尾瀬にて草紅葉とユンボと
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この時季と言えばヤマドリゼンマイの黄葉。やはり1週間以上は季節が早いでしょうか、ちょうど見頃を迎えていました。
お決まり構図からなかなか抜け出せないワンパターンの積み重ねだけど・・・
池塘に浮かぶヒツジグサも秋色へ。場所によって色合いが異なり見ていて楽しいです。
2年ぶりに見晴にもお邪魔。目的はもちろんコレだけのため。。。
日帰りの人が去ったあとの時間。夏と秋が同居する長閑な大草原。
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その後に期待された星空も、薄雲と夜霧に阻まれたでござりまする・・・
未明3時過ぎに少し空が見えたので星を撮るも、まず表に出せないレベル・・・
そのまま黎明タイムへ突入。鈍色の朝焼け、と言ったら可笑しいけど、地味ながらも次々と表情が変わる見応えのある明けでした。
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さて、朝食解散後は、鳩待峠に戻るつもりでいましたが、いま尾瀬沼にて、もれなく特別の景色が見られると聞き、2年2か月ぶりに尾瀬沼へと回ってみたらこの有り様・・・
新聞報道によれば、地元が主導する「尾瀬沼再整備」の名の下での観光客誘致策、だそうです。有り体に言えば、目先のカネ欲しさと土木工事それ自体が目的の、ただのハコモノ振興策でしょう。それにしても、あまりにも凄惨だ・・・
尾瀬沼地域は、木の枝を折るはもちろん、落ち葉一つ持ち出すことすら許されぬ国立公園の特別保護地区(ただし、この一帯だけは第2種特別地域で規制緩和?)。なのに、ユンボが縦横無尽に根こそぎ死屍累々・・・長年、長蔵小屋に木漏れ日の朝をもたらし、動物たちが暮らす森が一瞬にして殺されました。
美辞麗句で盛られた工事のパンフレットがこちら↓↓↓(※クリックで拡大)
かつて尾瀬沼を縦断する自動車道路工事を中止に導いた平野長靖がこれを見たらなんと言うでしょうか。あのときの破壊も地元主導でした。沈黙するは賛成と同じです。過ちを繰り返すのは馬鹿としか言いようがありません。
*<参考> 長蔵小屋ブログ 最新情報 Topics 2016/08/31付け
http://chozogoya.com/news/?p=3195
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こうした動きの一方で、尾瀬沼へと通じる旧沼田街道は、至る所で木道が朽ち果て、階段は崩れ壊れ、橋も落ちています。予算がないという言い訳はもう通用しません。
焼失した沼尻平の休憩所はどうなるんでしょう。ときに登山者の生命安全にかかわる施設も後回しですか???
尾瀬沼を代表するこの景色もまた、さらなる伐採と構造物で姿を変えるかもしれません。
・・・以上の次第にかんがみて、尾瀬沼については、お暇を頂きたいと思います。
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尾瀬オフ会について何も書きませんでしたが、前回同様、大変盛況で有意義な時間でした。末筆ながら、ご参会の皆様にはお世話になり、ありがとうございました。次回こそは布団の上げ下ろしを人任せにしないよう気をつけます。
*撮影2016年9月10・11日 尾瀬国立公園 Canon PowerShot G1 X MarkII/G7 X
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(第903号)
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コメント
朝露をまとったヤマドリゼンマイ、とてもいい色ですね。
この時期の尾瀬ヶ原ならではでしょうか。
それにしても、工事現場の様子には目を覆いたくなりますね。低山の植林帯ならよく見かける光景ですが、これが尾瀬沼とは・・・
投稿: Suekichi | 2016年9月13日 (火) 17時26分
Suekichiさん、光を透かして見るヤマドリゼンマイ黄葉は、僕がよくステンドグラスと形容してきたように、とても美しい色模様です。見頃は例年9月上中旬で霜が降りたら終わりです。
尾瀬沼の惨状はまだ序の口で、今後さらに工事が進めば湖畔の木も伐られ風景が一変してしまうでしょう。暴挙と言わざるを得ません。
投稿: 鉄まんアトム | 2016年9月13日 (火) 17時57分
鉄まんアトムさん 最後の最後の川越までお世話になりました
楽しい時間を過ごすことができました、ありがとうございました
尾瀬沼は、とても悲惨な状況のようですね。これでも観光客が増えると考えるのは、浅はかではないかと感じています。先々の事より目先の工事を作ることが大事なのでしょうね。
投稿: horiguti | 2016年9月13日 (火) 21時35分
週末はお世話になりました。帰りも便乗させて頂いてありがとうございました。渋滞はありましたが、21時までには帰宅出来ましたので、ゆっくり現像と洗濯出来ました(^-^;) 尾瀬小屋で生ビールやりながらの至仏山は最高でしょうね。
土曜日より根っこの掘り返しが進んでいるようで、なんだかほんとに急いで作ってる気がします。このぶんだと遊歩道なども年内に工事が始まってしまうのでしょうね。完成しなくても粗方伐採や整地が進んでしまうと思うので、景観が変わってしまいます。この暴挙を止めるには群馬県と新潟県が黙ってないで意見を出すべきでしょう。特に群馬県は「尾瀬憲章」という独自の素晴らしいルールを作ったのですから!
