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2011年5月の9件の記事

尾瀬と東京電力

 今年の尾瀬は、5月24日に山開きしました。東日本大震災の影響を受けながらのシーズン幕開けです。大震災と尾瀬をつなぐキーワードは、東京電力。福島第一原発事故による賠償金捻出のための東電資産売却をめぐる報道で、東電が尾瀬の大地主であることが広く世間に知られることとなりました。
 東電は、尾瀬国立公園全体(総面積約3万7200ヘクタール)の約4割、うち特別保護地区(同約9386ヘクタール)では実に7割もの土地を所有しています。尾瀬ヶ原の群馬県側はすべて東電の所有地で、木道整備や浄化槽完備の公衆トイレ、荒廃したアヤメ平の回復などに年間約2億円を支出しています。経緯や動機はどうあれ、東電は、尾瀬の自然保護に無二の役割を果たしてきたことは厳然たる事実なのです。

 ところで東電は、『尾瀬と東京電力』~自然と人の共生のために~というビデオCD-ROMや冊子=写真=を制作し、無償配布してきました(5/31現在、東電HPからの資料請求可能)。
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 表題のビデオ(写真左)は35分に及び、次のナレーションで締めくくられています――。
 「東京電力は、地域社会と深い関わりを持つ公益事業者として、また地球社会の一員として、環境保全を経営の重要課題と位置づけており、尾瀬においても、変わることなく、自然保護活動に取り組んでいきたいと考えています。今後も、この尾瀬から、自然保護にかける熱い気持ちが発信され続け、尾瀬はもちろん、日本中の美しい自然が保たれることを、東京電力は、願っています。」
(冊子版もほぼ同様で、最終見開きページは↓↓のとおり。2011.02第11版より引用)
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 直近の報道によれば、東電は、「現時点で尾瀬の売却を考えていない」としながらも、尾瀬の保護や管理については「当社を取り巻く状況を踏まえ、必要最小限に見直している」「例年と同様の管理は困難」という認識を示しています(5月21日及び27日付け上毛新聞)。

 「これからの尾瀬と東京電力」を考えたとき、取り返しのつかぬ原発事故を招いた東電が、今後も、誇りと責任を持って、この尾瀬から自然保護にかける熱い気持ちを発信続け、尾瀬はもちろん、日本中の美しい自然が保たれることを、私は、願っています。

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JR九州完乗を果たす~屋久島旅行記その7(完)

 屋久島へのアクセスが陸海路であることを、本旅行記の冒頭で白状しました。私が飛行機に乗れないので陸海路は当然として、往復のドサクサでJR九州完乗も成し遂げようという野望を抱くのもごく自然なこと。九州のJRと三セクで残る未乗線区は4線5区間、次のとおりです。
  1.九州新幹線(博多―新八代 151.3km)
  2.日豊本線(都城―隼人 44.8km)
  3.日豊本線(延岡―宮崎 83.7km)
  4.宮崎空港線(田吉―宮崎空港 1.4km)
  5.博多南線(博多―博多南 8.5km) ※JR西日本管轄
 これら全線走破を実行に移すべく、行きは全線開業したばかりの九州新幹線で鹿児島へ、帰りは日豊本線で宮崎・大分を経由して小倉に向かう、九州反時計周り計画を立てました。購入した乗車券(使用済み)はこちらです。

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 切符を単純に行きと帰りで分けた場合、東京都区内―(新幹線)―鹿児島中央が15,960円、鹿児島中央―(日豊本線経由)―東京都区内が16,800円の合計32,760円となります。区切る場所を西小倉に変えただけで、400円オトクになりました。

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登山と温泉以外の過ごし方~屋久島旅行記その6

 屋久島滞在全5日間のうち、残りの2日は、ぐうたらノープランで過ごすことにしました。ハコモノ見物や滝見物に砂浜遊び、そして外ごはん。いわゆる「里めぐり」という過ごし方。以下はその、登山と温泉以外で過ごした中から、ごく一部を取り上げてご紹介します。

 屋久島町立屋久杉自然館(安房)では、2005年12月に雪の重みで折れた縄文杉の枝を「いのちの枝」として現物展示。
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 杉が日本固有種の植物であること、屋久杉とは樹齢千年以上の杉を指し、それ以下だと“小杉”扱いなどなど、その他「木のいのち」について学ぶ。
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…ただし、入館料600円はちょっと高い?

