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あこがれの会津駒ヶ岳から中門岳をあるく

 「頂上は、私が今までに得た多くの頂上の中でも、最もすばらしい一つであった。どちらを向いても山ばかり、その山々を名指すことで一時間は素早くすぎた。六月半ばの快晴の日、ただ一人この山に在るという幸福感が私を恍惚とさせた。」 ――深田久弥著『日本百名山』より引用。

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 その辿り着いた頂上のすぐ向こうに、さらに、こんな景色の広がっている山が会津駒ヶ岳(標高2133m)です。会津駒の白眉は、駒の山頂から先に延びている、中門岳(ちゅうもんだけ・2060m)へのこの稜線歩きにあると言って差し支えありません。

 標高2000mのたおやかなる稜線は、まさしく天上の楽園。
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 空を映す池塘の先には燧ヶ岳や日光の山並み。
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 山上湿原の木道を進み、やがて正面に三岩岳が見えてきて・・・
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 そして、とうとう中門ノ池に到着・・・。
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 これこれ、この倒れそうで倒れない「中門岳(この一帯を云う)」の標柱が見たかったのですっ!!(池の向こうに見えるはずの平ヶ岳は雲の中で見えません)
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 中門ノ池の先へと道はまだ続いています。行ってみると、小高い丘の上でくるりと一周しており、行き止まりはなく往路に繋がっています。どうやらこの辺りが中門岳の最高点のようです。(樹の向こうに見えるはずの会津の山岳重畳はガスで見えません)
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 ふたたび中門ノ池。とにかくすばらしい景観です。
 到達報告をした友人から返ってきたメールは「Oh! wonderful!」の一言。R0034108

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 以上の風致を心ゆくまで楽しんだら、小屋に向かって来た道を引き返します。P1060927

 コバイケイソウの大豊作はここ会津駒ヶ岳でも。見頃はこれからでしょう。R0034130

 満開のハクサンコザクラ。ただし写真ヘタクソ・・・P1070015

 それにしても絶妙な位置に建つ小屋です、なんとも言い難い眺め。P1070043

 小屋に戻るころには日も傾き、めいめい食事を作りながら夕暮れを待つ、そんな平和な時空間が広がっていました。小屋下の駒ノ池畔にて。
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 しかしっ!! これからがいいところ、の時間帯で西からガスが立ち込めてきました。。。R0034198

 このガスはそれから翌日まで山稜に留まり続けて、夕焼け、星空、朝焼け、そして朝日のすべてを遮ってしまいました。残念ですが、これが自然の巡り合わせですから仕方ありません。あきらめます。

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 帰りは、富士見林道の稜線を歩き、大津岐峠(おおつまたとうげ・1927m)を経てキリンテに下山しました。やはりガスの中で展望は得られませんでした。
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 富士見林道では、これまで見たことのない花も咲いていました。ミヤマコゴメグサでしょうか?
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 写真はほぼ割愛しましたが、このルート、ヤセ尾根、大小の湿原や池塘、そしてお花畑などなど、とても変化に富んだ山歩きが楽しめます。こっちに来て良かったなあ~との感慨にふけりながら歩いてきました。(※駒ノ小屋~大津岐峠~キリンテで出会った人は1人のみ)
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 標柱が倒れたままの大津岐峠にて、今回はここを左(南東)に折れてキリンテへと下ります。なお、写真正面が御池に向かう大杉林道で、いつかこちらも歩いてみたいと思います。
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<おまけ3題>

 滝沢登山口から上がってきて最後に見る景色がこれです。天国への道ですね。
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 尾瀬檜枝岐温泉観光協会が発行する「トレッキングガイド」の表紙には、この背後に、燧ヶ岳や至仏山が写っている写真が使われています。ご覧のとおり今回は雲の中で同じ写真は写せませんでした。(上の写真を写した場所近くにて撮影、手前の稜線が富士見林道です)
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 このブログで折に触れて名前を出し、憧憬を滲ませてきた会津駒ヶ岳。尾瀬に足繁く通うこと5年目にして、今年ようやく足を運ぶことができました。大半の時間はガスの中でしたけど、数時間だけでも夏空の稜線歩きを楽しめたのですから「ご満悦」であります。
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▲駒ノ小屋オリジナルのTシャツ、手ぬぐいほか(山バッジのアップは前号参照)

