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三段紅葉の谷川岳一ノ倉沢を目指して

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 ちょっとした諸事情が重なって、週明け平日の月曜に谷川岳の山麓を目指すことになりました。先週末に過ぎ去った台風による寒気で山は雪、数年前から狙っている谷川岳一ノ倉沢での三段紅葉が見られるかもしれない絶好のチャンスです。土合口駅から旧清水越えの国道を歩いて午前8時10分、見えてきたマチガ沢の岩壁は見事な景観でした――。

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 期待して一ノ倉沢出合へと進みましたが、ご覧のとおりの三段紅葉と呼ぶには微妙な情景です。岩壁の雪が少なすぎますし、中央奥壁あたりはもう陰ってしまっていました。もっと朝早くに来なければダメなようです。(午前8時40分)
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 望遠で岩壁を寄せてみると‥‥ここを登ろうという気持ちは、何がどうひっくり返っても私には起こり得ません。
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 一ノ倉沢出合から湯檜曽川を挟んだ対岸の眺め。笠ヶ岳に冠雪がみられ、プチ三段紅葉になっています。白毛門もわずかに冠雪していましたが、この写真からは確認できません。
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 何だかんだと撮影を続けていると、空高くあった残月が国境稜線近くまで落ちてきました。なんかイイ光景で得をした気分になります。(午前9時25分)
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 つぎの目的地、幽ノ沢出合に向かってさらに奥へと歩き出します。少し進んで振り返る一ノ倉沢の眺めも壮観です。
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 そして、本日の最遠目的地である幽ノ沢出合にて
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 ちょうど、残月が沈むところでした。。。(午前10時)
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 壮大な岩壁ばかりに目が奪われがちですが、一帯は美しいブナの森でもあります。燃え上がるようなブナの黄葉(褐葉)が最盛期。
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 カエデ類の黄色も鮮烈なかがやき
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 青空をバックに樹間から冠雪の岩峰が覗く、しあわせの紅葉の散歩道P1120563
 ところによって、青空、冠雪、紅葉、そして緑の木々と、ちょっとした四段紅葉も。P1120509

 来た道を引き返し一ノ倉沢出合まで戻ります。平日にもかかわらずたくさんの人が最盛期の紅葉を楽しんでいました。(午前11時55分)
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 朝から歩いているのは、国道291号線、旧清水越え国道の「旧道」と云われている道です。眼下の湯檜曽川沿いに「新道」と云われている道が並行していて、旧道の途中には新道に下る分岐点がいくつかあります。
 新道というからには旧道よりさらに良い道かと思いきや、土合口から一ノ倉沢出合までは舗装されて自動車の通行も可能(※但し、マイカーは通年規制)である旧道に対し、新道はアップダウンと泥濘の登山道、一部の沢では橋も架かっておらず徒渉に難儀しました。
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 下調べ不十分で山に入ることは、やはり危険です。

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 以上で三段紅葉の谷川岳一ノ倉沢を目指した話はおしまいです。以下は余談。

 帰途、谷川岳には「日本一のモグラ駅」があって、ホームはトンネルの中、486段の階段で地上と繋がっているんだよ、見て行く? と同行の長男(※小学校は音楽会の振替休日)に問うたところ、予想外にも、行くっ!!との返事。で、駅を見せるだけのつもりで立ち寄ったら、あろうことか、ここ↓↓↓まで付き合わされました。とんだヤブヘビでした。
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 運動会の最後のラジオ体操みたいなものでしょうか。素敵な整理体操になりました(汗)。ビックリしたのは、階段で10人以上もの老若男女やカップルとすれ違いました。もちろん、誰一人として列車の乗客ではありません。まるで観光名所のような土合駅でした。
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 ‥‥三段紅葉には残念でしたが、まあ、ロケハンとしては良い条件でした。ちなみに、一ノ倉沢の岩壁を撮影するには早朝が好条件のようです。何人かに話を聞いてみたら、夜明け前から「待ち」だそうです。

*撮影2013年10月28日/DMC-LX7 & GXR+GR Lens A12 28mm
群馬県みなかみ町、谷川岳麓の旧清水越え国道にて (上信越高原国立公園)

【関連記事】 谷川岳天神尾根をあるく(第617号)

(第644号)

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コメント

青空を背景に最盛期の紅葉とうっすらと雪をかぶった岩稜の組み合わせ、すばらしいです。昨年、私が訪れたときは紅葉の最盛期には一週間ほど遅れていました。岩壁は(登るのではなく)背景として眺めながら、紅葉の中を歩くのがいいですね。

「新道」は一度だけ歩いたことがありますが、普通の山道で、あまり歩きやすくなかった記憶があります。蓬峠方面から土合橋や土合駅に直行するには少し早いルートなのですが、ロープウェイ土合口へは、最後に坂を登ることになり、所要時間も増えそうです。

投稿: Suekichi | 2013年10月30日 (水) 08時56分

Suekichiさんの過去記事は多いに参考にさせていただきました。そのなかの1つ、昨年11月4日ぐらいの冠雪を期待して出掛けたのですが、雪は不発でした。
紅葉の最盛期と冠雪がうまく重なるのは1年に1度あるかないか、です。また来年以降も機会を伺いたいと思います。次回は早着にて芝倉沢あたりまで行きたいです。

新道は、峠と土合の行き来に使う道と理解しました。谷川岳登山指導センターによると、「蓬峠、清水峠から土合までの間は新道の方が歩き易く安全に利用出来ます」とのことです。でも、紅葉散策目的なら旧道の方がベターでしたね。

投稿: 鉄まんアトム | 2013年10月30日 (水) 14時15分

「蓬峠、清水峠から土合までの間は新道の方が歩き易く安全に利用出来ます」というのは、谷川岳登山指導センターHPの「今日の谷川岳」の記載ですね。
 が、この一文は、『旧道「武能沢」周辺の登山道が崩壊しています。 降雨により崩壊が進み、常に地形が変化しています。状況により通過困難になります。』の補足であって、「新道の方」とは、「旧道の武能沢付近を横断していく部分」と比べた表現だろうと思います。
 蓬峠や清水峠からでも、JR見張小屋から土合の区間については、旧道のほうがはるかに歩きやすく安全です。
 HPの文は短縮した記載になっているので、わかりにくいかもしれません。

投稿: Suekichi | 2013年10月30日 (水) 17時17分

 Suekichiさん、ご指摘ありがとうございます。
 幽ノ沢から先の峠方面への道について私はどちらも歩いたことがありませんので、どちらが現在の客観的事実に合致しているのか私には判断ができませんし、判断する立場にもありません。ご利用の方は最新情報を公の機関などにご自身で直接ご確認のうえ、各自の責任においてご判断下さい。

 仮に本記事及びコメント欄の各情報に起因する損害が生じたとしても当方は一切の責めを負いかねますので、申し添えます。

投稿: 鉄まんアトム | 2013年10月30日 (水) 23時14分

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