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錦秋の奥尾瀬渋沢をあるく

 前号で予告した「立ち去りがたき錦秋の尾瀬を振り返る」の本編第1弾です。まずは、奥尾瀬といわれる渋沢界隈を歩いた初日の模様から――。

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 小沢平登山口(標高950m)から緩やかな登り道を歩くこと1時間あまり、只見川との合流点に架かるシボ沢の1本橋を越えると、左手奥に渋沢温泉小屋(1068m)が見えてきます。尾瀬の奥の奥、深い森の中の一軒宿。ちなみに、住所は、福島県南会津郡檜枝岐村燧ケ岳1番地。

▽今年開業50周年を迎えた小屋の玄関にかかる看板は、風格満点。
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▽小屋の脇には渋沢温泉の源泉。泉質は食塩重曹泉、泉温は33度、以前に「せせらぎの湯」の立て札のあった露天風呂(跡?)に手を入れてみたら、温いというよりは冷たい。ここに入るのは罰ゲーム以外にはあり得ません。
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 内風呂に掲げられている渋沢温泉の効能書によると、「ヒステリー及び神経衰弱、殊に頭部充血の傾向あるもの」が適応症の筆頭! こんなの初めて見ました。此処での湯治が必要と思える人物の連想が友人と一致して、大笑いです。(入って頂くとしても、無論、罰ゲームの方で)

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 小屋に荷物を置いて一休みしてから、渋沢大滝(1300m)を目指します。
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▽小屋からゆっくり歩いて50分ほど、深い原生林をゆく細道の行き止まりにある渋沢大滝(落差50m)。三条ノ滝や平滑ノ滝ほどの迫力やスケール感には乏しいものの、秀麗なる姿は尾瀬随一といって差し支えありません。

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▽小屋に戻り、風呂に入ってからの夕食。きのこづくしの料理に岩魚の塩焼き、それに季節の天ぷらです。焼きたて、揚げたてが振る舞われます。(※岩魚の位置が悪いのと天ぷらが写っていないのはご容赦)
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 夜の消灯は8時、ゆっくりぐっすり寝て翌朝は6時起床。朝食(↓)は6時半からです。山に来ると、夕に朝にナントカの三杯飯となります。
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 朝7時半過ぎ、小屋を出たところで友人と別れ、後ろ姿を見送ります。友人は、段吉新道経由で赤田代を往復して昼過ぎには小沢平に戻るので、昼過ぎに赤田代に行けばいい私とはペースが異なるため。(友人のブログ記事はこちら
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 さて、紹介があべこべになってしまいましたが、小沢平からシボ沢までを振り返っておきましょう。小沢平は、静かで趣を感じる登山口。数台分の無料駐車場に、真新しいバイオトイレがあります。
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 明るい森の中を歩いて…
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 途中、大小いくつもの沢を徒渉していきます。
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 ブナや雑木の生い茂る深い原生林。左右を見渡せば…
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 赤みを帯びた陽だまりに気付いて空を見上げてみると…
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 そして、小屋の近く、シボ沢と只見川の合流点は照葉(てりは)の輝き。。。 透明感のある独特な色合いをしたシボ沢との調和が見事でした。
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 今回の私は片道切符、この道を引き返していく友人が少しうらやましく思いました――。
 次回は、2日目の渋沢温泉小屋から竜宮までのようすをお届けする予定です。なお、渋沢温泉小屋は、10月27日をもって本年の営業を終了しています。

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*撮影日は2012年10月20・21日。写真ファイル名がIMG―で始まるのはCanon PowerShotS100にて、R―で始まるのはRICOH GXR+GR LENS A12 28mmにて、それぞれ撮影しました。

*【見出し記事】 立ち去りがたき錦秋の尾瀬を振り返る・予告編(第564号)
*このほかの尾瀬関連記事は、カテゴリ「尾瀬」をクリックしてご覧下さい。

(第565号)

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コメント

先日は久しぶりに山歩きをご一緒できて楽しかったです。渋沢温泉小屋の雰囲気もよく、小沢平から兎平までの森も想像以上に美しくて心地よく歩けました。

同じコースを戻るのは、普段は少しつまらないと思いがちですが、天候や時間帯が違うと、紅葉した森は微妙に雰囲気が変わって、結果的には「一粒で二度おいしい」山歩きになりました。

私も山行記録のブログに写真をいくつか載せましたが、鉄まんアトムさんのようには撮れません。続編も楽しみにしています。

投稿: Suekichi | 2012年10月28日 (日) 18時56分

Suekichiさん、こんにちは。
前回は2年前、赤田代で待ち合わせる面白いプランでしたね。今回の渋沢界隈の森は想像以上で、尾瀬らしくないところが良かったのかもしれません。次回は新緑を狙ってみましょうか、よろしければまたお付き合い下さい。

ブログを拝見しました。「一粒で二度おいしい」感じが伝わりました。写真は私と似たようなものです。気付かないうちにずいぶん撮っていたんですね。それでいてウサギのペース、途中で寝ててくれないので、カメは結局追いつけませんでした。
先ほど続編(2日目)をアップしました。段吉新道をやめて燧裏林道に変更した判断の良否を診断願います。

投稿: 鉄まんアトム | 2012年10月29日 (月) 17時12分

行く行く詐欺師でございますo(_ _)oペコッ

予告編と本編、拝見いたしました。
見れば見るほど、ご一緒できなかったことを後悔いたします。
小沢平から兎平までの色とりどりの森、紅葉に囲まれた渋沢大滝、そして何よりも渋沢温泉と美味しそうなごはん。
罰ゲームは勘弁していただくとして、やはり行ってみたかったなと…。
新緑の季節を狙うというお話もありましたが、場所は別にしても、次回はご一緒してチビリとやりたいものです。

素敵な写真をありがとうございました。

投稿: ヤッジー | 2012年11月 3日 (土) 16時28分

行く行く詐欺さん、こんにちは。
せめて写真だけでもたのしんで頂ければ、と思って頑張って撮影してきました。現地に行ってみて、あぁもっと強引にでも誘ってあげれば……というほどに良いところでした、泉質も申し分ありませんでしたよ。あれなら新緑も良いに決まっています、私は何度行ってもいいので、あとは行く行く詐欺さん次第です。

投稿: 鉄まんアトム | 2012年11月 5日 (月) 10時46分

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