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はるかな尾瀬、残雪の至仏山をあるく

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 はるかな尾瀬。通い続けて満10年になるのを前に、残雪の至仏山を歩く宿望を果たしました。登れる時期の短さ、装備、能力など整わず夢の頂でしたが今季は準備万端、ようやく順番が回ってきました。
 至仏山は、その山容自体の美しさもさることながら、尾瀬が一望できるだけでなく、利根源流の幾多の山々の中での最高峰であり、上信越の脊梁山脈を俯瞰する絶好の位置にあって、見て良し、登って良し、名前も良しのまさに名山であります。雪景色はとくに素晴らしい‥‥こんな美事な世界を知ってしまったら暫く社会復帰は難しいかもしれません――

 (※以下写真26点の長編)

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 道路の冬期閉鎖が解かれた翌日の鳩待峠。鳩待山荘や休憩所は1階が雪に埋まってしまっています。目指す至仏が、大きい!白い!
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 雪壁は人の背丈の倍以上! 写真右奥の登山口から出発です。
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 歩き始めは緩やかに登り、30分ほどで背後に燧ヶ岳が見えてきます。
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 それから20分ほど登ると視界が完全に開け、遮るものなく至仏山が露わに! すばらしい大斜面だ! 早く行きたいけど、行程的にはまだ序の口‥‥ (この日、オヤマ沢田代まで同行したてばまる氏に撮って頂きました。)
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 さらに30分ほどで黒木が低く疎らになってくると、向かう右側にはこの眺め‥‥
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 森林限界を抜けるとそこはオヤマ沢田代付近
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 すると向かう左側にも展望が現れ‥‥
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 目の前には小至仏が迫ります。至仏山頂は見えている奥のさらに奥です。
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 一段上がって振り返れば、笠ヶ岳、上州武尊、そして赤城が連なっています。遠くには浅間山や八ヶ岳も!
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 小至仏トラバース道へ。入り始めはなんてことないんだけど途中かなりの急斜面で、氷化していたら難所となるところ。
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 15分ほどでトラバースをクリアすると、あとは山頂へのビクトリーロード。だが、山頂はまだ見えていない。歩き始めからまもなく3時間で、このあたりがもっともキツい時間帯。
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 最後の丘を乗り越して目に飛び込んでくる至仏山頂。
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 山頂到達。人が映り込まない写真、奇跡的に撮れた!
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<展望解説その1> 左から… 谷川岳、白毛門、朝日岳、その背後左は苗場山、右は妙高火打、さらに背後は北アルプス後立山連峰(鹿島槍~五竜~唐松~白馬~小蓮華・雪倉)、最奥には剣・立山。中ほど右寄りが巻機山、その右背後に薄く米山。右の続きは<2>へ
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<展望解説その2> 左に小沢岳、下津川山。中央から右に越後三山(八海山、中ノ岳、越後駒ヶ岳)。右端は平ヶ岳。さらに右の続きは<3>へ
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<展望解説その3> 中ほどやや左に再び平ヶ岳、その右背後に浅草岳。さらに右の遠く背後は飯豊連峰。右端は会津駒ヶ岳。さらに右の続きは<4>へ
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<展望解説その4> 中央に再び会津駒ヶ岳、その右背後に薄く安達太良山、一段と大きいのが燧ヶ岳、その右背後に那須連山、右奥は帝釈山地、その手前の白い横筋が尾瀬沼。
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 尾瀬ヶ原は一面真っ白の大雪原。
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 鳩待峠を見下ろすと、その先には日光白根山が聳え立っていました。
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 微風の山頂で1時間近く展望を楽しんでいると、上空に虹色伴ったハロ出現。
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 潮時なんで下山開始。ヒップソリで一気に山ノ鼻を目指しますが、雪が緩んで途中から全く滑らず。ずいぶん下りちゃったからもう登り返すの、いやだ‥‥(笑)
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 下り続けるも森林限界下ではスノーシューですら足を取られる大苦戦で、山ノ鼻には14時を大きく回って到着。もはや尾瀬ヶ原散策の時間も体力もなく通過‥‥
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 川上川をスノーブリッジで何度か渡りつつ、送電線沿いの冬道を進みます。
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 最後の鳩待峠への登り返しではもう足が上がらず、吊りまくり‥‥
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 最終バス(16:30)に間に合わないかと思ったけど、鳩待峠16時到着。
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 途中で水を切らしちゃって喉がカラカラだったので、売店営業に救われました。
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 こうして辛くも残雪の至仏山を歩き切りました。この時期しかできない時計回り周回ができて、短いながら尻BCも豪快に遊び、これぞ雪山賛歌の世界でありました。
 穏やかに晴れて寒くさえなければ雪山は楽しい、そして何より美しい‥‥明らかに雪山病発症しちゃってますが、ここいらで中締めかな‥‥。春の山も恋しい、冬の山も名残惜しい、まだ気持ちが往ったり来たりの10連休です。

