« さらなるカラマツ霧氷を求め湯ノ丸山へ | トップページ | あこがれの銀嶺、谷川岳へ »

玉原から獅子ヶ鼻山へ、新雪の上州武尊支稜線をあるく

1024_01_g1xm2_5920

 関東随一と云われる玉原のブナ林。その霧氷風景を狙ってみましたが、前週の湯ノ丸に続き、またしても“無氷”です。サブプランに切り替え、たんばらスキーパークのリフトを乗り継ぎ、その終点からスノーシューで上州武尊山へと続く支稜線を歩きました。
 辿り着いてしまった支稜線のピーク獅子ヶ鼻山の頂稜部(1875m)では、気高き上州武尊をまぢかに仰ぐ一方で、幅1メール前後しかない足元の両側が深く切れ落ちていて‥‥

 (※以下写真21点の長編)

   ★゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・゜★゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・゜

 登山目的でリフトに乗るには、チケット購入時に「入山届」を出し、その受領書を提示する必要があります。ゲレンデトップへはリフト2本を乗り継ぐので「1回券」を2枚買います。
1024_02_img_5414

 第1リフトは低速、左手の稜線に向かうのが高速第2リフトで、この2本に乗ります。正面に見えているのが鹿俣山、獅子ヶ鼻山へはそこを通り越して行きます。(下り利用不可)
1024_03_img_5428

 鹿俣山頂上(1637m)はリフト終点から15分足らず、この標識がなければ気付かぬほどの尾根の一部にすぎません。これでは短すぎるので少し先に進みます。
1024_04_img_5464

 鹿俣山では樹木に遮られていた谷川連峰の眺めも、進むにつれだんだんに見えてきます。
1024_05_g1xm2_5879

 鹿俣山から40分ほど進むと、標高1710mの小ピークに至ります。ここまで来ると獅子ヶ鼻山がぐんと迫ります。右に剣ヶ峰山、左に沖武尊を従え、なかなかの好展望です。
1024_06_img_5520

 剣ヶ峰山へと続く新雪の雪稜が美しいです!
1024_07_g1xm2_5905

 さらにもう少し進めそう。雪庇に気を配りながら樹林側に沿って歩きます。1710mピークを振り返ってみると谷川連峰の大展望。仙ノ倉山から谷川岳、朝日岳、巻機山、平ヶ岳、そして尾瀬の笠ヶ岳・至仏山まで、名だたる山々が屏風のように立ち並びます。
1024_08_g1xm2_5926

   ★゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・゜★゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・゜

 やがて大きな岩が立ちはだかり、北側の樹林内へと回り込まなくてはなりません。藪の急斜面を横切るので少し緊張しますが、霧氷が出てきてうれしくなります。
1024_09_g1xm2_5965

 岩を巻いて稜線に戻ると獅子ヶ鼻山への最後の急坂です。この日の条件ではスノーシューで難なく登れて(もちろん下れて)しまいましたが、アイスバーンだったら??
1024_10_g1xm2_5984

 その急坂を上がったところの風景がこちら。にわかに高度感が湧いてきます。
1024_11_img_5571

 迷いつつも足跡の果てるところまで進んでしまいました。その先あと数歩進めば遮るものなく沖武尊が一望できると思うも、目の前の雪面は幅1mもなく、その左右ともに80mは切れ落ちており‥‥ (獅子ヶ鼻山~武尊剣ヶ峰山はアルパインの世界)
1024_12_g1xm2_6007

 振り返るとこの狭さ‥‥ここが雪庇で崩れたら、風に煽られたら‥‥いままで山で感じたことのない感覚が襲ってきました。私ごときが踏み込んではいけない場所だったかもしれません。
1024_13_g1xm2_6003

 夏は藪が深く辿れないゆえ、積雪期限定の獅子ヶ鼻山からの沖武尊です。
1024_14_g1xm2_6004

   ★゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・゜★゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・゜

 立った位置でそろ~り回れ右して、ささっと危なくないところまで引き下がり安心したら、大展望を少し楽しみます。まさか今日こんな景色が見られるとは思っておらず。
1024_15_img_5586