投稿: てばまる | 2016年9月13日 (火) 21時45分
はじめまして。11日早朝に私も逆さ燧が見えるところに居りました。もしかしてご一緒していた方でしょうか?
違っておりましたらごめんなさい。
霧は少なく残念でしたが朝焼けは見ごたえありましたね。
照らされたヤマドリゼンマイ綺麗ですね。
真っ赤なウルシがワンポイントになっていて、私も狙ってみたけどうまく撮れませんでした。
尾瀬沼のカラマツ伐採の話は耳にはしておりましたが実行されてしまったんですね。残念です。
投稿: m_hiro | 2016年9月14日 (水) 09時38分
horigutiさん、オフ会ではお世話になり、ありがとうございました。
帰りは窮屈な車で恐れ入りました。みなさんで談笑できて眠くならず運転できました。
今回の尾瀬沼再整備について地元の福島民報は、2015年4月7日社説で「急増する外国人観光客を尾瀬に引き寄せたい。手付かずの自然美を世界に発信し、根強い風評を払拭する好機ともなる‥‥誘客合戦に負けてはいられない」と述べています。社説全体があまりにもマヌケな文章であり考え方なのであえて論評はしません。
投稿: 鉄まんアトム | 2016年9月14日 (水) 10時07分
てばまるさん、オフ会ではお世話になり、ありがとうございました。
幹事役も大変お疲れ様でした。行きに拾えず申し訳ありませんでした。
尾瀬でヱビスの生が飲めるのはあそこだけなので、ついつい行ってしまいます(^^ゞ
尾瀬沼再整備。いまの政権と同じで都合が悪く批判が起こりそうなことは急ピッチで片付けて、既成事実にしてしまおうの魂胆が透けて見えます。姑息です。
上毛新聞の2015年5月14日付け記事によれば、「県尾瀬保全推進室は「施設整備により尾瀬全体の魅力が高まれば、入山者の増加につながる。より多くの人に尾瀬を正しく理解してもらえる」と歓迎している。」と報じています。
一方で、群馬県が定める尾瀬憲章では、「一 尾瀬を尊ぶ人は、その景観を破かいから守ろう。」があります。この事態を歓迎している場合か、の批判は免れませんね。
つまるところ、群馬県尾瀬保全推進室の人たちは尾瀬を尊ぶ人たちではなかった、ということです。こちらの保全も名ばかりなのでしょう。
投稿: 鉄まんアトム | 2016年9月14日 (水) 10時07分
m_hiroさん、コメントありがとうございます。
あの日あの時あの場所には2人しか居ませんでしたから、間違いなく私でしょう。
焼けるかと思えば焼けず、焼けないかと諦めかけると焼けてきたり。雲も動いて、変化の大きい、どうなるか予測が難しい朝の情景でしたね。ちょっと邪魔もしてしまったようで申し訳なかったです。今年ウルシはあまり良くないようです。
尾瀬沼の伐採はこれだけにとどまりません。ヒュッテ前のダケカンバも伐られました。湖岸の木はこれから伐られるようです。由々しき事態と受け止めています。
投稿: 鉄まんアトム | 2016年9月14日 (水) 10時08分
アトムさん、こんばんは。先日はいろいろとありがとうございました。
二日間よく歩きましたね、写真にその成果が現われていますよ。私はまったくで、やはりあの朝は池まで行ったほうが良かったようです。
あと沼の開発、ひどいですね。もう信じられません。
投稿: youic | 2016年9月14日 (水) 23時28分
youicさん、オフ会では、こちらこそ色々、ありがとうございました。
成果が現れている写真など贔屓目に見てもないと思うのですが・・・(笑)
朝の逆さ燧の池は消去法でした。未明からイモリ池に行く気満々でしたが、ヨッピ方面に向かうだろうなと読んでいた個室のお二人が現れて来ず、単独では怖いので(^^ゞ
***
さて、尾瀬沼の惨状について、法的観点から一考察。
自然公園法に基づき、環境省が平成25年8月に定めた『尾瀬国立公園管理計画書』(※環境省HPに公表)によれば、p15~第2章 管理の基本方針として「自然景観の保全を優先事項として、現在の規模を超える利用のための施設整備は原則行わない」と明記。
また、同計画書p17~第3章 自然景観の保全に関する事項で、保全対象として、尾瀬沼の「湖畔景観」を指定し「保全対象を厳正に保護し、現在の自然景観を維持する」、p20~尾瀬沼集団施設地区内の森林景観を指定し「利用との調整を図りつつ、保全対象を極力保護し、良好な自然景観の維持を図る」とそれぞれ明記。
