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カラマツ黄葉の晩秋雲取山をあるく

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 平地に波瀾を起した幾多の小山脈が、彼方からも此方からもアミーバの偽足のように絡み合って、いつとなく五、六本の太い脈に綜合され、それが更に統一されて茲(ここ)に初めて二千米以上の高峰となったものが雲取山である。 ――木暮理太郎 『秩父の奥山』 (青空文庫版、初出1941年9月)より引用

 上記は雲取山の「巧みな表現」として深田久弥が『日本百名山』に引用した一節です。奥多摩の山々を歩くうち、いつか雲取山へ、の思いが芽生え、しかし、歩くのはいつも「五、六本の太い脈」どまり、いつかいつかと言っているうち徒に歳月ばかり流れていました。
 登山を始めて10周年になるのを前に、前号に書いたとおり、きっかけは他力ながらも、ようやく奥多摩での本願を果たす日がやってきました――

(※以下写真26点の長編)

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 初めての雲取山へは平凡だけど最も易しい小袖乗越(750m)からの鴨沢ルートにて。
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 その鴨沢ルート。歩きやすいけど、七ツ石小屋(1597m)の直下までは、ほぼ植林の杉林のなか、だ~らだらと長ぁ~く続く坂道で極めて単調です。中間の水場も通り過ごしてしまうほどです。
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 七ツ石小屋直下で道は大きく3つに分かれ、ブナ坂(1650m)にて再びすべて合流します。巻き道を来た場合はブナ坂から石尾根に乗り、ここからいよいよ稜線歩きです。
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 程なくして、かの有名な“ダンシングツリー”登場。唐傘お化けにみえちゃうのは私だけ?? 周囲に台風24号による倒木多い中、よく持ち堪えました。
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 ブナ坂分岐から50分、奥多摩小屋(1750m)に到着です。この日ここに立っているのが、この小屋の今年度限りでの閉鎖決定による、という事実には複雑な思いあり。
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 確保した別邸建設地はこちら。テント場の中心部より離れた郊外の一等地です、たぶん。この素晴らしい眺め1泊5百円也。
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 夕方のヨモギノ頭(1813m)より五十人平~テント場俯瞰。左のピークが七ツ石山、わが別邸は木の陰にて見えません。それにしても、なんて素晴らしいロケーションでしょうか。。。
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 別邸にて富士山を眺めつつ、トワイライトタイムを寛ぎます。銀色のヤツは小屋にて500円でゲット。
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 18時にして夜の帳に包まれ、と同時に、急に冷えてきました。星景少し撮ったら19時を前にしっぽりテントに潜り込みましたでござりまする・・・
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 潜り込む前、別邸から月夜に浮かぶ富士山と天の川の眺め‥‥ 西に残照、東に街灯り、さらに仰角30度超の高さに月齢12の月もあるなかでの星空です。
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 翌未明、月が2時半過ぎに沈むころ起き出し、星空を眺めます。オリオン座流星群の流れ星をいくつも見ますが、写真には捕らえられませんでした。しかし、南の空には、見るのが難しいカノープスが・・・181022g1xm2_4052

 西北の空には薄く天の川が流れ、カシオペア、ペルセウス、アンドロメダ銀河にプレアデス星団(すばる)が瞬いています。これが東京の空とは思えません。満天星です。181022g1xm2_4057

