山上湿原を楽しむ燧ヶ岳登山道
現在4ルートある燧ヶ岳への登山道のうち、福島県檜枝岐村の御池を起点とする「御池新道」には、途中に「広沢田代」と「熊沢田代」という2つの山上湿原があります。湿原愛好家の私としては、以前から気になっている場所でもあります。そこで、御池に前泊し、このルートで燧登頂を目指すことにしました(※本記事は前号の続きです)。
▽朝食はここで……。御池ロッジのお弁当は、おかず付き♪(午前6時頃)
▽広沢田代上部の傾斜湿原にはキンコウカの群落が広がっていた。
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▽広沢田代からさらに約1時間で熊沢田代(1954m)へ。キンコウカで黄色く染まる湿原の先に、目指す俎嵓(まないたぐら)がそびえる。絶景に思わず歓声が上がる。(午前7時半頃)
▽熊沢田代の鞍部にある2つの池塘、その西側には平ケ岳への稜線が見え…ているはず。
▽熊沢田代上部から来た道を振り返る。傾斜湿原をうねるよう延びる木道が印象的だ。
▽熊沢田代を過ぎると標高2000mを越える。ここから俎嵓へはコースタイムで2時間、さらなる急登が待っている。水準器を使用して撮影しているので、写真がへたくそで傾いているわけではない(はず)。
以上2つの山上湿原がなければ、距離が長く、時間もかかり、高低差も大きいこのコースで登ることはないでしょう。急登に次ぐ急登で、急斜面に浮き石だらけのガレ場もあるハードコースでしたが、期待通りの美しい風景を楽しむことができました。
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冒頭で紹介したとおり、燧ヶ岳への登山道は現在4ルート。御池からの「御池新道」、尾瀬ヶ原からの「見晴新道」、そして尾瀬沼からの「長英新道」と「ナデッ窪道」の4つです。最高点の柴安嵓(しばやすぐら)に立つには、見晴新道以外はすべて俎嵓(まないたぐら)を経由することになります。いろいろ組み合わせて楽しむのもいいかもしれません。
△概念図(尾瀬檜枝岐温泉観光協会のパンフレットより引用)
今回は、尾瀬沼を2日目の宿泊地としていたため、るるぶ尾瀬で「初心者でも楽に行ける道」と書かれていた長英新道で下山しました。しかし、距離は長く、目立った眺望や見所もなく、極めて単調な道のりのうえ、道の中心が溝状に深くえぐれている箇所も多数ありました。初心者が楽に行ける道などではないと思ったのと同時に、燧ヶ岳そのものが初心者には難しい山だとも思いました。
また、ガイドでモデルとされている前泊日帰りも一般向きではありません。ここ川越から御池までは東北道久喜ICから西那須野塩原IC経由で約273km、順調に走っても6時間を要します。登山後のロングドライブは辛いものがあります。群馬側の大清水から入るにしても、帰りは1200m以上を一気に下る計算で、膝などへの負担は相当なものになります。準初心者レベルの私は、今回、前泊&後泊の予定を組んで正解でした。
なお、参考までに、尾瀬沼ビジターセンターに置かれていた模型を示しておきます(※「当模型は地図よりおおよその地形を出したもので正確なものではありません」との注意書きがありました)。
*本記事で使用した写真は、下から2枚を除き、すべて2011年8月7日にRICOH GXR+GR LENS A12 28mmで撮影したものです。画像クリックで少しだけ拡大表示されます。
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(第464号)
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