« 2018年9月 | トップページ | 2018年11月 »

2018年10月の4件の記事

カラマツ黄葉の晩秋雲取山をあるく

181021g1xm2_3896
 平地に波瀾を起した幾多の小山脈が、彼方からも此方からもアミーバの偽足のように絡み合って、いつとなく五、六本の太い脈に綜合され、それが更に統一されて茲(ここ)に初めて二千米以上の高峰となったものが雲取山である。 ――木暮理太郎 『秩父の奥山』 (青空文庫版、初出1941年9月)より引用

 上記は雲取山の「巧みな表現」として深田久弥が『日本百名山』に引用した一節です。奥多摩の山々を歩くうち、いつか雲取山へ、の思いが芽生え、しかし、歩くのはいつも「五、六本の太い脈」どまり、いつかいつかと言っているうち徒に歳月ばかり流れていました。
 登山を始めて10周年になるのを前に、前号に書いたとおり、きっかけは他力ながらも、ようやく奥多摩での本願を果たす日がやってきました――

(※以下写真26点の長編)

続きを読む "カラマツ黄葉の晩秋雲取山をあるく"

| | コメント (4)

宿望だった雲取山の頂に立つ

181022g1xm2_4229
カラマツ黄葉と奥秩父や大菩薩の山岳重畳に富士山・南アルプスを望む
2018年10月22日雲取山頂下の石尾根縦走路にて撮影 Canon G1 X MarkII

 簡単に行けそうでいて、でも日帰りは難しく、ずうっと手の届かなかった奥多摩・奥秩父の雲取山(東京都最高峰、埼玉山梨県境、標高2017m)の頂にようやく立ちました。まさか北アルプスに遅れるとは‥‥
 きっかけは、雲取奥多摩小屋とそのテント場の今年度限りでの閉鎖発表。かねて抱いていた望みが絶たれるとあってはもう今年行くしかあるまい、そう背中を押されて、夏にテント装備一式を買い揃えて、北アルプスで二度の予行練習もして、ここが本番、いちばん行きたかった時季にて宿望を果たせました。感無量であります。

 2日間で撮った写真は1100枚に及びます。整理に少し時間がかかりそうですが、この山旅の様子は日を改めて必ずや記します。

(第1007号)

| | コメント (0)

錦繍の奥利根水源の森をあるく‥‥はずが

181008_img_9398_dpp

 紅葉が見頃の情報を掴んで、秋晴れ行楽日和の天気予報で、北アルプスに行くのを押し避けてまで、群馬北部の「奥利根水源の森」の錦繍に期待し向かったのですが、丸坊主。もう紅葉は終わり、と言うよりは、元から葉が傷んでいるのか、茶枯れや黒ずんだ状態多数でした。正直遠目にも美しくありません。
 加えて、天気予報まで大外れ、空は分厚い雲に覆われ、木々の色はいっそうくすんで見えました。そんななか、たまたま紅葉が残る場所で、雲が切れて陽が射してきたほんの数分に撮ったのが上の写真。この日の地合からは奇跡のような“別格”の1枚です。

181008_img_9317
 それ以外の時間は、ずうっとこの武尊田代の写真のような雨模様の曇り空でした。登るにつれ落葉も目立ち、さすがにやる気を無くし登山なんか早々に止め、武尊田代を回って引き返しました。‥‥まあこんな日もあるわい。つぎ行ってみようか!

*撮影2018年10月8日 奥利根水源の森/群馬県みなかみ町

(第1006号)

| | コメント (0)

秋分の北アルプス唐松岳をあるく(後編)

180923g1xm2_3694

 午前3時過ぎに月が沈むと文字通りの満天星です。わが“別邸”の玄関から見上げる空には、冬の星座オリオン、そして冬の大三角が昇りはじめ、東から西への天頂を天の川が流れていました。これは寝ててはいかんやつだ! 急ぎ支度を調え山頂に向かいます。稜線までだって10分以上かかるんです――

(※前編からのつづき、以下写真20点+1の長編)

続きを読む "秋分の北アルプス唐松岳をあるく(後編)"

| | コメント (2)

« 2018年9月 | トップページ | 2018年11月 »