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晩秋へと移ろう尾瀬を縦断する(矢木沢道の巻)

 プロローグ編(前号)でお伝えしたとおり、体育の日の3連休、家族を連れて尾瀬を歩いてきました。初日は鳩待峠から入山。鳩待通りでアヤメ平から富士見峠を経て、矢木沢道で尾瀬ヶ原見晴へと下り、宿泊地の赤田代(温泉小屋)まで歩きました。今回はこの部分について紹介します。まずは、鳩待峠から約1時間半の横田代から――。

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▲草紅葉輝く横田代。この時はまだ晴れていたのですが、至仏山の頂上部が見えたのは後にも先にもこれきりでした。

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▲アヤメ平の崖にて。ガスが湧いて遠望は効かないものの、見下ろしたあたりのダケカンバ黄葉やら配色の妙が見事でした。なお、アヤメ平からは、至仏も燧も雲に隠れ全く見えませんでした。

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▲富士見田代の手前で転倒し足を骨折した様子の登山者がいました。本人の携帯(ドコモ)が繋がったので本人から119番通報にて救助要請、1時間とかからず救助隊が上がってきました。早期に収容される目処がつくのは不幸中の幸い、あとはケガが大事に至っていないことを祈るしかありません。

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 さて、富士見峠(標高1883m)から、いよいよ矢木沢道に入ります。かつて戸倉から下田代の山小屋へ物資を運ぶ馬が通っていたという古の道で、私はまだ歩いたことがありません。尾瀬ヶ原に近い辺りは紅葉の名所とのことで、矢木沢道を初めて歩いてみることにしました。
<※>冨士見小屋下の水場が枯れていました。アテにしない方が良いかもしれません。

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▲八木沢道の上部では少しだけ展望が利きます。見えているのは皿伏山の稜線でしょうか。

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▲昼場と呼ばれるほぼ中間地点(標高1550m)。見頃の紅葉はこれより下の方ですが…

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▲カエデの類の多くはもう散ったあとのようです。

P1100673▲それでも黄色に染まる木は多く、なかでも薄檸檬色に透ける紅葉が美しいコシアブラの木立を見かけたりすると嬉しくなります。

 ……昼場を過ぎて少し歩くと矢木沢を渡って道は平坦になり、尾瀬ヶ原の脇を沿うようになります。しかし、ここからが長い。富士見峠から見晴(下田代十字路)までは5.7km、途中これといって目立った見所もなく、とにかくとにかく長い道程です。尾瀬の歴史に思いを馳ながら歩く玄人向けルートでしょう。

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▲見晴沼尻川橋より沼尻川のせせらぎ。しばし眺めていたい光景でしたが、疲れと飽きがピークに達している家族からの『立ち止まるなオーラ』を感じ、さっさと立ち去りました。ここからさらに15分歩かないと見晴に着きません。

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 さて、やっとの思いで見晴に着いて、さあ、いつものヱビス生、と思いきや、またもや尾瀬小屋、売っていない。かといって余所で売っているスーパードライは飲みたくない。…ということで弥四郎清水をガブ飲み、5分程度の小休止にて見晴をあとに赤田代を目指します。

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▲赤田代に向かうこのうらぶれた感じが何とも言えません。

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▲温泉小屋に着くと玄関先には雨具が並び、下駄箱は全て埋まって入りきらないほどでした。

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▲外は雨だし、まず向かったのはお風呂。敷地内に自然湧出する23.9度の硫酸塩泉を加温のみで源泉かけ流し、鉄の香りがして身体が温まるいいお湯でした。なお、人が入れ替わり立ち替わりなので浴室内の写真は割愛です。

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▲夕食

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▲朝食

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 2日目の早朝は雨が降っていて、朝焼けもご来光もなし。至仏も燧も見えず。ただし、出発の頃だけ晴れて、青空が見られました。到着がほぼ最後なら、出発もほぼビリケツの午前7時半です。(※燧ヶ岳は初冠雪だったようですが、赤田代からは見られませんでした。)

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 次回は、2日目のようす、燧裏林道から尾瀬沼の巻に続きます。

*撮影/2013年10月12・13日 Panasonic DMC-LX7
*このほかの尾瀬関連記事は、カテゴリ「尾瀬」をクリックしてご覧下さい。

【連載記事一覧】
晩秋へと移ろう尾瀬を縦断する(プロローグ) (第636号)
・2日目 燧裏林道の巻/赤田代→三条ノ滝→御池→沼山峠→尾瀬沼(第638号)
・3日目 尾瀬沼朝景の巻/尾瀬沼東岸→三平下→三平峠→大清水(第639号)

(第637号)

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コメント

こんばんは。
今回はニアミスでした。私は沼から原へ妻と横断していました。
富士見から御池、沼山峠から大清水とまさしく通のコースを縦断されたのですね。
家族連れだというのに、さすがです。
いい写真も撮影できたようで、沼の写真も楽しみです。

投稿: youic | 2013年10月16日 (水) 18時50分

youicさん、コメントありがとうございます。
てばまるさんのブログへのコメントを見て、あら~、私らと逆方向だ~残念、と思いました。白砂越えなら途中ですれ違えたんでしょうけど。

今回は紅葉の燧裏林道を主目的に、当初、御池を基点に計画を立てたのですが、御池までは片道6時間ドライブ。3連休で道路の混雑が読めず不安を覚え、ならば慣れている戸倉基点に変更し、群馬側から歩いちゃえ、となりました。でも、富士見峠経由は大風呂敷に過ぎたかもしれません。見通しが甘くて、通だなんてとんでもありません。

14日は尾瀬ヶ原でも本格的な霜だったようですね、youicさんの写真も楽しみにしています。
なお、当方の写真、今回はいつも以上に泥縄基調ですので、期待は禁物です。

投稿: 鉄まんアトム | 2013年10月17日 (木) 00時15分

こんばんは~ 先日は、お世話になりました。直ぐ隣にいるのに気づかずでした(^-^;) いや、もしかしたら?とも思ったのですが、先に声かけて頂いて良かったです。

戸倉で救急車とすれ違い、そしてヘリが飛んでいるのを目撃しましたがアヤメ平での怪我人だったのですね。尾瀬でも一番携帯が繋がるルートなのが幸いでしたね。

八木沢ルート。1回通ればもういい感じでしょう(^-^;) 平坦になってからがとにかく長いのです。紅葉目当てだけなら見晴しから八木沢橋までの往復で十分ですよね(^-^;)

投稿: てばまる | 2013年10月17日 (木) 00時59分

てばまるさん、コメントありがとうございます。
すぐ隣にいらしたので私もまさかとは思いましたが、お声掛けして良かった、いろいろ談笑できて楽しかったです。一丁前の格好して必死で撮っているのにコンデジかよっ、というのが居たら、それ、私で間違いありません。(笑)

八木沢道は言われていたとおり長かったです。コースを組む上で積極的に選ぶメリットも乏しく、確かに1回通ってもう満足しました。あ~、でも、沼尻川の風情は良かったです。
ちなみに、今回、八木沢道では、途中誰一人として出会いませんでした。

投稿: 鉄まんアトム | 2013年10月17日 (木) 14時18分

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