山頂に戻り上越国境稜線を見納めます。まるで絵画のよう。
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だいぶ雲が上がってきました・・・ (谷川岳肩ノ小屋から10000m地点)
少し陰っちゃったけどそれでも映えるミネカエデもここいらで見納め・・・
なので、山頂手前のベンチで朝食の残りと午睡を貪ります。10時08分です。
で、11時、ガスが迫ってきたので仙ノ倉ビューを諦め、テント場へと戻り始めます。
平標山ノ家まで戻るとテントが2つ増えていました。(手前がマイテント)
色づき始めたブナの森をたんたんと下っていきます。駐車場まで約2時間の道のりです。
予想より雲抜けの悪かった2日間。それでも夕に朝にお日様を拝め、ドラマチックな照る山紅葉が見られ、軽身にてゆっくり稜線歩きも楽しめた望外の山行きでありました。
正直言うと、消極的に行き着いた今回の平標テント泊。しかし、行き帰り渋滞なし、テント場で過密なし、下山後の温泉は貸切状態、そして、書いたとおりの情景の数々とあってほかに何を望みましょう。コロナ禍での山にまつわるモヤモヤはすべて消え去りました。もう今季はこれで締めても構いません。谷川山系で初のお泊まりは大成功です。 <完>
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<蛇足> 6年前に見た紅葉の片鱗 (撮影 2014年9月23日 Canon G1X markII)
【その当時の記録】 谷川連峰たおやかなる稜線をあるく (第728号)
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*撮影2020年9月29日 SONY RX100m6
*谷川連峰 平標山・仙ノ倉山1泊2日の2日目/上信越高原国立公園
(第1073号)
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コメント
美しい夜明け、紅葉の稜線、ダイナミックな滝雲・・・! なんとも形容しがたい美しさですね。
投稿: Suekichi | 2020年10月 8日 (木) 08時48分
Suekichiさん、そう、文章で形容しがたく、写真も到底及ばぬ美しさです。
泊まりで行く山はやはり格別です。
投稿: 鉄まんアトム | 2020年10月 8日 (木) 10時38分
稜線の白虹なんてなかなか珍しいですよね。これだけでも嬉しくなります。名前の通り平らな稜線は癒し系ですね。
投稿: てばまる | 2020年10月28日 (水) 09時50分
てばまるさん、白虹は、ブロッケンが見えるときにはチャンスあり、なんでしょうね。高い山の上がこういうふうになっているのは異次元な感じがして、好きです。
投稿: 鉄まんアトム | 2020年10月28日 (水) 14時00分