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温泉三昧をつくす~屋久島旅行記その5

 屋久島には、北から時計回りに、楠川(くすがわ)、尾之間(おのあいだ)、平内海中(ひらうちかいちゅう)、そして湯泊(ゆどまり)の4つの温泉があります。楠川温泉は冷泉の加温ですが、ほかはすべて源泉かけ流しです。
 このうち平内海中温泉と湯泊温泉は南部の海岸にあって、完全なる野天風呂。しかも平内海中温泉に入れるのは干潮の前後2時間ほどだけで、あとの時間は海に沈みます。脱衣場も仕切りもなく完全混浴、視線を遮れるほどの物陰もありません。水着も不可。野趣に富むどころか、ズバリそのものです(※湯泊温泉には見え見えながらも仕切りアリ)。

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 こうして海を眺めながらの温泉は気分最高、湯加減もやや熱めながら絶妙です。ただ、岩の隙間から湯が湧き出ているところがあって、座る場所によってはケツが大変なことになります。ときおり団体がバスで見物にやってくることと併せ、注意が必要です。

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 今回の屋久島旅に据えた登山と並ぶもう1つの目標が、じつは温泉。屋久島滞在5日間で全6回、4つの温泉すべてに入りました。温泉に入るためだけに屋久島に行ってもいい、そう思える名湯ばかりでした。
 真打ちともいうべきは、350年の歴史がある尾之間温泉。49度の硫黄泉で、湯船の底に敷かれた玉砂利の間から源泉が湧き出しているのです。はじめは入れないほどにアツアツの湯で、登山後の疲れなどは一気に吹き飛びます(おかげで3日連続の登山でも筋肉痛ナシ! なお、熱いのが苦手な人は湯泊温泉がいいでしょう……冬だとド根性が必要なほどヌルいですけど)。

*平内海中温泉全景
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*「屋久島旅行記」 プロローグ その1 その2 その3 その4 その5 その6 その7

(第444号)

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苔の森ひろがる白谷雲水峡へ~屋久島旅行記その4

「じゃあさ、初心者が屋久島の森を満喫するためには、どこに行けばいいの?」
「白谷雲水峡に行きなさい」
「しらたにうんすいきょう?」
「そうです。あそこには、“これぞ屋久島の苔の森だ”ってのがあります。白谷雲水峡の原生林コースを進みなさい。そんでもって、脇道を登って太鼓岩に行ってみたらいいです。この太鼓岩は隠れた名所です。すごい見晴らしです。内緒の場所だけど、これをあなたに伝授しましょう」
――田口ランディ『ひかりのあめふるしま屋久島』より一部省略して引用。

まずはその、太鼓岩からの「すごい見晴らし」の片鱗をどうぞ。(妻撮影)
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雨上がりのヤクスギランドへ~屋久島旅行記その3

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ネコ・パブリッシング刊行の『屋久島トレッキングサポートBOOK 2011』で、ヤクスギランドを紹介する記事の見出しとして見開きで使われたところ。コピーは、「このミドリはカラダにココロにしみてくる。」(30分コース内)

 縄文杉を見た次の日は、標高1000~1300mに広がる屋久島自然休養林荒川地区「ヤクスギランド」へ。雨の安房から路線バスに乗り込みました。
 “ランド”と言っても、遊園地にあらず。手軽に屋久杉を鑑賞できる島内随一の森で、入口に管理棟、車道をはさんで向かいに売店と休憩施設があるだけ。世になんとかランドの類はたくさんあって、概してろくなものではないけれど、ヤクスギランドはその例に当てはまりません。

