第12回尾瀬フォーラムに行く
高崎シティギャラリー(高崎市高松町)にて2010年12月17日午後、尾瀬保護財団とNHK前橋放送局の主催による「第12回尾瀬フォーラム」が開催されました。高崎へは関越道で川越から1時間前後、仕事の調整が付いたので、平日の日中でしたが行ってきました。
フォーラムは、テーマが「尾瀬の生物多様性~貴重さ・魅力・その保全~」。まず、群馬県立自然史博物館の大森威宏氏による「尾瀬の植物相とその成り立ち」という講演。休憩を挟んでつぎに、環境省片品自然保護官の速水香奈氏による「尾瀬国立公園のニホンジカ対策の経過と現状」という報告の2部構成でした。
細かい話は抜きにして、フォーラムによって私なりに理解したことは次の2点です。
1つ、講演からは、尾瀬は大規模高層湿原の地球的南限で低緯度ながら北方系の植物が多く、谷川連峰、武尊、玉原など周辺地域を含めた保全が必要であること。1つ、報告からは、尾瀬にもともと存在しなかったシカが急速に増加流入して、希少な湿原植生や景観に回復不可能な影響が及びつつあり、実態把握と防除対策の強化が急務であること。
とくに後者。ニッコウキスゲやミツガシワを始めとする湿原に生息する多くの植物が、新芽や花芽を食べられたり根こそぎ掘り返される食害に遭い、湿原には泥浴びによるヌタ場やシカ道があちらこちらにできている深刻な状況が報告されました。これについては私も、尾瀬の至る所で目にしています。
シカによる自然破壊、という言い回し自体、いまひとつピンと来ないかもしれません。ただ、尾瀬に限らず全国でいま、シカによる植生荒廃が極めて深刻な問題となっています。常に矛盾を抱える、自然を保護することと管理すること。難しいテーマですが、みんなで考えていかなければいけないことだと思います。
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会場では、併せて「第15回NHK『わたしの尾瀬』フォトコンテスト」の入賞作品展も開かれていました。どれも素晴らしい作品ばかりで、見入ってしまいました。作品がどの場所で撮られたものか、1つ1つ考え思い出しながら鑑賞するのは、楽しい時間でした。
なお、高崎シティギャラリーでの写真展は22日まで。そのあとは、来年1月13~19日の7日間、群馬県庁県民ホールにて展示。春には東京展もあるそうです。
<おまけ>
フォーラムが終わり駐車場に戻る際、会場隣の高崎市役所前にあるイルミネーションに目が止まりました。三脚など持ち合わせていない(←便利な言い訳だ!)ので、まともな写真は撮れませんでした。p.s. イルミの内側に入れるのですが、入って見上げたら目が回りました(^^ゞ。
帰り道、さらに星の王子さまPA(寄居PA)に立ち寄り、バニラビーンズたっぷり使用というソフトクリームを寒風に震えながら食べました。300円也、味は私好みでした。以上いずれも濃度は高め、有意義な半日を過ごしました。
*関連記事 ことしも尾瀬大好きの半年を総括(第400号)
(第416号)
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