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上田清司埼玉県知事から手紙が届く

 先週、「上田清司埼玉県知事の“罪”」と題する記事を書きました(第378号)。
 ところで、埼玉県の公式HPには「知事の部屋」があって、その一角で「知事への提言」を受け付けています。寄せられた提言は知事がすべて目を通すということなので、9月3日、当該記事をプリントし簡単な文章を添えてFAXにて送付しました(具体的には、第378号のコメント欄に記したとおりです)。
 そうしたところ、9月7日付けで知事本人から手紙が届きました。知事の障害者に対する考え方を読み解くうえで貴重な情報でもありますので、ここに公開することにします。

Img_4590 clip上田知事からの手紙全文 (pdf 81.5K)

 <以下は、筆者によるコメント>
 知事からのお手紙の中で、表現に微妙な差があるものの「保護者の方にご協力をいただかなくてはならないケース」という記述が2回出てきます。県教育委員会や特別支援学校からも同様のフレーズを、すでに何度も聞きました。
 要するに問題は、この「ご協力」の程度だと思います。保護者の就業を不能にし、結果として障害児家族の生活基盤を根底から破壊してしまうような学校待機を行政が強要している実態は、「ご協力」の範疇をはるかに逸脱する違法なものだと思います。

 また、医療的ケアについて「難しい内容」だと「保護者のご協力」が必要だと言いますが、果たしてそうでしょうか。保護者は完全なる素人ですし、ケアの内容が難しければ難しいほど、より手厚くプロによる支援をするのが『特別支援学校』の役割なのではないか、と私は考えます。
 ちなみに、私たち家族が県に求めているケアとは、学校に配置済みの看護師に経鼻経管栄養の鼻腔チューブを入れたり抜いたりしてもらうこと、です。医療従事者たる看護師にとって、けして「難しい内容」のケアではないはずです。

 あとは細かい話ですが、「医療的ケア」が後ろの方で「医療行為」に転化してしまっています。こうして論理を飛躍させ結論を導く手法は、人の話を聞こうとせず、最初から“できない”結論ありきである姿勢の一つの表れです。知事に対しては、以上記載の趣旨で返事を送ろうと思います。
 なお、本記事のコメント欄も併せてお読み頂ければ幸いです。

*関連記事
県のきまり こと 埼玉県立特別支援学校医療的ケア体制整備事業実施要項(第361号)

(第381号)

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コメント

 筆者によるコメントとして本文で指摘した「保護者の方にご協力をいただかなくてはならないケース」という記述には、じつはもう1つ大きな問題点があります。

 知事は、「特別支援学校…で…医療的ケアを必要としているお子さんがいることは承知」しつつ、今回、教育委員会に確認をした結果として、「保護者の方にご協力をいただかなくてはならないケースもあるということです」とそこで学校待機の事実を初めて認識したかのように述べています。
 その知事は、そのあとすぐ、学校側の事情だけを踏まえ、突然「医療行為」を持ち出して「保護者の方のご協力をいただかなければ(なら)ないケースもあるのではないかと思います」と述べてしまうのです。どうしてそう思うのでしょうか。それだけの認識でどうしてそう思えるのでしょうか。じつに短絡かつ無責任で乱暴な発想ではないでしょうか。

 知事は、要するに、一方から聞いた話を全部鵜呑みにして、他方の人生を左右しかねない事柄について積極的な意見を述べているのです。立場が立場だけに、『事実を知らない罪』とは比べものにならぬほどの大罪を犯している、と私は、改めて思う次第です。

投稿: 鉄まんアトム | 2010年9月11日 (土) 11時03分

 2010年9月3日、埼玉県の公式HPの「知事への提言」を通じ、県立の特別支援学校で、親を学校に終日待機させている運用の改善を求める手紙を出しました(→第378号参照)。
 これに対し上田知事は、わずか中3日の7日付けで、障害児の親の特別支援学校での待機について、「保護者の方にご協力をいただかなくてはならないケース」だとする返信を私宛てに送付されました(以上既報)。

 その返信を受け私は9月13日、改めて上田知事宛てに、どうして「保護者の方にご協力をいただかなくてはならないケース」だといえるのか、理由を尋ねる手紙を出しました。しかしながら、本日に至るまで、上田知事からのお返事など一切ありません。
 あす2011年7月14日、埼玉県知事選挙が告示されます(31日投開票)。埼玉県で暮らす障害児の親たちの多くにとっては、将来への展望が持てない新たな4年間の始まりの日となりそうです。

投稿: 鉄まんアトム | 2011年7月13日 (水) 14時55分

本当に酷い話ですね。

私は震災後からですが多くの事を地元市議を始め県議、知事には何度も意見をしました。

ですが定型文の貼り付け文章かと思える同じ語句が乱立する文章が多いのです。

この方は明らかに社会的弱者、非健常者の方々の目線から見ていませんね。ただ選挙に関しては恐ろしく長けているようです。部下は良いのでしょう。

私もこの方の不誠実な、傲慢な態度から支持できません。想いは必ず届きます!今回に限らず。諦めないで!希望を持って。一緒に。

投稿: ifeel | 2011年7月16日 (土) 14時51分

 ifeelさん、はじめまして。
 励ましのお言葉、ありがとうございます。

 知事や教育委員会は、それぞれ行政機関の一つです。行政機関は法律を執行する機関であり、法律で定められたとおりに職務を行わなければならず、また、法律に定められていない行為をすることはできません。
 したがって知事や教育委員会の職務は、日本の国内法(憲法や教育基本法、学校教育法など)はもとより、日本が批准又は署名している国際条約(国際人権規約や子どもの権利条約、障害者権利条約など)を遵守しなければなりません。これは立憲主義に基づく日本という国における基本的な考え方で、埼玉県立の特別支援学校における運営も、かかる考え方に依って立つことが当然に求められています(※cf.教育委員会の独立性)。

 以上のような観点から、埼玉県立の特別支援学校における運営及びその現状は、知事が結論づける「保護者の方にご協力をいただかなくてはならないケース」なのかどうか。

 この問いに対し知事や教育委員会が答えるべきは、学校の現状が「保護者の方にご協力をいただかなくてはならないケース」だということではなく、「保護者の方にご協力をいただかなくてはならないケース」だと結論づける法律上の具体的な根拠なのです。選挙で当選した知事であっても、このルールを無視することはできないはずなのですが……。

投稿: 鉄まんアトム | 2011年7月19日 (火) 23時58分

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