続・春光に映えるミズバショウを求めて
(前号「春光に映えるミズバショウを求めて」からの続き)
晴れの天気予報を信じ、「春光に映えるミズバショウを求めて」やってきたはずの尾瀬は、小雨が降っていました。至仏山を望む“定点”からはご覧のとおり、山頂部は雲に覆われています。午前6時半頃。
以下、当日の時間の流れに沿って、12枚の写真と共にお伝えします。
なお、末尾に<たいせつなこと>を記しました。途中は飛ばしても、最後だけは是非お読みください。
鳩待峠から尾瀬ヶ原に下っていくと、時間にして30~40分くらい、2つ目の沢を渡った先のテンマ沢湿原で最初の水芭蕉群落に出会えます。ここでは霧を期待していたのですが、出ていませんでした。雨で木道がしっとり濡れています。午前7時頃。
山ノ鼻に着いて、まずは尾瀬植物研究見本園へ。最盛期のミズバショウたちが出迎えてくれたのですが、まだ曇り空……。午前7時半頃。
見本園は半周するにとどめ、とりあえず尾瀬ヶ原へ。下ノ大堀を経て竜宮を目指すことにします。この時期の尾瀬ヶ原は、緑の芽吹きにはまだ早く荒涼とした枯野の世界。写真で見るといっそう陰鬱とした雰囲気になりますが、林内より響いてくるカッコウや足下から聞こえるカエルの鳴き声には癒されます。でも、ヒウチ、見えず~の午前8時半頃。
通称“下ノ大堀写真場”の水芭蕉具合をチェックするも、至仏山は見えず、空全体に厚くて暗い雲。そのまま竜宮まで行って、早昼メシにします。今回はハシ忘れず。午前10時半頃。
* * *
少し昼寝をするうち、雲の切れ間から日が差し、わずかに青い空も見えるようになってきました。当初は、竜宮から東電小屋を経由して、時計回りに見晴を周回してくる予定でしたが、竜宮十字路~長沢湿原の水芭蕉群落だけを見て、来た道を下ノ大堀写真場へと引き返すことにしました。晴れるといいな~♪午前11時半頃。
で、戻ってきた下ノ大堀写真場。定番写真は前号で紹介したとおり。快晴というワケにはいきませんが、至仏山は姿を見せてくれました。定番といえども、立ち位置、上下左右の角度など、写真は幾通りにも変化します。ヤチヤナギの花を手前に入れ、遠近感を出してみましたがどうでしょうか。やや逆光気味になる正午頃。
雲が流れているので、手前には日が当たっているのに至仏山が陰っていたり、その逆だったり、ようやく両方に日が当たったかと思うと、前に人が入って来たり。なかなかタイミングが合いません。1時間ほど粘りましたが、スッキリは晴れず。快晴の定番写真は、また来年以降の宿題となりました。
残りの時間は、見本園のミズバショウでも眺めつつ、コーヒー&昼寝タイムとすることに。山ノ鼻へと引き返します。下ノ大堀写真場を去り際に見る風景。午後0時半頃。
* * *
戻ってきた見本園は、春の光のなかにありました。今年のミズバショウは霜の影響を受けていないため、例年と比べキレイなのだそうです。日差したっぷりの春のあたたかさは伝わるでしょうか。午後2時半頃、こんどは、ヒウチ、よく見える~。
……とまあ名残惜しいですが、戸倉の「ぷらり館」で温泉にも入りたいので、ジェラートに代わる新商品「花豆ソフトクリーム」を試食して下山します。午後3時頃。
天気予報を読み違えたか、天気予報が外れたのか、いずれにせよ快晴にはなりませんでした。しかし、春光に映えるミズバショウには出会えました。一日仕事をサボって来た甲斐がありました。帰りの登山道での、逆光に煌めく新緑も心地よかったです。午後4時過ぎ、鳩待峠に着きました。
何回来られるかは分かりませんけど、今シーズンも可能な限り通いたいと思います。今年も尾瀬、大好きです。
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<たいせつなこと>
この日歩いてきた場所は、すべて群馬県片品村に位置しています。人口約5千人の片品村は、東日本大震災発生のわずか1週間後、福島県南相馬市の被災者約千人をバス23台で迎えに行ったうえ、村内の民宿など宿泊施設にて受け入れました。
災害救助法の適用で、国などから受け入れ費用の支援が受けられる見通しですが、全額かは不明。それでも村は受け入れを続けています。村の年間予算規模が約32億円のところ、財政調整基金から1億円を取り崩して対応しています。震災から3カ月、小さな村にとって大きな負担ではないでしょうか。そんな片品村に、私はわずかばかりの寄附金を納めてきました。なお、村では、今月末まで義捐金を受け付けています。
・片品村が行う災害支援への義援金の受付について(片品村HP)
*本記事で使用した写真は、すべて2011年6月6日にPanasonic LUMIX DMC-LX3で撮影したものです。
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(第449号)
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