至仏山初登頂
なんだかんだと尾瀬に通っていながら、尾瀬を代表する山である至仏山(2228m)にも燧ヶ岳(2356m)にも未だ登ったことがありません。前日に尾瀬ヶ原を回り目的の花が終わっていたことから、2日目は、長沢新道を上りアヤメ平経由で帰るつもりでいました。でも、予想外に天気が良いので、山ノ鼻泊まりの利点を活かし至仏山に登ってみることにしました。至仏山への登山は、前日の7月1日に解禁されたばかりです。
そうと決まれば即行動、身支度をして6時半に山小屋を発ちます。尾瀬ヶ原―至仏山をほぼ直線で結ぶ「東面登山道」は、約3キロで高低差828m、つまり平均勾配約28%(斜度にして約15度)を直登する健脚向きコース。下り禁止の一方通行とされ、山ノ鼻から登るしかありません。
登山口から樹林の中を30分ほど登って行くと森林限界に達し、以後、振り返るたび尾瀬ヶ原が眺望できるようになります。森林限界から1時間ほどで中間地点(標高1814m)に達し、クサリのある岩場をよじ登ったりしながら、さらに30分ほどで、休憩に適したテラスが現れます。ここは最高ですよ~♪
GXR+GR LENS A12 28mm,絞り優先AE,Av13,Tv1/350,ISO200,Ev-0.7,WBオート
※クリックで、いつもより少し大きめに拡大します。
森林限界を過ぎた東面登山道では、どこで振り返っても尾瀬ヶ原を俯瞰できます。この眺めの素晴らしさは言葉では言い表せません。一息つくたび振り返り、箱庭のような景色を楽しみつつ高度を上げていきます。やがて勾配が緩み、高天原(たかまがはら)という開けた場所に出ます。周辺には高山植物のお花畑が広がっていました。
これだけは見たいと思っていた“日本のエーデルワイス”とも形容されるホソバヒナウスユキソウ(細葉雛薄雪草)。至仏山と谷川岳にしか自生していない希少種だそうで、高天原周辺に、他の高山植物とともにたくさん咲いているのを見ることができました。お~これかぁ~。
……花の写真は(も)、相変わらず下手クソです。
しかし、高天原からガスがかかりはじめ、あっという間に眺望は利かなくなってしまいました。程なくして到達した至仏山頂は、どこを向いても真っ白な状況。拝めるはずの360度の大展望は果たせませんでした(午前10時頃)。
このまま待ってもガスが晴れる様子はないので、早々に下山を開始します。至仏山上部は蛇紋岩という火成岩が露出し、非常に滑りやすいという特徴があります。上りでさえ難儀したのですが、下りはじつに恐るべし。まるで石鹸のうえを歩いているかのようです。ところによって残雪もあり、何度か転倒もしたので、カメラはザックにしまってケガなく下山することに専念します(よって、写真は激減)。
写真左上に何か白く光ってみるところが、目的地の鳩待峠。
こんなような状況で、雨には降られず済んだものの、山ノ鼻→至仏山頂に3時間半、至仏山頂→鳩待峠に3時間、それぞれかかりました。以上、途中のほとんどを省略してしまいましたが、これをもって至仏山初登頂の記録とします。山頂や稜線登山道からの大展望は、いつかまたリベンジしたいと思います。
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<余談>
すでにお気付きの方もいるでしょうが、撮影情報に記しているとおり、今回の尾瀬山行に持ち込んだカメラはいつものLX3ではありません。デジタル一眼レフ並みの画質が撮れるコンデジ、ということで、RICOHのGXRというカメラに手を出してみました。
詳しくは別の機会に譲りますが、この28mm単焦点レンズには接写(マクロ)機能がありません。花の撮影には苦労させられました、というか不可能でした。GXRも至仏山も奥が深そうです。……おしまい。
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(第456号)
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