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思い募らせた巻機山の頂に立つ

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谷川岳山頂オキノ耳から上越国境清水越えの奥に浮かぶ巻機山をのぞむ
撮影2017年6月17日 Canon G1 X MarkII

 2018年も立冬を過ぎそろそろ山も仕舞いとなるところ、今年初めて登った山でレポの済んでない山が1座だけあります。7月の巻機山(まきはたやま、標高1967m、群馬新潟県境)です。巻機へは早くから思いを募らせようやく登れた山ゆえ、時機は逸してしまったけど、振り返って記録に留めておくこととします――

(※以下写真21点の長編)

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 巻機山というやさしい名前と共に、この隠れた美しい山を、私は上越国境中の一名山として挙げたい ―― 深田久弥に日本百名山をしてそう言わしめた巻機山の頂部は「御機屋(おはたや)」と呼ばれ、伝説によれば、機織りをする美しい姫がいるのだそうです。
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 たおやかなイメージとは裏腹に、御機屋へは、「井戸の壁」とも称される井戸尾根の急坂を4時間ほど、ただひたすら登って(当然帰りは下って)いかなければなりません。8合目からのこの急階段を辿って辿ってようやく姫の姿が見えてきます。
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 ほどなくして「ニセ巻機山」と称される9合目・前巻機のピーク(1861m)です。ホンモノの山頂(写真右上)はまだまだ先です。偽物呼ばわれなのに本物のニセモノ。(笑)
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 ニセ巻機から避難小屋へといったん下り、御機屋へ歩みを進めていくと美しい池塘群・・・
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 その名も織姫ノ池・竜王ノ池
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 御機屋を目前に振り返ると、ニセ巻機、避難小屋、そして織姫ノ池と、いま辿ってきたトレイルが一望できます。上越国境・谷川主脈が折り重なる素晴らしい眺めです。
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 そして、登り始めから5時間後、「巻機山頂」の標識立つ御機屋頂稜部へ。ただ、本当の山頂はここではなく、さらに東に少し登った先にあります。つまりこれもニセモノ(笑)
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 どこが山頂かなんて此処ではもうどうでもいいのかもしれません。緑の絨毯を敷いたような稜線を牛ヶ岳(1962m、写真左寄り)に向かいます。
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 天空の稜線との誉れには偽りなし。(黒い点はトンボです)
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 斜面を黄色く染めるニッコウキスゲの群落。尾瀬、武尊、そして日光を望む。
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 牛ヶ岳付近から御機屋と割引岳(わりめきだけ)の稜線。Img_6018

 一面に草原が広がるたおやかなる稜線です。
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 牛ヶ岳の一般登山道の果てるところ。六日町盆地(魚沼平野)を見下ろし、越後三山の眺めが素晴らしい。(この写真では2山のみ、中ノ岳は写っていません。)
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 とうとう姫の姿は見なかったけど、笑顔のこいつ“巻機福造”は健在。
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 御機屋そのものが美しい姫のようであります‥‥
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 季節を変えてまた来たい。そんな山上の楽園を後にします‥‥
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 この丘を越え、再び現世へ‥‥(あ~帰りたくね、下界は40度の猛暑)
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 6合目あたりからの、割引岳と天狗岩、そしてヌクビ沢の眺め。
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 樹林帯の多くは美しいブナ林を行く。秋には金屏風が立ち並ぶんだろうな~
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 登り始めから11時間半後の登山口にて。天国ゆきも自己責任か‥‥
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 下山後の温泉。越後湯沢界隈なら「山の湯」がマイ定番だけど、初日に入ったため、塩沢の「金城の湯」へ。そして、最近こちら方面での締めは、湯沢の某店で毎度コレです。
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 この日の関越は渋滞しぶとく、川越まで3時間以上かかりました‥‥。
 以上、レポのほぼすべてが頂稜部ですが、これをもって巻機山初登頂の記録とします。

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 尾瀬や谷川の山々から優美な姿が望まれる巻機山。行ってみたいと憧れるも、単純標高差1300m超、往復12kmでコースタイムは約10時間の厳しさゆえ日帰りは難しかろうと、ずうっと見送ってきました。
 それでもだんだんに思いは募り、体力と経験を積み重ね、今季ようやく“巻機福造”にドーン!してもらえるに至りました。しかし、あの物語の中で喪黒氏にドーンされてしまった人たちの末路たるや‥‥。好山病は現在進行中であります。今回、割引岳まで回れなかったので、また機会をうかがって訪ねたいと思います。

*撮影2018年7月15日 Canon PowerShot G7 X MarkII (冒頭写真除く)
*巻機山/桜坂登山口~井戸尾根~御機屋~牛ヶ岳往復/新潟県南魚沼市

【プロローグ記事】 巻機福造ドーン!!(第995号)

(第1011号)

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コメント

爽快な山の稜線帯ですね。日差しは強そうですが下界の酷暑に比べれば快適な山旅。尾瀬方面も見られるとなんだか行ってみたくなります。
途中に避難小屋があるようなのでここで1泊出来れば楽かな? でも他レポとか見ると週末は混むようですね・・・。

投稿: てばまる | 2018年11月19日 (月) 09時28分

てばまるさん、8合目から上では遮るものは一切なく、日焼け対策が必須です。ただ、当日の稜線は、吹く風が涼しく、とても爽やかでした。
尾瀬方面の眺望。牛ヶ岳付近は至仏山~笠ヶ岳の稜線と正対しており、平ヶ岳が大きく、燧ヶ岳、会津駒、帝釈田代はもちろん、気をつけて見れば、尾瀬ヶ原や尾瀬沼を取り巻く山々の多くが見えます。

ニセ巻機と御機屋の鞍部に、とてもきれいで手入れの行き届いた避難小屋があります。水場も近く、泊まりなら余裕の山行が楽しめそうですね。

投稿: 鉄まんアトム | 2018年11月19日 (月) 17時14分

やはり夏の巻機山は暑いですがお花の時期が良いです。途中のブナ林は美人林を思い出します。天気も良い時は仮眠中の駐車場から夏の天の川撮影も楽しめます。

投稿: pulsar | 2018年11月28日 (水) 20時39分

pulsarさん、私の初巻機は、夏の、しかもここ数十年で、最も暑い日に行ってしまったようです。歩いている間じゅう、ずうっと何かと見どころは尽きません。季節を変えたり、泊まりで行ってみたり、また訪ねたいお山でありました。登山口での星の撮影も楽しそうですね。

投稿: 鉄まんアトム | 2018年11月29日 (木) 09時30分

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