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縄文杉へとつづく道~屋久島旅行記その2

 荒川登山口からトロッコ道を歩くこと3時間、いよいよ森の中へと分け入る「大株歩道入口」に達します。本格的な登山道となって森は一気に深まり、至る所で巨樹を目にするようになります。縄文杉に次ぐ大きさの大王杉、2本の木が枝でつながる夫婦杉のほか、名もなき齢数千年の巨木が続きます。

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 写真は、大株歩道にある「ウィルソン株」という切り株の中から見上げたようす。約400年前の伐採跡といわれ内部は空洞、広さは十畳ほどで中に入ることができます。屋久島の愛、届くでしょうか。

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縄文杉に謁見する~屋久島旅行記その1

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 屋久島といえば屋久杉、屋久杉といえば縄文杉というほどに、縄文杉は屋久島の象徴といえましょう。日帰りで見に行くことができます。
 日帰りと聞けばハイキング気分ですが、距離にしてJR埼京線の新宿―赤羽間をしのぐ片道10.7km。さらに高低差は700mにも及び、標高600mの荒川登山口から最初の8.1kmは安房森林軌道の線路敷を延々と歩き、残り2.6kmの山道で400mを急登する完璧な登山コースです。往復には最低でも10時間かかります。

 それでも、世界でいちばんの長生きさまを、とにかくこの目で見てみたい。屋久島に着いて最初の朝を迎えぬ間に、縄文杉を目指す夜明け前の登山バスに乗り込みました。

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屋久島旅行記プロローグ

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▲白谷雲水峡の原生林コースにて。“いのちの森”の緑で安らぎに包まれる。自分がいま、離島にいることなど忘れてしまうほどに屋久島の森は深く豊かだ。

   ★゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・゜★゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・゜

 数年がかりで続けてきた500円玉貯金の残高が20万円を超え、今年(2011年)のGWは長い連休、そして九州新幹線の全線開業。これらを好機と判断し、妻の父親、すなわち義父が住む屋久島に、初めて家族全員で行くことにしました。立案中に発生した東日本大震災や長男の骨折を乗り越えての旅行で、私は、初めての渡島になります。

 屋久島は、鹿児島市の南方約135kmの海上に浮かぶ周囲約132km、面積約504平方kmの島。九州最高峰の宮之浦岳(標高1936m)を筆頭に、標高1000m以上の山が45座以上もある険しい山岳地帯を擁しており、「洋上のアルプス」とも称されています。
 1993(平成5)年には、島全体の5分の1以上が、日本で初めてユネスコの世界自然遺産に登録。亜熱帯から冷温帯の植生分布が凝縮している特異なこの島へは、鹿児島から種子島を経由する時速80kmの高速船で2時間半前後、飛行機なら40分で渡ることができます。

 飛行機に乗れない私のアクセスは、もちろん陸海路。道草を含む全7泊8日の行程を組んで、ときに車イスを担ぎながらの旅となりました。
 今回の旅行で丸1日を島内にて過ごせるのは5日間。島で行ってみたいところ、やってみたいことはたくさんあったのですが、一度に全部は無理。そこで目標を、縄文杉、白谷雲水峡、ヤクスギランドの“屋久杉3大聖地”に絞ることにしました。

 天候に恵まれ、とりあえず目標は達成しました。持ち帰った写真は約1500カット。これを整理しながら、このブログで後日、数回に分けて屋久島旅を振り返ってみようと思います。

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▲屋久島安房港に向け種子島海峡を渡る高速船「トッピー」の船内より。近づく屋久島の姿を見て、洋上アルプスの異名に納得する。写真中央で最も高く聳えるのが標高1235mの愛子岳で、宮之浦岳はその左奥に見える薄い部分である (撮影地点は、北緯30度22分・東経130度43分あたりと思われる)。 ※上下とも、写真はクリックで拡大

*「屋久島旅行記」 プロローグ その1 その2 その3 その4 その5 その6 その7

(第439号)

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