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下着の色まで定める中学校のきまりに異議あり

 長男が中学生になりました。入学した公立中学校では、学校のグランドデザインが公表されており、憲法及び法令に源を発し、「21世紀を主体的・創造的に生きていく生徒を育てる」との学校経営方針のもと、「自ら考え、自ら学ぶ」などの学校教育目標が掲げられています。

 その一方で、髪の長さから挨拶の発語内容に至るまでの、事細かな<学校生活のきまり>を守るよう、生徒はもちろん、保護者にも繰り返し求めています。
 その<きまり>では、服装について、指定シャツ、靴、靴の紐、靴下、そして下着の色をすべて白と定め、例外を認めていません。こうした<きまり>を守らず登校した場合には、生徒を「一旦帰宅させ、改善後に再登校させる指導を行います」との文書まで配布しています。

 さて、上記の一旦帰宅させる云々の扱いは、子どもを学校外に退去させ、その間、短時間といえども子どもに授業を受けさせないわけですから、実質的には子どもが<きまり>を守るまでの停学処分にほかなりません。
 学校教育法11条では、校長及び教員による懲戒処分の権限を認めています。そして、同法施行規則26条2項では、退学、停学、訓告の3処分は校長が行うと定めています。しかし、同条4項において、義務教育中の児童生徒に対する停学処分は厳しく禁止しています。
 したがって、生徒を一旦帰宅させる云々の指導は明らかに違法です。法令遵守は社会における基本的ルールであり、違法な生徒指導など許されません。

 学校が校則によって子どもに一定の制約を課すのは、学校が教育目的を達成するために必要かつ合理的な範囲に限られています。下着の色まで規制するような<きまり>は著しく合理性を欠いており、憲法や子どもの権利条約に照らすまでもなく適切でありません。裁量権の範囲を超えており、無効です。
 そもそも、当該学校が「自ら考え、自ら学ぶ」「主体的・創造的に生きていく生徒を育てる」のならば、下着の色はもちろん、靴もシャツも、すべては彼らの自主性に委ねるのが相当といえましょう。

 校則は、その内容と運用次第で、子どもたちの主体性や規範性を培う道具にも、奪う武器にもなります。大人が具体的な根拠も示さず服装の色をすべて白と決めて子どもたちに押しつけ守らせたところで、いったいどんな教育的効果が得られるというのでしょうか。
 私は、保護者として、法律専門職として、また、中学校教員免許所持者として、いずれの立場からも、このような<きまり>は直ちに見直されるべきだと思います。

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*参考文献
「学校教育法第11条に規定する児童生徒の懲戒・体罰に関する考え方」、文部科学省、平成19年2月5日18文科初第1019号通知別紙
「生徒指導提要」、文部科学省、教育図書、平成23年
「逐条学校教育法(第7次改訂版)」、鈴木勲編著、学陽書房、平成21年

(第686号)

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*4/29追記 この件については学校側にも保護者の一意見として別途お伝えし、学校側と直接お話もしました。学校内部で話し合うなどして検討されるとのことでした。本件校則が憲法や教育法令及びそれらに沿った学校グランドデザインと両立し得るものに改善されるよう、期待しているところです。なお、本記事の事柄は個別的ですが、内容には普遍性がありますから、掲載を維持します。

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コメント

我が子が大阪市立中学校に通っていますが、ここで書かれているのと同じような状況です。停学云々まで文書化されているかどうか定かではありません。しかし、生徒手帳には下着の色を白と指定する記述があり、先日学年集会で教員が上着をめくり下着の色を検査したと子どもから聞きました。白以外の下着を着た子には「体力をつけるため」と教員が言ってスクワットをやらせたそうです。あまりのことにネットで情報収集したところ、この記事を見つけました。まだ学校側ときちんと話し合いができていないのですが、記事を参考にさせていただいてもよろしいでしょうか?

投稿: 江口佐和子 | 2014年6月 2日 (月) 09時53分

 江口佐和子さん、はじめまして。コメントありがとうございます。本記事が、合理性を欠いた校則やそれに拘泥している教職員の見直しに役立つのなら、幸甚です。

 校則の運用について文部科学省は、「校則に基づき指導を行う場合は…(中略)…教員がいたずらに規則にとらわれて、規則を守らせることのみの指導になっていないか注意を払う必要があ」るとしたうえで、「校則に違反した児童生徒に懲戒等の措置をとる場合には…(中略)…単なる制裁的な処分にとどまることなく…(中略)…教育的効果を持つものとなるよう配慮しなければな」らないと述べています(生徒指導提要p206)。

 ご指摘の事実関係をこれに当てはめてみれば、そもそも「生徒指導提要」に沿っていませんし、当該教師の行動は、目的、態様等から判断して、教育的指導の範囲を明らかに逸脱していますね。学校教育法11条が禁止している体罰ではないでしょうか。
 下着の色と体力と一体何の関係性があるのでしょう、下着の検査をするがごとき行為は、同性であってもセクハラと言えましょう。愚かしい様です。

投稿: 鉄まんアトム | 2014年6月 3日 (火) 20時41分

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