さらに、p37~第4章 適正な公園利用の推進に関する事項で、「施設の維持管理及び整備方針」においても「過剰な整備は避け、原則として現状の規模及び位置を維持する」と明記されています。
これらと現状との乖離は誰の目にも明らかですから、環境省には、この管理計画の原則と進展中の尾瀬沼再整備計画との整合性について説明責任がある、と私は考えます。現時点でそうした説明は一切なされていないように見受けます。
投稿: 鉄まんアトム | 2016年9月15日 (木) 11時55分
今回の尾瀬沼の件、環境省は自ら決めたルールを完全に無視するような、まさに暴挙といっていいでしょうね。こんなことがまかり通るなら、公園法なんてなんの意味もありません。問いただしてもいろいろな理由をこじつけて開き直るのでしょうけど・・・
どこかしかるべきところに開示して環境省の暴挙を世間に知らしめないといけません。
ほとんど記者発表もせず、暗黙のうちに計画が進められている現状だけは何とかしたいものですね。
投稿: てばまる | 2016年9月16日 (金) 00時09分
てばまるさん、かつて平野長靖は、岩清水にブルドーザーが迫った道路工事を前に、朝日新聞の声欄に「峠の泉が涸れる」と投書しました。結果として岩清水の破壊には間に合いませんでしたが、投書が工事を止める契機となったことは間違いありません。
この文章は何度読み返しても胸に迫ります。事の本質は今も昔も変わりありません。関係者にはご一読いただきたいです。
***
前掲の管理計画書によれば、特別地域及び特別保護地区内における各種行為について厳しい内容の「取扱方針」で規制する一方で、「公園事業の執行として行われる行為については、本取扱方針を適用しない」とされていますので、いわゆる“中の人”にとっては“なんでもあり”なのでしょう。
もっとも、自然公園法に基づく公園事業ですから、同法の立法目的である「優れた自然の風景地を保護するとともに、その利用の増進を図ることにより、国民の保健、休養及び教化に資するとともに、生物の多様性の確保に寄与する」ものでなければなりません。
今般の尾瀬沼再整備によって、百歩譲って利用の増進は図られるのかもしれませんが、自然の風景地を壊し、生物の多様性を損なう恐れのある森林伐採におよぶ事実にかんがみれば、ほかに利用の増進策はいくらでもあるわけで、これを適正と評価するのは消極的にも無理があると私は思います。
投稿: 鉄まんアトム | 2016年9月16日 (金) 09時55分
日本の公園法は事業者と行政にはとても甘く出来てますね。公園制定前にすでにお土産屋さんや宿泊施設などがあるのでその為だとは思いますが、かなり抜け穴があるようですね。
Twitterに何度か流してみましたが、あまりリツイートなどの反応はなくてちょっと拍子抜けですが、やはり関係者がもっと反対意見を出さないとなかなか厳しいかもしれませんね・・・ボラさんやガイド連盟がもっと声を出してほしいものです。
でも、先日環境省にアノニマスがサイバー攻撃してダウンさせたようです。なんだかタイミングがよいですね・・・
投稿: てばまる | 2016年9月20日 (火) 00時22分
てばまるさん、地元では声を上げづらいとの忖度も見受けますが、手厳しいようですけど、記事本文に書いたとおり「沈黙するは賛成と同じ」です。
そもそも論を言ってしまえば、現在地(尾瀬沼東岸及び山ノ鼻)にビジターセンターを設けること自体がもっと議論されて然るべしでしょう。そこを素通りに、森を切り拓いての新築移転なんて論外にも程があると思います。
投稿: 鉄まんアトム | 2016年9月20日 (火) 10時18分
【お知らせ】 尾瀬沼再整備について、当面の考えをまとめ新聞投稿したところ、以下のとおり採用・掲載されました。
2016年10月6日付け東京新聞朝刊ミラー欄
題名:『尾瀬の「再整備」再考を』
※別途、記事としました。弊ブログ第906号です。
http://hirotahiroshi.cocolog-nifty.com/blog/2016/10/post-2d48.html
投稿: 鉄まんアトム | 2016年10月 6日 (木) 19時25分