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夢叶う、白銀の上州武尊山に立つ

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 冬の赤城山に通い始めて4年。赤城からは雪を纏った秀麗なる上州武尊山の全容がよく見え、いつか冬の武尊にも立ってみたいと思うようになり、昨季ステージを一段あげて間近まで迫るも届かず。そして今季、前号プロローグのとおり、夢見続けてきた白銀の雪稜を歩いてようやくその頂に立つときが――

 (※以下写真30点+川場スキー場のコースガイド1点の長編)

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 登山でリフトに乗るには、スキー場所定の手続き(専用の入山報告書提出とココヘリ持参またはレンタル)が必須です。リフト片道実質1000円+ココヘリレンタル1100円也。
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 スタートはベースの「桜川エクスプレス」から。ここからリフト2本(全長2684m)を乗り継ぎ、標高1870mのゲレンデトップまで一気に580mもの高度を稼ぎます。
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 2本目のリフト「クリスタルエクスプレス」の後半からすでに大展望。リフト正面に見える大岩を乗り越え、写真中央奥の武尊山最高点「沖武尊」(2158m)を目指します。
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 スタートから約30分でリフト終点。そこから登山開始ですぐに大岩に乗るべく急斜面を巻いていきます。行きはヨイヨイ帰りは‥‥ この急斜面の下りに思いのほか難儀しました。
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 その急斜面を登りきると広い稜線に出て、関門と思しき剣ヶ峰山が見えてきます。
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 ほどなく剣ヶ峰山へのアタック。南側は登降とも難しくありません。
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 あっという間に剣ヶ峰山の頂稜部。狭く両側とも鋭く切れ落ちており、凍っていたり風が吹いていたりすると相当怖いところだけど、この日はいたって平和。まるで空中に放り出されたような全方位の大展望です。
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 西側には谷川連峰の大展望。左に見える水面が玉原湖で、そこからせり上がってくる稜線のピークが獅子ヶ鼻山。昨季の1つの到達点、そこから仰ぎ見た武尊は偉大でした。(→第1024号参照)
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 剣ヶ峰山を乗り越して振り返る。冬の武尊が遠かったのは此処(北側)の降下が難しかろうと懸念し続けたから。この日の条件では、慎重に下りさえすれば困難ではなかった。
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 少し離れてまた振り返る。まさに“山を1つ乗り越えた”の感慨。
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 沖武尊までは大小のアップダウンを繰り返す。前日の降雪で樹氷が美しい。
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 西側はとにかく大展望。谷川岳、朝日岳、巻機山‥‥澄んで明瞭度高き上越国境の山並みが波濤の輝き、雪を纏ったオオシラビソなどの針葉樹を手前に壮観たる眺めだ。
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 またまた振り返る剣ヶ峰山。友人が「心奪われそう」といった意味を噛みしめる。
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 空の表情も豊かで、昼近くはうろこ雲のような模様が広がった。
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 沖武尊への最後の登りが見えてきた。
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 西側から回り込む山頂へのビクトリーロード。ときは正午。
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 そして、山頂に立つ。歩いてきた南面の雪稜を見下ろす。素晴らしい。もうとっくに心奪われており、いまにも泣きだしそう。(笑)
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 反対北側には尾瀬が一望
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 北側の大展望をもう少し広く。左から巻機山、越後三山(八海山・中ノ岳・越後駒ヶ岳)、そして平ヶ岳など越後の名山の数々。西からずうっと純白の屏風が連なっています。
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 東側には中ノ岳、家ノ串山、川場剣ヶ峰方面に続く稜線。日本武尊の銅像が見えていますが、この日はノートレースでした。背後の日光連山は雲多めです。
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 山頂は少し風があり人多し。撮ろうとした写真を色々後回しにしていたら、なにせ心奪われてしまっているんで、大半撮り忘れて下りてしまいました。まあ小さなことかな?(笑)
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 12時40分を過ぎ、タイムリミット近し。ビクトリーロードを引き返し始めます。雪山賛歌、こんなにも雄大で美しい山岳風景は見たことがありません。
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 山頂の肩を下るともう尾瀬は見えません。また逢う日まで‥‥
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 少し下りた風裏の広場で遅めの昼食ですが、恍惚状態にて食べ物が喉を通りません。
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 帰り道は、ちまちま写真を撮りながら、のんびりと。
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 近づいてくる剣ヶ峰山。
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 行きとは日の周りも変わり、すっかり表情を変えた剣ヶ峰山。なんともクリーミーで食べてしまいたい‥‥
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 剣ヶ峰山にて沖武尊を振り返る。この稜線も見納め。帰りたくない。
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 どこぞの誰かが作った雪だるまと2020の文字。剣ヶ峰山の標高は2020mです。
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 リフト最終まで45分を残し無事ゴール。素晴らしい一日でありました。
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<おまけ> 川場スキー場の概念図 (スキー場にて無料配布のコースガイドから引用)
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 こういう山行きをしてしまうと社会復帰するのに時間が掛かります。あまつさえ、点で線を伝える文章なんか紡げるはずもありません。そういうことですからこれにてどうぞよしなに。

*撮影2020年2月29日 Sony RX100m6/Xperia XZ1compact
*川場スキー場~剣ヶ峰山~沖武尊(武尊山最高点)往復/群馬県川場村

【関連記事 ~過去2回の武尊山の記録~】
2014年9月15日 アルペン気分の稜線あるき上州武尊山 (第726号)
2018年5月27日 シャクナゲ咲く上州武尊山の稜線をあるく (第991号)

(第1060号)

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コメント

谷川とはまた違う山岳景観美が良いですね。これでも雪は少ない方でしょうけど、絶好の天気と雪山の雄大さ、こういうの見ちゃうと帰りたくなくなりますよね。北岳に初めて行った時も帰りたくなかった・・・(^_^;)

それにしてもけっこう登山者がいるのですね。
それだけ人気ということか・・・。

投稿: てばまる | 2020年3月 9日 (月) 09時44分

てばまるさん、積雪深はとんでもなく浅いのでしょうね。大きく踏み抜くところもありました。景観も平年だともっと白いかもしれません。

週末に晴天予報だと谷川も武尊も賑わいますね。どちらも雪山初級者にとっては殿堂のような場所でして、少ない労力の割にダイナミックで、森林限界を越える雪稜歩きが日帰りで楽しめるとあって人も集まるのでしょう。帰りたくなくなるのはみんな一緒ですね。

投稿: 鉄まんアトム | 2020年3月 9日 (月) 16時24分

絶好の雪山登山日和でしたね。
私が昨年登った際は、北方は雲も多く霞みがちで、山頂も強風のため長居できませんでしたが、遠景の雪稜もくっきり望めますね。風も弱そうで、まさに圧倒的な光景だったんじゃないでしょうか。なかなか社会復帰できない気持ちがわかるような気がします。(笑)

投稿: Suekichi | 2020年3月 9日 (月) 17時39分

Suekichiさん、まずまずの塩梅でありました。異例の休校要請による前日の大混乱や食糧買い忘れ沼田まで引き返したなど乗り越え、立たせてもらったお山です。ありがたや。

頂いたコメントで気付きましたが北側の展望描写が欠落していましたので、写真1点追加しました。西から北にかけて越後山脈の山並みがひときわクッキリお見事でした。これで南側も澄んでいたら完璧でした。
写真を見返していると社会復帰なんかどうでもいいような気もしてきます。(笑)

投稿: 鉄まんアトム | 2020年3月 9日 (月) 19時24分

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