 霧氷越しに谷川岳がこんなに大きく見られるなんて夢のよう。
1024_16_img_5601

 歩いてきたこの雪稜を戻ります。1024_17_g1xm2_6031

 上越国境の美しき峰峰と霧氷が織り成す雪山風景を目に焼き付け‥‥
1024_18_g1xm2_6038

 一気に下り、穏やかなところで大休止。サーマレストの座布団の痕が、この日の雪の柔らかさを物語っています。
1024_19_img_5639

 鹿俣山(ゲレンデトップ近く)まで戻ってきました。このあとは、写真右の方の森の中を通って駐車場に向かいます。左がスキー場、正面は玉原湖です。
1024_20_img_5671_2

 ブナの木の霧氷はオアズケだったけど、見事なブナ林の冬木立を存分に楽しみます。1024_21_img_5698_2

 さすが関東随一の誉れ。この素晴らしいブナ林を約1時間歩いて下山しました。
1024_22_img_5738

   ★゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・゜★゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・゜

 この日はスノーシューでのんびりブナ林を歩く+α程度のつもりが、まだ行ける、まだ大丈夫、などと登り詰めているうち、気付くとそこは超デンジャラスゾーン。たまたま死に神と居合わせなかっただけで、雪山の魔の部分を垣間見てしまったのかもしれません。
 山は美しい、そして、同時に恐ろしい。けして調子に乗らぬよう心して向き合っていきたいと思います。

*撮影2019年3月2日 Canon PowerShot G1X MarkII/G7X MarkII 群馬県沼田市
*たんばらスキーパーク~鹿俣山~獅子ヶ鼻山~鹿俣山~ブナ平~駐車場

(第1024号)

|

« さらなるカラマツ霧氷を求め湯ノ丸山へ | トップページ | あこがれの銀嶺、谷川岳へ »

コメント

獅子ヶ鼻山頂上付近は少し怖そうですけど、その手前までなら、雪庇に気をつければスノーシューで楽しく歩けそうな気持ち良い雪の尾根ですね。雪のブナ林も心地よさそうです。
 

投稿: Suekichi | 2019年3月10日 (日) 14時33分

Suekichiさん、玉原のブナ平周辺は見事なブナ林です。新緑や紅葉はもちろん、冬も霧氷が付いたらさぞかし美しかろうと思います。積雪期は道迷いに注意が必要ですが。

獅子ヶ鼻山の頂上は、最後の急坂を登り切ったところまでが無難かと。その先は両側が文字通りの断崖絶壁だし何処が本当の頂点かも定かでありません。
一方、1710mピークの先の大岩手前までなら、雪山一般のリスクはあるにせよ、お手軽な雪稜ハイクコースですね。スノーシューなら雪稜なしでブナ平を歩き下るだけでも楽しいです。

投稿: 鉄まんアトム | 2019年3月10日 (日) 15時51分

このあたりはちょいと登れば素晴らしい雪山の景色が堪能できますね。しかも途中までリフトですから楽と言えば楽ですが、切れ落ちた尾根もあり、雪質が悪いと怖そうですが・・・スノーシューで歩くのは気持ちよさそうですね。
登山届で受領書というのもしっかりサポート体制もあるようなので安心できますね。

投稿: てばまる | 2019年3月11日 (月) 10時13分

てばまるさん、スキー場のリフトのおかげで夏より楽に稜線まで上がれます。労せずして迫力ある景色が楽しめますね。
なお、本文に書いたとおり、切れ落ちた尾根は山頂の一部分だけで他はおおむね大丈夫ですが、雪庇に注意が必要なのと、スノーシューは条件次第、平地用のでは無理だし、雪面が氷化してたらアイゼン&ピッケル必須にもなると思います。

入山届は、下山報告カードを回収していて、「午後5時以降に駐車場に車がある場合は連絡をさせていただきます」とのことです。連絡が取れない場合にすぐ通報される(=遭難対応してくれる)かは分かりません。

投稿: 鉄まんアトム | 2019年3月11日 (月) 15時20分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« さらなるカラマツ霧氷を求め湯ノ丸山へ | トップページ | あこがれの銀嶺、谷川岳へ »