東北新幹線、全通す
きょう2010年12月4日、東北新幹線の八戸~新青森間が開業。これにより東北新幹線は、1971(昭和46)年の着工から実に39年、大宮~盛岡間の暫定開業からでも28年かかっての全線開通となりました。
私が初めて青森駅に降り立ったのは、日本国有鉄道(国鉄)最後の日である1987年3月31日。この日限り国鉄全線の新幹線を含むすべての列車の普通車自由席が6千円で乗り放題という「謝恩フリーきっぷ」を使って、青森までやってきたのでした。
※どういうことか、当時の写真はこんなの↓↓しか残っていません。
当時、東北新幹線は盛岡止まり。大宮から青森までは在来線特急に乗り継ぎ、5時間以上を要していました。青森行き“上野発の夜行列車”が片道10時間前後かけて毎日7往復。青森からさらに北へ進むには、青函連絡船で津軽海峡を渡った時代です。それから23年を経て、今日からは3時間足らずで青森まで行けるようになったのです。新幹線は5年後、さらに北海道へと上陸します。
飛行機に乗れない私にとって新幹線は、なくてはならぬ移動手段。でも、新幹線による便益は限られた「点」にしか及ばず、その点とは関係なく地域に暮らす人をつなぐ「線」の存続を危めている現実を直視しなければなりません。
2002(平成14)年の八戸延伸と今回の開業で、盛岡以北の在来線約200kmは「東北本線」ではなくなってしまいました。今後の地域住民の「足」の確保、そして維持が心配です。
来年3月には九州新幹線も全通します。青森から鹿児島までが新幹線でつながるのを機に、一方で並行在来線がJRから経営分離され鉄道網を分断していく今のやり方が果たして妥当なのか……改めて考えてみる必要性を強く感じました。
ため込んだキップ類が入った箱に、こんなの↑↑が1つ、ありました。
上野-大宮間の「新幹線リレー号」なんて、いまの若い人は知らないでしょうね。
ちなみに、「謝恩フリーきっぷ」の実物は、当事務所にて常設展示しています。
(第410号)
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