 これで会津駒ヶ岳は登ったんだからもういいでしょう?
 いえいえ、とんでもない。私は会津駒ヶ岳にまた行きますよ。

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*撮影/2013年8月9・10日 会津駒ヶ岳(尾瀬国立公園)
*機材/Panasonic DMC-LX7(P-)&Ricoh GXR A12 28mm(R-)

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*【追加関連記事】 会津駒ヶ岳駒ノ小屋からメルヘンチック賀状届く(第659号)

(第622号)

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コメント

お疲れ様でした、曇ってしまって夕焼けも夜空も見えず残念でした。また秋にトライすると良いでしょう。

今回の駒ノ小屋の小家主さんなってから水だけでなく食料まで購入できるのでとても便利になりました。以前は水さえ販売していなくて日帰りが多かったです。

ここ数年お花の開花が遅くなっていますが、ハクサンコザクラの見頃は元々は7月中旬でしたので尾瀬のニッコウキスゲと同時期でした。ハクサンコザクラは至仏山でも見ることが出来ますが群生とは言い難いです。中門岳のハクサンコザクラの群生はやはり見事ですね、私は次は9月下旬頃を予定しています。

投稿: pulsar | 2013年8月15日 (木) 19時56分

会津駒ヶ岳から中門岳の稜線は、山上の尾瀬といった雰囲気ですね。コバイケイソウやハクサンコザクラの大群落もすばらしいです。
何より印象的なのが、「おまけ」の一番上の写真。
いつか、ぜひ、登ってみたい山です。

投稿: Suekichi | 2013年8月16日 (金) 10時03分

>pulsarさん
コメントありがとうございます。ハクサンコザクラは、去年、火打山でそれなりの群生を見ましたが、会津駒のはそれを凌ぐもので見応えありましたね。
小屋主さんからも秋の再訪を勧められました。宿泊者への天水の無料提供は大変有り難く、1人に布団1枚の確約など、それで1泊3千円は極めて良心的だと思いました。また行きたくなりました。

>Suekichiさん
おまけの2枚の山写真の場所は、駒池ノ平と呼ばれているようです。こんもりした草原の丘とその上に建つ瀟洒な山小屋。尾瀬では他にない景観ですね。滝沢から登り続けてきた疲れも一気に吹き飛びます。今度ぜひご一緒しましょう。

なお、余談ですが、弊ブログ第465号(2011年8月12日付け)で紹介した檜枝岐郵便局の風景印の図柄は、おまけ2番目の写真の構図と同じだと気付きました。

投稿: 鉄まんアトム | 2013年8月16日 (金) 23時14分

20年も尾瀬通いしてますが、未だに未踏の山です(^-^;) マイカーがないとなかなか路線バスが不便な場所なので未だに実現していませんが、いづれは!
3000円で寝具付きは格安ですよね。他の山小屋だと素泊まりでも6000円は取られます。
小家主さんが変わってから駒中さんが増えているのも居心地が良いからでしょうね。

投稿: てばまる | 2013年8月23日 (金) 20時34分

てばまるさん、こんにちは。返事が遅れてスミマセン。
家族の用事で長野に行っておりました。初めて歩けない二男を背負い家族で展望の山にも登ってきましたが、山頂はガスの中でした。あわわわ。

てばまるさんのブログ拝見しました。今年は朝焼けにツキがあるようですね。至仏、燧と続き、行けばさらに会津駒でも出るんじゃないでしょうか。ただ、それが原因で、20年もの慢性尾瀬病に駒中(※駒ノ小屋中毒患者)の合併症ともなると、かなりヤバイ領域に達してしまうかもしれませんね。(笑)

檜枝岐へは車で行っても片道5時間超の修行です。つぎ会津駒に行くときは、大清水から尾瀬沼経由で行っても良いかなと思いました。

投稿: 鉄まんアトム | 2013年8月27日 (火) 12時18分

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