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錦秋の尾瀬裏燧滝めぐり

 前号からの続きで、「立ち去りがたき錦秋の尾瀬を振り返る」の本編第2弾です。今回は、渋沢温泉小屋を発ち、燧裏林道で滝をめぐりながら尾瀬ヶ原龍宮小屋へと向かった2日目の模様をどうぞ――。

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 渋沢温泉小屋からは友人と同じコースで尾瀬ヶ原赤田代を目指します。小屋を出たところで友人とは別れ、私はカメの歩みで後を追います。この森の色彩ではウサギ足の友人の足手纏いになるだけ。案の定、全く先に進めません。

 足元には、朽ちた倒木が育むいのちあり。
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 日が差し込んできたときの森の神々しさといったら…
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 こんな森の中を歩いて、標準コースタイムの2~3倍程度、約3時間をかけて兎平(燧裏林道・段吉新道分岐、標高1454m)に着きました。午前10時半頃。
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 まばゆい錦繍のなか、ここで大休止……

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 ここから段吉新道を進み、赤田代から平滑ノ滝(ひらなめのたき)だけを往復して尾瀬ヶ原に向かうのが当初予定です。しかし、昨日渋沢大滝を見て、今日平滑ノ滝(1306m)を見て、それで三条ノ滝(1240m)にだけ立ち寄らないのはいかがなものか、とルート変更を決断します。

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兎田代を経たのち三条ノ滝めがけて200mを一気に下る燧裏林道は紅葉の盛り。よそ見をして2回も転んでしまいました(危っ!)。

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 ただし、三条ノ滝は、すでに雪害防止対策が施され、展望台へは立入禁止の措置がとられています。立入り可能な場所からは滝の全容を拝むことはできません。午前11時15分頃。
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 三条ノ滝を垣間見たら、燧裏林道を南下して平滑ノ滝を目指します。途中の紅葉がじつに素晴らしく、ついつい立ち止まってしまいます。大橇沢(おおそりざわ)と只見川の合流点、対岸の紅葉が見事でした。
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 大橇沢を徒渉する地点の紅葉も息をのむ美しさ。
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 でも、途中で時間を使いすぎたせいか、平滑ノ滝の手前で空が急に曇ってしまいました。対岸の紅葉と組み合わせた晴れの写真を狙っていたので残念です。陽待ちをすること約20分、ほんの一瞬だけ神様が願いを叶えてくれました。午後0時30分頃。
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 納得の奥尾瀬3滝めぐり、平滑ノ滝を見納めて赤田代(1400m)へと向かいます。尾瀬ヶ原の最北に建つ「尾瀬原休憩所」は冬支度の真っ最中でした。このあたりの紅葉は完全に終わっていました。午後0時50分頃。
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 あとは龍宮小屋に行くだけなので、まだ時間に余裕があります。公衆トイレに荷物を置いて、段吉新道を進んで、午後1時半になったら折り返してこようと思います。段吉新道に歩み入れると紅葉復活、再び錦織り成す中を歩いて行きます。
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 大橇沢を越え、御池寄りに少し進んだあたりでタイムアップ。まさに錦繍のプロムナードといった感じで、このまま兎平まで行ってしまいたくなります。ただ、小屋への到着が遅くなってしまうので、ぐっと堪えて引き返します。
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 今回わずかに段吉新道未踏の区間が残りました。紅葉の素晴らしさは甲乙付けがたいので、今後とも両ルート選択に頭を悩ませることでしょう。今回のルート変更の判断や如何に?

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 赤田代に戻って午後2時過ぎ。雲行きは怪しく、吹く風は冷たく、おまけに人の気配もなく、晩秋の閑寂感が強く漂っています。
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 見晴で一息入れて六兵衛堀で3時を回りました。竜宮に近づくと、周囲の山が夕日に照らされ、紅葉のモコモコが映えます。思い返してみると、この道(見晴~竜宮)を秋に通ったことがありません。群馬側以外で尾瀬ヶ原に入ったのも初めてかもしれません。
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(※ヨッピ橋が緊急補修工事による通行止のため、赤田代→竜宮のルートは一択。)

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 午後3時10分過ぎ、龍宮小屋に到着。いったん部屋に入って小休止、4時に竜宮十字路へ夕焼けを期待して出てみました。

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 午後4時半頃、至仏山の肩に落陽し、その後厚い雲が広がって夕焼けはなりませんでした。

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 ただ、日没前に差し込んだ斜光線が強く、龍宮小屋や辺りの拠水林をアーベントロートに染め上げました。日が沈んだら一気に冷え込んできて、季節が冬へと進んでいっているのを実感します。

 次回は、3日目の尾瀬ヶ原での降霜のようすなどをお届けする予定です。

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*撮影日は2012年10月21日。写真ファイル名がIMG―で始まるのはCanon PowerShotS100にて、R―で始まるのはRICOH GXR+GR LENS A12 28mmにて、それぞれ撮影しました。

*【見出し記事】 立ち去りがたき錦秋の尾瀬を振り返る・予告編(第564号)
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(第566号)

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コメント

「大橇沢と只見川の合流点の対岸」の紅葉がすばらしいですね。三条ノ滝で展望台まで行けなくても、これなら予定変更は正解ではないかと思います。

投稿: Suekichi | 2012年10月29日 (月) 18時23分

Suekichiさん、ルート変更判断にお墨付き、ありがとうございます。
滝経由の燧裏林道を秋に歩いたことがなかったので、急に気が変わりました。只見川の渓流と紅葉の組み合わせは予想外で、段吉新道だったら見られない風景でしたから良かったです。

ただ、段吉新道をピストンするなら兎平→大橇沢でしたね、そうすれば、段吉新道のベストの紅葉が見られ、滝めぐりも貫徹、そしてSuekichiさんとも行き違えたはずです。う~ん、そこまでは考えが及びませんでした。

投稿: 鉄まんアトム | 2012年10月30日 (火) 00時09分

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