晩秋の尾瀬をあるく―2(尾瀬ケ原編)
前号で予告したとおり、尾瀬を縦断してきた今回の山行模様を3回に分けてお伝えします。まずは、初日の鳩待峠から東電尾瀬橋までを「尾瀬ヶ原編」としてお送りします。
2010年10月16日(土)午前6時前。鳩待峠は、私がこの1年に訪れた中で最も爽快な表情を見せていました。うっすらした朝靄に、秋らしい雲で控えめな朝焼け。今回は鳩待峠に戻ってこない予定なので、この風景もじっくり見納めてから出発します。
山ノ鼻への登山道の紅葉はピークを過ぎていました。ブナが黄葉することなく茶色くなってしまったようで、どことなく地味な感じです。去年このブログ(第263号)でお伝えしたテンマ沢近くのモミジも、だいぶ葉を落としていました。ぎりぎりセーフといったところでしょうか。
7時15分、山ノ鼻到着。靄が晴れ、一気に日差しが降り注いできました。ビジターセンターの寒暖計は2度を示し、研究見本園に行くと木道に霜がおりて凍っていました。入口近くの池塘だけ見るつもりで、結局半周してしまいました。私はもう、ココ大好き(゚▽゚*)!
予定外の時間を30分も使ってしまいました。少し先に進むことにします。しかし、尾瀬ヶ原に進んで振り返ってみると、溢れんばかりの陽射しを受けた至仏山がそびえています。周辺のダケカンバも黄葉が進んでいます。すぐに足が止まってしまいました。
草原の草もみじに見える縞模様は風になびいているのではなく、湿原の微地形によるもの。色の薄い部分が凸地で「ケルミ」といい、濃い部分が凹地で「シュレンケ」といい、指紋状に並んでいます。どうしてこうなるのかは?謎?だとか。
以前から告白しているとおり、早朝の“ゆるぎ田代”が大好きな私。今日は先が長くてゆっくりはしていられないのに、ここでもしっかり足を捕まれてしまいました。無理もないですよ、この景色ですから。空も気持ちよくて。。。
そうは言っても上ノ大堀川を越えたのが9時を過ぎ、さすがにヤバくなってきました。Suekichiさんと合流する赤田代の当初目標11時はもうムリで、12時到着すら微妙になってきているからです。
なので牛首分岐は休まず通過、下ノ大堀のビューポイント滞在も短めに済ませ竜宮へ。さらに先を急ぎたいところですが、ここまでまともに休んでおらず疲れが出たので開き直りコーヒーブレイク。まあ、なんとかなるでしょっ。
~それにしてもこの眺めでのcoffeeはたまらんヽ(*≧ε≦*)φ!!
竜宮十字路で30分休み、10時45分出発。歩くスピードを上げます! といっても視界正面にはこのようなものが…。燃えるような紅葉に染まる景鶴山(けいづるさん)の裾野、池塘の水は深い青、そして輝く草紅葉。しびれます!!(尾瀬ヶ原中田代、ヨッピ橋近くにて午前11時)
ヨッピ橋を渡ってヨシッ堀田代へと進み東電小屋に近づくと、ススキの一団が目立つようになります。草紅葉の狐色に慣れた目には、とても柔らかく感じます。至仏山もだいぶ小さく見えるようになりました。
でも!ペースが遅れているので東電小屋は素通り。その先の樹林帯は紅葉の美しいところとして有名ですが、もう見頃は過ぎていました。東電尾瀬橋あたりも同じで、ここでは期待していたような紅葉には出会えませんでした。
東電尾瀬橋上から南側を見る。この上流約1kmで向かって左から尾瀬沼が源の沼尻川(ぬしりがわ)、右から尾瀬ヶ原の水を集めるヨッピ川が合流して只見川となる。右岸(写真左側)は福島県、左岸(同右側)は新潟県である。
東電尾瀬橋を渡ったところで午前11時半、なんとか正午過ぎには赤田代に着けそうだ~(=´Д`=)ゞ。安心したら、急におなかも空いてきました。
「晩秋の尾瀬をあるく―3(燧裏林道編)」につづく。
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*本記事で使用した写真は、すべて2010年10月16日にPanasonic LUMIX DMC-LX3で撮影したものです。画像クリックで少しだけ拡大表示されます。
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(第392号)
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