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谷川岳天神尾根をあるく

 前号で「詳しくはまた日を改めて……」なんて言ってみたものの、実のところ、特筆して紹介できるようなネタも写真もありません。ですので、山頂付近の眺望とお花畑のいくつかを振り返る程度に留まります。お許しください。

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▲谷川岳北峰オキノ耳(1977m)付近より南峰トマノ耳(1963m)を望む。左中程の緑地が天神平(1320m)で、眼下には水上市街、そして背後に赤城山の姿。足元に咲いているミネウスユキソウのなかに、咲き残りのホソバヒナウスユキソウを写し込んでみました。

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▲オキノ耳とトマノ耳の鞍部は高山植物のお花畑。初めて見る花もたくさんあって見分けが付きません。オオバギボウシ、シモツケソウ、イワシモツケ、ハナニガナ…など??

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▲紫色の変わった形をしているのはタテヤマウツボグサ?

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▲ミネウスユキソウに彩りを添えているのはハクサンオミナエシ?

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▲ミネウスユキソウはたくさんあって、きれいでした。

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▲先ほどとは反対にトマノ耳からオキノ耳を眺めた様子。東面の切り立つ岩壁と続く稜線で気分は高山そのもの。雲がかかっているのは一ノ倉岳と茂倉岳のあたり。上越線の清水トンネルは、ちょうどその下を抜けています。

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▲オキノ耳付近から眺める上越国境の山々や越後の名峰たち。眼下は一ノ倉沢の絶壁。世界のどこの山にも類を見ない遭難死者数で「魔の山」と恐れられる谷川岳の、こちらが魔の中核です。

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▲谷川岳山頂付近より西黒尾根を見下ろしたところ。日本三大急登の1つに数えられる急坂で、標高746mの土合口からこれを延々登ってくる人がいます。私にはそんな体力などないのに、この登路を勧める悪者がいて困ります。(笑)

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▲一方の天神尾根はこんな感じ(ザンゲ岩より)。標高1320mまでロープウェイが通じているため、就学前と思しき子連れもたくさん見受けました。もちろん、私もこちらから。

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▲天神尾根上部からの俎嵓山稜の展望。ここでもコバイケイソウが当たり年。この高度感は何とも言えません。ちなみに、この手前の谷の下を上越新幹線の大清水トンネルが抜けています。関越トンネルは1つ先の谷の下です。

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▲山頂部の肩ノ広場は見渡す限りの笹原で、展望はまさに高山的風貌。こういうの、わたし、大好きです。午後になったらガスが湧いては消えて、の雲行き。これもまたイイ感じ。

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▲肩ノ小屋の先、オジカ沢ノ頭を経て、万太郎山、仙ノ倉山、そして平標山へと続く稜線。さらに、苗場山の山頂台地を一望する先には、白馬連山が輝いています。見た目はなだらかな稜線ですが、実際に歩くとそれなりの難路とのこと。

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▲天神尾根の下部から仰ぐ双耳の谷川岳と西黒尾根。美しい山容です。ところで……

 軽い気持ちで肩ノ小屋のトイレをスルーして下山に取り掛かったのですけれども、途中から「大」の気が強まり、かといって緊急放出するには周囲に人が多すぎて叶わず、苦渋に満ちた下山となりました。
 いっそ立って服を着たまましてしまえ、の魔の声を何度もはね除け、息も絶え絶え辿り着いた天神平では女子の場所へと駆け込んでしまったほどに意識は朦朧、わが人生最大の「大」の我慢でありました。よって、戻り道の写真はほとんどありません。

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▲後半は青空が広がって、天神平に降りてきたら晴れ渡っていました。わが「大」とともに雲も流れきったようで景色も気分も爽快、ニッコウキスゲ咲く高原散策を楽しんでからロープウェイで下山しました。

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▲「谷川岳は美しい、しかし厳しい山です」――JR土合駅にて。たしかにそのとおりだ(笑)。ロープウェイでラクチンできるし、花はたくさん咲いているし、旧清水街道を散歩しても楽しそうだし、土合~土樽を歩き通してもみたい、いきなり西黒尾根は無理でも、また何度となく登ってみたい山域だと思いました。ただし、トイレのご利用は計画的に!!

