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夏の快晴の至仏山にて

 7月までに5回の訪問を数え、8月の尾瀬は予定していませんでしたけど、思い立ったように出掛けてきたのは第546号で書いたとおりです。展望を求め、前回と同じく、山ノ鼻に前泊して至仏山頂を目指しました。山ノ鼻からひたすら登り続ける至仏山の東面登山道に、果たして階段は何段あるのでしょうか……。

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▽それでも東面登山道を登るのは、遮るものなく尾瀬ヶ原を一望できる大展望があるからです。鳩待峠ピストンではこの展望は得られません。(至仏山上部より135換算85ミリ相当)
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▽前回はこの辺りでガスに包まれてしまい、日光方面は見えませんでした。今回はご覧のとおり。
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▽只見方面もバッチリ。高山植物もたくさん。(嬉)
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▽見上げる山頂方向もスッキリ晴れ渡っています。(以上5点、高天原付近にて撮影)
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▽山ノ鼻から3時間半、ツラい登りを制してようやく山頂に到着。ここで初めて西側の展望が開けます。澄んだ青空、南側には雲海が浮かんでいて、感慨無量です。
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▽山頂直下から真北を見ると平ヶ岳(正面奥)や越後駒ヶ岳(その左)もしっかり見えています。
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▽そして、圧巻は西側です。眼下には奈良俣ダム、巻機山(右端)から谷川岳に連なる越後山脈の向こうに妙高山や火打山(中央奥)がはっきり見えます。そのさらに奥に目を凝らすと、後立山連峰から北アルプスの山並みまで見えています。真夏の10時近くでここまで見えれば御の字。同じ時間帯、唐松or五竜に登っている友人も写っているはず(笑)。
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▽せっかくなので、135換算100ミリ相当で撮影した写真とカシミール3Dで展望図を作ってみました。(※クリックで拡大)
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▽しかし、やはり夏山です。南側の雲海がガスに変わり上がってくるようになりました。名残惜しいですが長居は無用、下山を開始します。振り返ってみると、至仏山頂(人がいっぱい乗っかっているところ)に、もうガスがかかり始めていました。
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▽進むべき稜線にもガスが流れ込んできます。展望の中での稜線歩きを楽しみにしていたのですが…。近くの上州武尊山ですら雲の中に入ってしまいました。
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▽小至仏山の頂上に来た頃には、ほとんどガスに包まれてしまいました。(前回よりはマシ)
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▽でも、ガスに包まれ、足元に目を転じたおかげで、前回見逃したオゼソウを見つけられました。いやあ、よかったよかった。。。
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オゼソウ(尾瀬草): 尾瀬の植物の中でもその貴重性はトップクラスにランクされる。至仏山・谷川岳に生育するほかは、北海道の天塩山地にのみ知られる日本固有の蛇紋岩残存植物。昭和4年に原寛が至仏山で発見し、翌年中井猛之進により、新属新種として発表された。<猪狩貴史著「尾瀬植物手帳」より引用>

▽エーデルワイス近縁のホソバヒナウスユキソウは咲き残りを見るのみ、代わってミネウスユキソウがちょうど見頃でした。
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▽イブキジャコウソウが絨毯のようになっている場所もありました。
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 その他、予想以上に花が見られて十分楽しめました(※紙幅の都合により割愛)。オヤマ沢田代を過ぎ高度を下げていくと、雲の中を抜けました。さすがに遠望は利きませんけれど、十分な眺めです。
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 ここから鳩待峠まではあと1時間の道程。今回は充実した山歩きが楽しめました。

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<余録> 撮るはずじゃなかったシーン
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 じつはこの日、大失敗がありました。東面登山道の中腹で夜明けを迎えようと企み、午前2時に起きるべくケータイのアラームをセットしました。
 けれども、予定時刻にアラームは鳴らず、気づいたら既に白んでいる午前4時過ぎ。あろう事か、ケータイがフリーズ(電源落ち)していたのでした。結局日の出は尾瀬ヶ原にて。意気消沈して気持ちは尾瀬ヶ原散策へと傾いたのですが、でも、以上のとおりでしたから登って良かったと思います。これをもって至仏山再訪の記を結びます。

【過去記事】 至仏山初登頂(第456号)
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(第548号)

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コメント

期待通りの素晴しい写真を拝見しました。

山の鼻からの急登コースですね。
高天原からの画像は尾瀬の全体感が分かりいつ見てもいいですね。(これで見ても牛首が...どう見たら牛なのか)

私は3年前の秋にこのコースを登りましたが、その頃は殆ど歩いていない時期で、階段がかなりきつかったのを覚えています。大変な思いをしましたが、振り返り振り返りして尾瀬が徐々に広がっていく景色は見事なものでした。途中で諦めて引き返してくる方に3人会いましたよ。ここから1回、鳩待峠から2回です。

平ケ岳は新潟と福島のそれです。

ご予定の会津駒ケ岳は20年程前に登りました。(今は尾瀬国立公園に編入された様ですね)
滝沢から登って山頂・中門、キリンテへ下山当時は埼玉から新潟経由で352号を走りましたが桧枝岐の登山口まで行くのが大変でした。行けども行けども山また山道でしたね。
今年の8月はまだ352号は通り抜け出来ませんので東北自動車道からでしょうか?
どうぞお気をつけて行ってらっしゃいませ。

投稿: 飯能の山人 | 2012年8月16日 (木) 01時01分

この日は北アルプスでも快晴で、同じ時間帯に唐松岳山頂から尾瀬や上越国境方面の山々を眺めていました。そういえば、誰かががカメラを向けている気配がしたような・・・。(笑)

投稿: Suekichi | 2012年8月16日 (木) 17時40分

>飯能の山人さん
至仏東面はとにかくキツイ。でも、あの眺望とお花畑がすべてを打ち消してくれますね。
でも残念なことに、登り専用なのに下ってくる人や、ロープを越えて植生を踏みつけながら写真を撮っている人をよく見かけます。私が目にするのは、なぜか、決まって私より年配の老年登山者たち。一人一人がルール無視を積み重ねると、また東面登山道の全面閉鎖を招かないか心配です。
なお、牛首の地名は古い文献や地図にも登場しますね。由来は存じておりません。

檜枝岐(御池)へは、東北道でも関越道でも大変ですね。群馬側から歩いて行った方がラクかもしれません。R352は今秋に復旧、通行可能になると聞いています。なお、会津駒へは願望先行で予定は完全に未定です。

>Suekichiさん
じゃあ、唐松山頂から私の姿も見えていましたね。何となく狙われている気配を感じましたよ、ガスに視界を遮られホッとしました。(笑) それにしても、お互い、最高の山日和でしたね。

投稿: 鉄まんアトム | 2012年8月18日 (土) 12時31分

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