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半吉

 いつものように初詣は少し遅め、3連休初日に家族そろって川越大師喜多院へ。これまたいつものように、護摩修行を受け、不動明王札をいただきました。そのときおみくじが長蛇の列だったので、きょう改めて、札納めがてら出向き引いてきました。出てきた籤札は第六十一番「半吉」。さっそく文面を辿ってみましょう。

「舊偬何日解」
 過去の身のあやまちがいつ溶けることかと、不安になるでしょう。
「戸内保嬋始※」
 家に美人を入れ、これを世間に公表しようとするとは、自分の生活を反省することなく、節操のないことです。家内和合を心がけましょう。
「要逢十一口」
 十一口とは重ねてみれば吉の字となります。すなわち、吉を望んで努力すれば、必ずめぐって来るでしょう。
「遇鼠過牛邊」
 人の寝しずまる夜も、起きて働くよう努力しましょう。
※原文は、始の字の「口」の部分が「日」です。Img_6606

 「半吉」も吉運の1つなのでしょうが、書かれていることは「凶」より辛いかも知れません。日本国語大辞典精選版によれば、半吉とは、「半分が凶で半分が吉であること。転じて、全く絶望でなく、多少見込みのあること」だそうです。やっぱ、半分は凶なんだ……。

 「人の寝しずまる夜も、起きて働くよう努力しましょう」なんて、借金取りの決まり文句を丁寧に言っただけのような気がします。そんな生活を続けていくと、「病気-長引くでしょう」も必然です。おみくじだからといって、労働基本権をないがしろにしてはいけません。

 ところで、おみくじの吉運にはいろいろとあります。「大吉」が一番良いに異論はないとして、一般的な「中吉」「小吉」「末吉」「吉」はどういう意味で、それらはどう序列されるのでしょうか。気になったので、全部同じ辞書で引いてみることにしました――。
・「大吉」 この上なく縁起・運勢がよいこと。きわめて吉であること。反対語は大凶。
・「中吉」 (不見当)
・「小吉」 小さいしあわせ。おみくじで少し縁起のよいことを表わす語。
・「末吉」 おみくじで、後になって開ける運のことをいう。
・「吉」 よいこと。めでたいこと。反対語は凶。
・「凶」 不吉であること。縁起が悪いこと。反対語は吉。

 以上に鑑みれば、大吉>吉>中吉>小吉>半吉>凶、という序列が見えてきます。そして、「末吉」は、この序列でいえば「吉」に含まれることになります。吉の数量的大小やよしあしではなく、時間的前後の関係にあるということです。末広がりという言葉のように、次第に吉運が開いていく。しかも、凶が含まれていない。ぞんざいな扱いを受けがちな末吉こそ、じつは、もっとも喜ぶべき運勢なのかもしれません。

 そんな「末吉」はさておき、小さな幸せの「小吉」が良いか、それとも吉凶入り乱れた「半吉」が良いか。ここは人によって評価が分かれそうです。そもそも、おみくじとは、祈願料を奉納し、神仏によって吉凶を占ってもらうもの。「小吉」は良いとして、「半分が凶で半分が吉」では結論がどっちつかず、占った意味がありません。
 夜も寝ないで働く努力をしないと吉がめぐってこないという御大師様のお授けでしたが、今年は数え42、男の大厄。まずは人並みに、昼間きちんと仕事(ができるように)するところから努力していきたいと思います。

(第423号)

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コメント

今年は「吉」を引いてちょっと落ち込んでいましたが、「よいこと。めでたいこと。反対語は凶。」なんですね!
鉄まんアトムさんの解説で合点がいきました。ガッテン、ガッテン!
それにしても、「人の寝しずまる夜も、起きて働くよう努力しましょう。」なんて、厳しいお授けですね。凶より辛い気がします。
仕事にはお付き合いできませんが、その息抜きにはお付き合いできますので、そんな夜はお声かけください。

投稿: ヤッジー | 2011年1月12日 (水) 08時23分

「半吉」というのは初めて耳にしました。
半分が凶で半分が吉、というのはなかなか現実的な運勢かもしれませんね。
「末吉」は「吉」の一番悪い方かと思っていましたが、「後になって開ける」吉ということですか。
そろそろ運が開けてくるといいのですけど、どうも現実は「まだまだ先」のようです。

投稿: 末吉 | 2011年1月12日 (水) 09時28分

鉄まんアトムさん、本年もヨロピクです。
半吉、はじめて聞きました。これだったら、いっそのこと、凶がよかったって感じでしょうか!?
あまり深く考えないで。でも大厄というのがね。ちゃんと払っておきましょうね、といいつつ、私は本年、前厄な~り~。去年・一昨年とこれ以上にない不幸が続いたので、今年は大丈夫だろうと厄払いはしないつもりではいますが、いかに!
ちなみに私もおみくじ、やったんですが、「向吉」でした。読んで字のごとし、深く考えないことにしております(笑)。

投稿: アンディ | 2011年1月12日 (水) 15時57分

まとめ返信にて、お許しください。

>ヤッジーさん
 吉が過ぎると凶に近い、ともいいますから、ふつうの「吉」に感謝しましょう。テツとかヤマの仕事もありますので、今年はそちらの方面でのお付き合いをお願いします。p.s. ヤッジーさんは“歩く不夜城”だとか。息抜きできる夜、あんの?

>末吉さん
 ハッキリ言ってしまえば、全部テキトーに吉だの凶だの出しているわけですから、そこはもう、一刀両断に決めてもらわないと…(^^)。末吉の「末」が実際いつなのかだって、本来は要素ですよねぇ~(まさか、神仏までもが問題を先送りか~??)。

>アンディさん
 ご無沙汰しております。こちらこそ今年もヨロピク。
 私も、厄年だからといって、特別なことは何もしていません。厄除のため寺社に特別な祈願をするのなら、それより先に健康診断を受けた方がいいと思っています。「向吉」っていうのも初耳ですね、手元の国語辞典には載っていませんでした。

投稿: 鉄まんアトム | 2011年1月12日 (水) 19時38分

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