*撮影2019年4月20日 Canon PowerShot G1X MarkII/G7X MarkII 群馬県片品村
*鳩待峠~小至仏トラバース~至仏山~山ノ鼻~鳩待峠/尾瀬国立公園

(第1028号)

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コメント

鉄まんアトムさんの後ろ姿ついに全面公開!(笑)

至仏山へ登ったのは9年近く前の夏で、ルートの記憶も薄く、山頂では雲が多かったためかあまり展望の記憶もないのですが、空気が澄んでいて晴れればこんな大展望が広がるんですね。

もう一度無雪期に登ってルートの感覚をつかんでから、いつかはこの時期にも行ってみたいと思いました。

投稿: Suekichi | 2019年4月30日 (火) 22時26分

Suekichiさん、ご覧になった後ろ姿は化身の方ですね、本体はいつも顔出ししてますよ。(笑)

与太話はさておき、無雪期至仏のコースは単純で、A)鳩待峠ピストンか、B)山ノ鼻経由の反時計回り周回か、のどちらか。ルールにより東面の下り利用は残雪期だけです。展望は全方位で高度感もあって極めて秀逸ですが‥‥意外と振られます。(^◇^;)
ご承知のとおり至仏山は蛇紋岩にて無雪期は激しく滑ります。雪面が氷化してさえいなければ、雪に覆われている今の時期の方がだいぶラクに感じます。ルートにはテープがしっかり付いているので辿れば問題ありません。

投稿: 鉄まんアトム | 2019年4月30日 (火) 23時44分

いや~ お疲れ様でした。
素晴らしい天気で遠くまで見えましたから、春にこんなコンディションはそうそうないですから、足吊りまくりでも行って良かったですね。 私も下りでちょっと吊りそうになりました。森林限界の沈み様は地獄のようでした(^-^;)
新雪はやみつきになりますね。来年もチャンスがあれば登りたいです。

投稿: てばまる | 2019年4月30日 (火) 23時50分

てばまるさん、展望はこれまで至仏に行った中で一番だったし、空は青く雪は白くて最高、やはり「持っている」人は違うなあと思いました。お相伴にあずかり幸運でした。

新雪の病みつき‥‥ これは危険なんですよね~ 尾瀬病みたいな地域限定じゃないのが厄介です。(^_^;)

投稿: 鉄まんアトム | 2019年5月 1日 (水) 09時45分

あれれ、途中までてばまるさんと一緒だったのですか、私は28日の新雪後に登りました。翌日のアヤメ平も良かったです。

投稿: pulsar | 2019年5月 3日 (金) 07時42分

pulsarさん、ご無沙汰しております。
初めての残雪至仏だったので、途中まででもてばまるさんと同行は心強かったです。
4/20も新雪後でしたが、4/28は樹氷も見られ、この連休一番のコンディションだったでしょうか。翌日にアヤメとはすごい、4/20はまだ雪が深かったせいか一部苦戦し、足の吊り癖がまだ収まりません。

投稿: 鉄まんアトム | 2019年5月 4日 (土) 20時44分

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