苔の森ひろがる白谷雲水峡へ~屋久島旅行記その4
屋久島3日目は、標高600~1100mに広がる屋久島自然休養林白谷地区「白谷雲水峡」へ。太鼓岩はその最奥部にあります。映画「もののけ姫」着想の源となった森としても知られ、まさに屋久島森めぐりの白眉といっていいでしょう。縄文杉、ヤクスギランドに続く3日連続となる山歩きにして、ようやく一番たずねてみたかったところを歩きます。
この日は朝から天気が良かったので、原生林コースは後回し。ショートカットの楠川歩道で先を急ぎ、一気に太鼓岩を目指しました。駐車場から1時間でトイレのある白谷小屋へ、休憩をはさみ1時間で辻峠、さらに15分で太鼓岩へと達します。
どうでしょうか、この大展望
(全6カットから合成=クリックで拡大=)。
屋久島では、麓から見えない永田岳や宮之浦岳などを総称し「奥岳」と呼んでいますが、その連なりが雲一つなく見渡せました(やや霞みがかっているのは黄砂の影響です)。宮之浦岳にはわずかに雪渓も見えます。偶然にも10分間ほど他の訪問者はゼロ、私たち家族だけで静かにこの絶景を楽しみました。ものすごく贅沢をした気分です。
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「くぐり杉」を抜け、原生林コースに踏み入れると、屋久杉やヒメシャラの巨木・珍木がつづき、さながらオリエンテーリングのようでもあります。空気がみどりを映す、という感覚は伝わるでしょうか。
白谷雲水峡のトレッキングでは、いく筋もの沢を徒渉します。清冽な沢の水を手ですくって飲んだり、コーヒーを淹れたり、ラーメンを食べたり、のんびりゆっくり苔の森と清流を堪能しました。
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今回の屋久島旅での登山はこれでオシマイです。日本最南端の高層湿原といわれる花之江河(はなのえごう)や奥岳が一望できるという黒味岳にも行きたかったのですが、無理をせず次回の楽しみとしました。……ということで、次なる目標は「奥岳縦走」に決まり!かな?
ちなみに、白谷雲水峡は、辻峠の1.4km先で縄文杉へのトロッコ道とつながっています。縦走ルートに組み込んだら一石三鳥、何年先になるかも分からないのに想像しただけでワクワクしてきました。
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<おまけ>
原生林コースで見たこの枝ぶりは、屋久杉に宿る「木のいのち」そのもの。神秘的ともいえる。
*「屋久島旅行記」 プロローグ その1 その2 その3 その4 その5 その6 その7
(第443号)
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コメント
太鼓岩からの展望、すばらしいですね。
苔の森と清流もいい感じです。
いつか行ってみたいと思います。(いつになるかわかりませんけど。)
投稿: Suekichi | 2011年5月19日 (木) 12時29分
Suekichiさん、こんにちは。「その2」と併せ、コメントありがとうございます。
太鼓岩の眼下に広がるのは小杉谷、真ん中の沢筋は安房川支流とのこと。ところで、4月上旬の太鼓岩から眺めるヤマザクラと新緑の競演は圧巻だとか。秋の紅葉など思い巡らせるだけで息が詰まりそうです。
「いつか」とは、カネの問題を除けば、本当に行く気になったそのときです。朝起きてみたら、そんな気になってしまうかも知れませんよ。Suekichiさんは飛行機OKでしょうから、思い立ったら半日で行けますね。
投稿: 鉄まんアトム | 2011年5月19日 (木) 15時15分