 ふだんの写真は尾瀬の平地ばかりで山の稜線での撮影は不慣れにつき、散々引っ張っておきながらのお粗末写真またぞろ、挙げ句に汚い話。どうかご容赦くださいませ。

*撮影 2013年7月20日 上信越高原国立公園の群馬新潟県境にて
*機材 Panasonic DMC-LX7
*参考文献 「日本の高山植物400」新井和也著、文一総合出版(2010年)

(第617号)

【追加関連記事】 三段紅葉の谷川岳一ノ倉沢を目指して(第644号)

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コメント

谷川岳も行ってみたい山の一つですが、花を見るなら西黒尾根が良いそうですね。でも三大急登と言われると心が折れます・・・(^^;)
「大」は困りますね・・・私も至仏山を我慢しながら下山したことがあります。 至仏山でも携帯トイレの携行を推奨していますけど、人通りが多いのにいったいどこで使えというのか・・・甚だ疑問です(^^;)

投稿: てばまる | 2013年7月29日 (月) 11時17分

私は翌日の21日に西黒尾根から谷川岳に登りましたが、20日のほうが気象条件は良かったみたいですね。
ちゃんと土合駅にも立ち寄られるのは、さすが鉄分豊富な鉄まんアトムさん?

投稿: Suekichi | 2013年7月29日 (月) 18時33分

>てばまるさん
高山的展望も西黒尾根の方が良さそうです。花も、となると更に気持ちが揺らぎます。
至仏山も山ノ鼻からだとトイレまでが長いですね。せめて屋久島の携帯トイレブースのようなのが途中1箇所でもあれば別ですが、あとはツエルトでも広げて…なんでしょうか。甚だ疑問に私も同感です。

>Suekichiさん
土合駅は今回が初めてではありません。もちろん目的は谷川岳や山歩きなどではなく、下り列車で降りて楽しむ新清水トンネル内のホームと486段の階段です。どんなところだろうと、駅さえあれば「鉄」は必ずやってきます。「鉄」とはそういう生き物です。三角屋根の駅舎が隣の湯檜曽駅のようにならぬことを祈っています。

投稿: 鉄まんアトム | 2013年7月29日 (月) 21時42分

鉄まんアトムさん

こんにちは 
暑い日が続いていますが、相変わらずお元気そうで何よりです。

アトムさんがお撮りになられた谷川岳の素晴しい写真を拝見して、私も行ってみたくなりました。行っても同じ様な写真が撮れる訳はないのですがね。
谷川岳については(他の山もそうですが)殆んど
知識は無く、山の名前は聞いたことがある位で、昔から
大変そうな山であるらしいことは聞いていました。
 私の様な高齢で、にわかウォーカが、素人的に行ける所だと思っていませんでしたが、しかし、この暑さでその辺の記憶回路が蒸発してしまったのかコッロと忘れて、家に居ても暑いので、では涼しそうなところ...
そういえば アトムさんが行かれた谷川岳がよさそうと思い、では早速行ってみるかになりました。
(いつもの様に下調べ準備、まったく無しの3A山歩きです。A危ない!A呆気にとられるA安易なやまあるき)
内容は後日、ブログに...
にわかウォーカは奥多摩の川苔山、御前山に続いてまたもアトムさんの後追い谷川に
なってしまいましたわ(w)

投稿: 奥武蔵の山人 | 2013年8月12日 (月) 21時40分

奥武蔵の山人さん、こんにちは。
谷川岳天神尾根は一般向けコースで、小さい子ども連れの家族もたくさん見かけます。とは言うものの、厳しい山であることに変わりはなく、とくに天候急変には要注意です。しっかりした装備で楽しんできて下さい。

投稿: 鉄まんアトム | 2013年8月13日 (火) 16時26分

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