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瑞々しき梅雨の尾瀬へ(尾瀬ヶ原編)

 前号にて白状したとおり、5年連続で7月上旬の尾瀬を歩いてきました。尾瀬ヶ原と尾瀬沼の縦走は2泊がベストですけれども、そうそう余裕もなく、初日に原を歩き通して沼で1泊する行程を組みました。本記事はその尾瀬ヶ原編です――。

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▲今年はコバイケイソウ(小梅蕙草)の当たり年で、研究見本園の湿原を白く染めるほどの豊作です。猪狩貴史著『尾瀬植物手帳』によれば、花には4~5年周期の豊凶があるとのこと。私がここまでの咲きぶりを見たのは初めてです。ちなみに、コバイケイソウは毒草です。

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▲カキツバタが点々と咲くゆるぎの田代。ここは雨が降っていて欲しい場所でしたが止んでいます。予定より1時間ほど遅れているので、仕方なく待たずに進みます。

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▲逆さ燧の大池塘まで進んだところで雨が降ってきて、でも、今日は先が長いのでもう戻りません。このあたりではニッコウキスゲがそこそこ咲いていました。ウラジロヨウラクと絡めて撮ってみました。黄色い花は目立ちます。

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▲牛首分岐を目標から30分遅れで通過し、中田代を竜宮に向かって歩き続けます。このあたりの木道はカキツバタロードです。このあたりでは雨が本降りだったので、写真は思うように撮れませんでした。

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▲下ノ大堀の水芭蕉ビューポイントに立ち寄る人はわずか。みんな素通りしていきますが、生き生きとしたヤマドリゼンマイや雨に濡れたニッコウキスゲがきれいでした。

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▲7月のヒツジグサの色合いは何とも言えません。花が咲き出すよりも前の時間帯に尾瀬ヶ原を通り抜けなければならないのが辛いところです。

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▲色合いと言えば、オゼヌマタイゲキの黄緑色も、ヤマドリゼンマイのそれと同じくらいに好きです。下ノ大堀川橋近くにて。

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▲この時季は変わった花も見られまして、こちらはカラコギカエデという珍しい種類。竜宮尻の木道脇にて。

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▲山菜として有名どころのギョウジャニンニクは、タンポポの綿毛のような玉状の花を付けます。竜宮沼尻川の拠水林内にて。

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▲沼尻川を渡るとそこは福島県。中田代から下田代へと進んで突如眼前に広がるこの大草原の感じが好きです。燧ヶ岳が視界全面に入って景観が一変します。曇っているため、写真はイマイチ冴えませんが。

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▲程なくして11時半、見晴到着。通過目標が正午なので遅れを取り戻しました。見晴での楽しみ「正しい飲み物」を所望しましたが、準備中につき15時まで飲めないとのこと。「ヱビスビールあります。」の看板に偽りアリ! ここはやはり前回同様、矜恃を保って見送るべきでしょう、尾瀬小屋テラスの風景が締まりのないものとなりました。

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▲ところで、弥四郎清水の湧出口にあったレンゲツツジが、跡形もなく姿を消しています。今の時期には見事な花を付け、秋には紅葉も楽しめた木だったのに残念です。古い枠組みも放置されたままで、何か粗雑に改変が執り行われた印象は否めません。(※第536号の一番下の写真と比較

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▲ときは参議院議員選挙の公示期間中。尾瀬でさえも原発事故の放射能によって汚染されてしまったわけですから、今更「守りたい」ものとは如何に。ああ、そうか、原発を守りたいのでしたね、こちらの政党は。。。
 ……それはさておき、選挙ポスター掲示板があるってことは、投票所も設けられるんだろうか?? 見晴ってなんか不思議な場所です。 

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<おまけ>

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 見晴から尾瀬沼東岸までは所要3時間前後。段小屋坂を歩いているときは雨も止んでいたのですが、沼尻に着くと怪しげな空模様。このあと本降りの雨に見舞われます。(つづく)

*撮影/2013年7月7日 尾瀬ヶ原にて(ただし、<おまけ>は沼尻平にて)
*機材/Panasonic DMC-LX7(P-)&Ricoh GXR A12 28mm(R-)

*このほかの尾瀬関連記事は、カテゴリ「尾瀬」をクリックしてご覧下さい。

(第614号)

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コメント

同じ日曜日、私は雨を避けて北八ヶ岳の森を歩いてきました。
でも、みずみずしい湿原の写真を見ていると、雨の尾瀬もいいかな、という気がしてきてしまいます。
(あっ、尾瀬病ウイルスに感染か! あぶない、あぶない。)

投稿: Suekichi | 2013年7月17日 (水) 12時47分

Suekichiさん、こんにちは。
雨の尾瀬好きも高じていくと防滴構造のカメラが欲しくなります。幸い、私はそこまでの病気には至っていません。…単に予算を工面できないだけですが。

北八ヶ岳は苔の森と聞きます。むしろ雨の日を選んで歩くのもいいかもしれません。草花に付いた雫を眺めているだけでも癒されるはずです。

投稿: 鉄まんアトム | 2013年7月17日 (水) 18時20分

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