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ヤマドリゼンマイ黄葉輝く尾瀬ヶ原

 前号「今年6度目の尾瀬」で予告したとおり、秋の装いを増す尾瀬ヶ原風景をお届けします。まずは、9月26日の尾瀬ヶ原におけるヤマドリゼンマイ黄葉のようすを中心に、全10カットの写真でお楽しみください。

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尾瀬ヶ原中田代、牛首分岐と下ノ大堀川の中間にある大きな池塘にて。連なるハイカーたちの姿もまた、絵になる。

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上の写真の右側にあるヤマドリゼンマイ群落をアップにて。黄や橙のグラデーションを帯びた黄葉が朝の日差しに輝く、思わず唸った場面。

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人が居なくなるのをじっと(約30分)待って…。
いわゆる定番スポットだが、定番には定番なりの良さがある(以上3枚は、前号の下の写真と同じ場所)。

 さあ、この先いよいよ“ヤマドリゼンマイロード”に突入します!

 が、その前に、竜宮小屋を通り過ごし沼尻川を渡り、ちょっとだけ福島県にごあいさつ(尾瀬ヶ原下田代にて)。
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 すぐに群馬県側へと引き返し、竜宮十字路を北進しヨッピ橋に向かう。振り返ると、オレンジ色に染まる湿原の向こうに竜宮小屋と燧ヶ岳を望む。茶色くちりちりになってしまった葉も見え、最高潮の黄葉風景には1~2日遅かったか?(尾瀬ヶ原中田代竜宮十字路付近にて)。
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 少し進んで、来た道をまた振り返る。竜宮十字路とヨッピ橋を結ぶこの道は、両側にヤマドリゼンマイの大群落が広がる“ヤマドリゼンマイロード”。この季節、この天気の中、この道を歩ける幸せ(尾瀬ヶ原中田代にて、右から2本目に見える白樺の奥の稜線がアヤメ平)。
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 左向け~左!で至仏が見え…
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 右向け~右!で燧も見える。光を透き通したヤマドリゼンマイの葉は、まるでステンドグラスのよう。この辺りの黄葉は最高潮で、光線具合もバッチリの値千金プライスレス!
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 一つ一つをアップで見てもこのとおりの鮮やかさ。それゆえか佳人薄命である(これ↓と以上2枚、いずれも尾瀬ヶ原中田代、ヨッピ橋近くにて)。
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 大きな池塘が見えてきたら、もうヨッピ橋はすぐそこ。ヤマドリゼンマイ黄葉の大競演もここでいったん中締めとなる。空の色と対比してみると、草紅葉は着実に進んでいるようだ。上空いっぱい広がるかと思った鰯雲は、残念ながらこのあとすぐに消えてしまった。
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 それにしても、いい天気(o^^o) 草もみじもいい感じの色合いで、点在するヤマウルシの紅葉との調和がなんともいえません。

 以上、ヤマドリゼンマイ黄葉の素晴らしさを伝えることはできたでしょうか。それともおなか一杯、もう飽きてしまったでしょうか。次回は、その他秋色の尾瀬ヶ原風景をお届けする予定です。引き続きお楽しみに。

つづく

*本記事で使用した写真は、すべて2010年9月26日にPanasonic LUMIX DMC-LX3で撮影したものです。画像クリックで少しだけ拡大表示されます。

*そのほかの尾瀬関連記事は、カテゴリ「尾瀬」をクリックしてご覧下さい。

(第386号)

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コメント

鉄まんアトムさん、こんにちは。
最高潮を若干過ぎたとはいえ、美しいヤマドリゼンマイの黄葉に晴れ渡った秋の空、写真だけでも癒されます。
実は私も同じ日に、大清水から尾瀬沼東岸を往復してきました。大江湿原で見たヤマドリゼンマイは茶色になったものが多く、今年はハズレ年なのかな、と思っていましたが、そういうわけではなさそうですね。
帰路の一ノ瀬でも青空に羊雲が浮かんでいました。鉄まんアトムさんが見たのと同じヒツジたちかも。
続編、楽しみにしています。

投稿: 末吉 | 2010年9月30日 (木) 09時00分

 末吉さん、こんにちは。
 癒されましたかあ、それはよかった~

 尾瀬沼の方が尾瀬ヶ原より標高が200mも高いので、その分、花などの見頃は先に来ますね。人によって見頃と感じる時期には違いがあります。私は、黄主体で少しだけ橙を帯びたようなヤマドリゼンマイを見たかったので、「見頃は過ぎた」と書きました。橙主体派だったなら、ヨッピ橋周辺はまさに絶頂だったかもしれません。

 同じ日で別な場所の尾瀬詣。そのパターン、今年2回目ですかね。私が戸倉に着いたのはまだ暗い午前5時。その時間にもう歩いていたと聞き驚きました。臆病者の私は、クマーが心配で、暗闇の一人歩きに踏み切れません。

 いいと思った写真は、ほぼ出尽くしました。よって、続編への期待は無用です。

投稿: 鉄まんアトム | 2010年9月30日 (木) 15時32分

 一番下の写真の説明書きで、雲の名を当初「羊雲」と書きました。広辞苑第六版では、「羊雲(ひつじぐも)」「鱗雲(うろこぐも)」「鰯雲(いわしぐも)」「鯖雲(さばぐも)」がすべて同義であるかのように記述されていたからです。

 しかし、調べ直してみると、「羊雲」だけが高積雲(中層雲)で、ほか3者は巻積雲(上層雲)の同義であって『別物』であることがわかりました(日本国語大辞典精選版、大辞林第三版ほか)。なので、本文の記述を鰯雲に修正しました。

 ということで、末吉さん、空にはヒツジではなくイワシが泳いでいたということになります。

投稿: 鉄まんアトム | 2010年9月30日 (木) 17時44分

ヒツジではなくてイワシですか。
そういわれると、鰯が群れて泳いでいるように見えてきますね・・・。
今晩はサンマが食べたくなってしまいました。

投稿: 末吉 | 2010年9月30日 (木) 17時58分

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