奥武蔵丸山に登る
奥武蔵の「丸山」(埼玉県秩父郡横瀬町、標高960m)。きわめて平凡な名でありながら、この山を有名かつ人気にしているのが“奥武蔵随一の眺望を誇る”といわれる山頂展望にあります。空の澄んだ日であれば八ヶ岳や浅間山に谷川岳など上信越の山並みが、条件によっては北アルプスまでも遠望できるそうです。
好天予報だった11月3日、妻と長男を連れてその丸山に登ってきました。ただ、朝6時半に川越の自宅を出発したものの、いろいろあって丸山山頂には11時半の到着となってしまいました。すでに陽が高く期待していたような遠望は利きませんでしたが、いちおうこんな感じという程度でご紹介しておきます(画角は3枚とも35ミリ換算で28mmです)。
●西方
左に大きく見える山容が武甲山、採石の跡が痛々しい。中央正面12時の方向奥のくぼみが雁坂峠、その右に小さく見えるピークが甲武信岳。右のギザギザが両神山。手前に見える町並みが横瀬、奥は秩父市街地。
●北西方
左のギザギザは両神山、中央やや左寄りのピークは二子山、中央右寄り奥に薄く見えるのが浅間山、その手前は妙義山。条件が良ければ、北アルプスがこの方向に点々と見えるそうだ。
●北方
中央正面が上越国境・谷川連峰方面(写っていない)、その左右で広い裾野を広げているのが榛名山と赤城山。赤城山の右には日光白根山、さらに右端に見える3連ピークが左から順に、太郎山、男体山、女峰山と思われる。
【以下、主観ながら重要と考える情報です】
丸山への最寄駅は西武秩父線の芦ヶ久保(標高317m)。駅から歩くと約5kmですが、600m以上もの高低差があります。うち半分くらいは車道歩きでその後は急登続き。体を鍛えるとか積極的に歩く目的でもなければ、マイカー利用が無難かもしれません。ちなみに、途中、標高約550m付近の「木の子茶屋」や標高約870m付近の山頂直下には整備された駐車場がありました。
さらに、8時過ぎに芦ヶ久保駅前を出発し山頂が11時半になった「いろいろ」とは、ズバリ道迷いです。林道、里道、遊歩道が錯綜し、道標は不案内。挙げ句、大事なところに指導標が設置されていません。私たちの前を行く人が同じように迷っていたり、後から来た人の複数から「迷って大変だった」という声を聞きました。獣避けフェンスで進路が阻まれていたり注意すべき箇所がたくさんあります。転倒必至の悪路も多く、初心者向きではないと感じました。
また、紅葉(広葉樹)は山頂部の一部のみで、大半は薄暗い杉木立の中です。駅近くの「あしがくぼ果樹公園村」に立ち寄ったりしないのであれば、わざわざ駅から歩く面白味はほとんどないかもしれません(↓は山頂にて)。
本格的(?)に道迷いする前の倉掛集落あたりから仰ぎ見た武甲山。左端に白い線で見えるのは西武線の電車、場所は芦ヶ久保駅構内です。丸山をクリアしたので、そろそろ武甲山にもチャレンジ(というほど大げさなところでもないけど…)したいと思います。
(第398号)
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コメント
鉄まんアトムさん、こんにちは。
低山歩きのシーズン開始ですね。好天に恵まれて、なかなか素晴らしい展望です。
低山では麓の開発がどんどん進むので、国土地理院の地図(測量時期が古いものが多い)には現在の道路が記載されていないことも多く、登山道も地図と一致しないことが結構あります。主要山岳地域の高い山より、道を探して歩く技術は要求されるかもしれません。
投稿: Suekichi | 2010年11月 4日 (木) 20時22分
Suekichiさん、コメントありがとうございます。
これから寒中の頃あたりまでが奥多摩や奥武蔵のベストシーズンですね。尾瀬通いでは木道歩きばかりだったので、冬枯れ雑木林の落ち葉を踏みしめ歩く感覚は何とも言えません。
おっしゃるとおりで、今回は、そこら中に踏み跡があり作業道も多く道探しには苦労させられました。地図によれば登山道は右に逸れて尾根伝いを直登していくはずなのに、左に逸れ斜面を平行に進んでしまったり。確認を怠って違う道に進んでしまっていたり。その都度引き返したため、だいぶ時間をロスしました。低山といえども、道迷いが遭難に直結する危険を感じました。侮れません。
投稿: 鉄まんアトム | 2010年11月 5日 (金) 10時52分