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秋晴れの尾瀬に行く(後編)

――前編からのつづき

 富士見田代でのcoffee breakに区切りをつけ、冨士見小屋(標高1862m)までいったん下ります。時刻はまだ10時前ですが早めの昼食を取り、トイレも済ませます(朝のコーヒーが“大”をもよおしました)。それでは後編も、前編と同様、写真10枚にて鳩待峠までご案内します。

 ヤナギランが咲き残っていた冨士見小屋前。戸倉からの車道が早くに通じ、かつて尾瀬のメインルートとして賑わったそうですが、今は昔。車道は一般車両の通行が禁止され、バスもなく、最短でも3時間を歩かないとココには到達できません。
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 冨士見小屋から尾瀬ヶ原(標高1400m)へは、竜宮に至る長沢新道(4.2km)と、富士見峠(標高1883m)を経て見晴に至る八木沢道(5.7km)があります。今回私は、前者を利用します。山ノ鼻を経由せず尾瀬ヶ原に出るのは、これが初めてとなります。
 その長沢新道、中間地点の長沢頭までが緩やかな下り、その先は急坂となります。途中、木々の合間から尾瀬ヶ原が垣間見えるのですが、山道の終わる気配がせず、じっさいの時間以上に長く感じます。浮石だらけの悪路も多く、降坂に不安のある私にはけっこう難儀な道でした(登るのもかなりキツそうです)。

 それでも長沢を渡れば急坂は終わり、その先で再び木道を歩くと竜宮十字路に到着。富士見田代からは1時間半ほどで下りてきました。この時点では、尾瀬ヶ原の天気もまずまず。今日は久々に青空の写真が撮れそうだ、と気分が高まります。
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竜宮小屋近くから至仏山を望む。眩しいほどの太陽が…

 と思ったのも束の間。わずかな休憩中に、どこからともなく雲が広がってきて、瞬く間に日差しのない尾瀬ヶ原となってしまいました。秋晴れの尾瀬はどこに行ってしまったんだろう、もしかすると私は、“尾瀬雨男”なのかもしれません。

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 竜宮~ヨッピ橋間のヤマドリゼンマイ群落。日差しがない上に色付きも良くないので、手前に赤い実のついた木(ズミ?)を配置し写してみました。去年この場所で、黄や橙に染まったヤマドリゼンマイを見られたのは、かなりの好運事だったのかもしれません(→第254号「ヤマドリゼンマイ燃ゆる初秋尾瀬ヶ原」参照)。※なお、8日後(9/26)のここの風景はこちら(→次号「今年6度目の尾瀬」参照)。

 そんななかで良かったのは、淡い紫色をしたエゾリンドウに出会えたこと(写真左)。咲き終わる頃に濃いピンク色になったのは見かけますが、こんな色あいのは初めて。この感動を燃料に、ひたすら歩きます!
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“尾瀬の花の最終ランナー”エゾリンドウ(一般的な色は写真右)。秋の終わりを告げる花とも言われるが…。※10/1追記 山ノ鼻研究見本園で白い個体をみつけました(写真は、第387号「草紅葉すすむ尾瀬ヶ原を歩く」を参照)。

        *        *        *        *

 牛首を過ぎて、大好きな「ゆるぎ田代」も曇天の中。あ~あぁ~と思いながら歩いていると、雲が流れ急に日差しが降りそそぎ、青い空が見えてきたではありませんか!
  しかし、お気に入りの場所はすでに通り過ぎ、もう帰らねばならぬ時間になって晴れてくるとは……うぅ~ん、尾瀬の神様ぁ!!

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 戸倉への最終バスに乗り遅れぬよう時計と睨めっこしながら、少し戻っては斜光線の差し込む湿原を駆け足で写しました(ゆるぎ田代の山ノ鼻寄りベンチにて15時27分)。

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 山ノ鼻間近、第372号「初秋の気配漂う尾瀬ヶ原にて(前編)」の2枚目の写真で紹介したのと同じ場所にて。尾瀬に秋の訪れを告げたサワギキョウは、葉の紅葉もまた素敵な色合いです(上田代にて15時43分)。

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 見本園を回る時間など残されておらず、数枚だけ撮って休みなしで山ノ鼻をあとにしました。こういうときに限って燧ヶ岳までハッキリ見えています(尾瀬植物研究見本園の池塘にて15時47分)。

        *        *        *        *

 鳩待峠に向かう林内では、いつもそこそこ写真を撮りながら歩くのですが、今日は余裕なし。オクトリカブトの写真もことごとく失敗しました。石段が始まり、ようやく先の見えてきたところで少し余裕が生まれ、色付き始めたばかりのツタウルシが目に留まりました。
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 今年もまた、ツタウルシの燃え上がるような紅葉は見られないのでしょうか。いや、それなら10月にまた来るしかない!? 考え方はあくまで前向きです。

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 結局、鳩待峠に着いたのは、この日の最終バス発車20分前となる16時50分。最後にソフトクリームを食べる余裕があったのは幸いでした。尾瀬ヶ原を離れる直前に日が差したことと合わせれば、終わりよければすべてよし、とはこういうことなのでしょうか。
 歩数計では35232歩の24.9km(地図上では19.1km)とふだんの範疇ながら、高低差があったせいか少々疲れました。珍しく、親指やら膝やらに痛みを感じます。

<おしまい>  ――前編にもどる

*参考文献 猪狩貴史著「尾瀬植物手帳」(JTBパブリッシング)

*本記事で使用した写真は、すべて2010年9月18日にPanasonic LUMIX DMC-LX3で撮影したものです。画像クリックで少しだけ拡大表示されます。

*そのほかの尾瀬関連記事は、カテゴリ「尾瀬」をクリックしてご覧下さい。

(第384号)

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