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JR九州完乗を果たす~屋久島旅行記その7(完)

 屋久島へのアクセスが陸海路であることを、本旅行記の冒頭で白状しました。私が飛行機に乗れないので陸海路は当然として、往復のドサクサでJR九州完乗も成し遂げようという野望を抱くのもごく自然なこと。九州のJRと三セクで残る未乗線区は4線5区間、次のとおりです。
  1.九州新幹線(博多―新八代 151.3km)
  2.日豊本線(都城―隼人 44.8km)
  3.日豊本線(延岡―宮崎 83.7km)
  4.宮崎空港線(田吉―宮崎空港 1.4km)
  5.博多南線(博多―博多南 8.5km) ※JR西日本管轄
 これら全線走破を実行に移すべく、行きは全線開業したばかりの九州新幹線で鹿児島へ、帰りは日豊本線で宮崎・大分を経由して小倉に向かう、九州反時計周り計画を立てました。購入した乗車券(使用済み)はこちらです。

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 切符を単純に行きと帰りで分けた場合、東京都区内―(新幹線)―鹿児島中央が15,960円、鹿児島中央―(日豊本線経由)―東京都区内が16,800円の合計32,760円となります。区切る場所を西小倉に変えただけで、400円オトクになりました。

         *          *          *

 話を戻します。1.~3.は通過しながら走破できますが、4.と5.は、枝というよりは剃り残しの髭のような存在で、わざわざ行き止まりを見てくる必要があります。
 とくに4.のためには、屋久島から東京に向かう人間が、船で本土に渡り、最寄りの鹿児島空港を横目に見ながら宮崎の空港に行く。そして、なおも飛行機には乗らないという愚です。
Yakushimat2 切符は、愚行証明書と言ってもよいでしょう。

 屋久島安房港を朝7時00分の高速船で発ち、9時40分過ぎに鹿児島本港へ着船するやタクシーで鹿児島駅へ。鹿児島10時03分発の特急「きりしま8号」に乗り継ぐと宮崎空港着が正午過ぎになります。
 さらに特急2本と新幹線を乗り倒せば、深夜ながら家に帰ることもできます。しかし、すでに勘付かれた方もいると思いますが、上で紹介した乗車券に「別府」という文字が見えます。これは下車印というもので、別府駅で途中下車したことを示すものです。
 もはや急いで帰る理由もないので、何とも都合のいいところにあった別府で1泊した次第。これが列車旅のいいところ。しかも駅前の「手湯」だけで、宮崎での愚に付き合わされた家族の不満も吹き飛んだようです。別府温泉の効能はすばらしい。
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1992年、1997年につぎ16年ぶり3回目となる別府訪問(家族は初)。前に来たとき、駅前にこんなのあったかな~?

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 翌日は、妻子を門司港の「九州鉄道記念館」に押し込み、私だけ博多に向かいました。上記5.のためです。19年越しの九州乗りつぶしは、こうして2011年5月6日11時38分、博多南駅到着をもって完結しました。

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博多南線は1駅だけの区間。なのに、乗車券(博多―博多南間だけなら190円)のほか、特急券100円が別途必要です。

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 昼食は小倉駅ホームにて。明治24年創業・北九州駅弁当の小倉名物「かしわうどん」は、ご当地の味。大判のさつま揚げがのって美味しゅうございました。――これにて、今回の屋久島旅行記をいったん締めたいと思います。お付き合いいただきありがとうございました。

   ★゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・゜★゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・゜

<おまけ>

 新幹線の普通車座席は3列+2列です。このうち東海道・山陽新幹線「のぞみ」11号車は、一部が2列+2列になっていて、車いすのまま利用することが可能です。今回は乗車時間が長いので、利用してみることにしました。切符が珍しいので、紹介しておきます。

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 みどりの窓口では売らない(売れない?)座席のようで、新幹線各駅に電話で予約をとり、各種障害者手帳を提示して切符を受け取ります。マルス発券でも席番等は手書きです。
 ちなみに、この11号車はバリアフリー対応で、授乳できるような多目的室も備えています。小さなお子さん連れが選んで乗る傾向もあり、ガキンチョ占有率は高め。乗車中に仕事をしたり仮眠をとりたい人は、11号車は避けた方がいいでしょうね。

         *          *          *

 3月12日の九州新幹線全通で、青森から鹿児島までが新幹線で結ばれる予定でした。しかし、その前日に発生した東日本大震災により、東北新幹線が寸断。全面復旧して新幹線がつながったのは、今回の屋久島旅行に旅立った4月29日でした。

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 駅に掲げられた「つなげよう、日本。」という東北新幹線の全線運転再開を伝えるポスター。被災して復旧の目処が立たぬローカル線のすべても、1日でも早くつながるよう待ち望んでいます!

*「屋久島旅行記」 プロローグ その1 その2 その3 その4 その5 その6 その7

(第446号)

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コメント

やってはみたいものの,決して真似できないうらやましい電車乗りつぶし・・。それにしても,別府駅前の「あの」オブジェ?は一体何?

投稿: くわ | 2011年5月28日 (土) 11時31分

 くわさん、こんにちは。乗りつぶしを「うらやましい」などとフツウの人から評価されたことはありません。もしかして……。
 さて、別府駅前のブツについて真面目に報告します。銅像の方は、別府温泉観光の礎を築いた実業家で「別府観光の父」と呼ばれる油屋熊八(1863-1935年)の像。台座には『ピカピカのおじさん』と書いてありました。天国から舞い降りてきた熊八が「やあ!」と呼び掛けているイメージで、別府の「地獄めぐり」にちなみ、熊八がまとうマントに取りついているのは小鬼だそうです。2007年11月落成。
 もう1つ、「手湯」の方は、2005年12月の落成。泉質はナトリウム-塩化物・硫酸塩泉、泉温約45度の源泉かけ流しで、料金は無料。さすが、源泉数および湧出量とも日本一の温泉の町・別府の駅前ですね。

投稿: 鉄まんアトム | 2011年5月28日 (土) 13時35分

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