 1時間ほど見入ってしまいましたが寒さも限界、タイムラプスを仕込んで再びシュラフに潜り込むも寒くて寝付けず、5時過ぎから再び山頂を目指します。日の出は小雲取山と雲取山の間の石尾根稜線で迎えました。
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 富士山は、大菩薩連嶺と雁ケ腹摺山との間の奥に、ほんのり紅く染まっていました。
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 寒いはずです、霜がしっかり降りていました。
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 日本百名山 雲取山頂上。雲を取りに来たのに取る雲が一つもない快晴の穏やかな朝です。(前日の夕方も同じく雲なし!)
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 都心方向かと思いきや、地図で同定すると横浜のようです。横浜ベイブリッジと鶴見つばさ橋が見て取れます。正面手前は石尾根の高丸山、中ほど左右は大岳山と御前山です。
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  雲取山より西方には飛龍山が大きく、そして東アルプスとも称される奥秩父主脈が八ヶ岳へと続きます。雲取山は奥多摩と奥秩父の結節点です。
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 富士山の眺めは、ここ小雲取山(1937m)あたりからが一番美しいと感じました。カラマツ黄葉もこのあたりがピークでした。
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 小雲取山あたりの石尾根は前後左右カラマツに包み込まれるようです♪
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 行きは巻いたので帰りに七ツ石山の頂(1757m)を踏みました。ブナ坂からダンシングツリー、ヨモギノ頭、そして雲取山頂へと続く石尾根を振り返ります。
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 紅葉は七ツ石山前後で見頃でした。しかしながら、落葉や茶枯れが目立ち、今年の紅葉はやはり期待薄で間違いないようです。
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 ベストはこの木だったかな~ (数える程度しかありません)
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 行きも帰りも立ち寄った七ツ石小屋。ここを含め3カ所に水場があり、多くを持ち歩かず済むのが鴨沢ルートの良いところです。あとは来た道を黙々と下っていくだけです。
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 なんかすごく綺麗な小鳥が目の前に現れて、しばし見送ってくれました。以下省略。
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 15時半、無事下山。奥多摩湖畔「のんきや」でラーメン食べて帰りました。
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 川越からも見えるほど近いけど、辿り着くのに遠かった雲取山。奥多摩で一番高い頂に立ってみて思うのは、ほかの奥多摩の山では感じられぬ高さと奥深さでした。そして、日帰りでは得られぬ想像以上の満足感に、いまなお溢れています。
 雲取への登路は、埼玉側は秩父三峰口から、山梨側は三条ノ湯から、東京側は日原から、など数多くあります。そのどれも魅力いっぱい。願わくば奥多摩小屋と幕営地が存続し、来春以降も此処でまた夜空を眺められたらなぁ、と。‥‥なんとかならんのでしょうか、なんとかしてください。

*撮影2018年10月21・22日 Canon PowerShot G7 X MarkII/G1 X MarkII
*雲取山1泊2日/鴨沢ルート小袖乗越ピストン/秩父多摩甲斐国立公園

(第1008号)

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コメント

秋の雲取山へ登ったのは30年以上前ですが、奥多摩小屋あたりの雰囲気はあまり変わらないようで懐かしく思いました。北アルプスや谷川連峰のような派手さはないですけど、秋の一夜をテントで過ごすにはいい山ですね。

投稿: Suekichi | 2018年10月29日 (月) 12時45分

意外と雲取山は初めてだったのですね、鴨沢ルートの入口、いつのまにか派手な看板が出来ていてビックリ(^^;)

ピークハンターではないけど写真見てると遥かな峰々を眺めて見たくなりました。でも冬テントは寒い・・・

派手な鳥はソウシチョウですね。
もともと中国あたりの鳥が観賞目的ではいってきて逃げ出して各地で大繁殖している特定外来種です。

投稿: てばまる | 2018年10月29日 (月) 13時48分

Suekichiさん、確かにこのエリア、山容自体も地味な山が多いですけど、風景に富士山という超絶ど派手な一大スターを抱え込んでおります。
秋の一夜をテントで‥‥と言うと、虫の音を聞きながら団子でも食べる長閑なイメージを描きますが、今回の現実は、震える寒さに加え、夜通しシカや小動物が忍び寄ってくる魑魅魍魎の夜でありました。まだ間に合います。追体験いかがでしょうか?(^0^;)

投稿: 鉄まんアトム | 2018年10月29日 (月) 16時05分

てばまるさん、そうなんです、初雲取でした。日帰りでは絶対無理だろうと手をこまねいておりました。その判断は間違ってませんでしたけど。
冬の朝の雲取からの眺めはさぞかし美しいでしょうね、寒くなければ私も見てみたい‥‥積雪期でも登り下りにそう難しくはなさそうだけど、現装備では全然ダメですね。

小鳥は取っ捕まえなければいけないヤツでしたか、無知とは恐ろしいものです。夜はニホンジカの多さも気になりました。

投稿: 鉄まんアトム | 2018年10月29日 (月) 16時06分

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