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登記情報提供サービスはリアルタイムではない!

 登記情報提供サービスとは、「電気通信回線による登記情報の提供に関する法律」に基づき、登記簿に記録されている全国の登記情報を、インターネットを利用して利用者のパソコン等の画面に表示する有料サービスです。
 私が司法書士になった1994年当時、登記簿を見るには、とにかく管轄の法務局(登記所)に行かねばなりませんでした。そして、「閲覧」といって、紙でできた現物の登記簿を見ながら、メモ用紙に鉛筆で一字一句違えぬよう書き写すのが一般的でした。その作業を事務所に居ながらできてしまうようになったのですから、それはそれは画期的で、いまや無くてはならぬインフラとして事務の効率化や省力化に寄与しています。

 さて、サービスの細かい内容はさておき、提供される登記情報はいつの時点のデータなのか、という関心があります。公式にアナウンスされているのは、請求した時点、すなわちリアルタイムの情報だということになっています。私を含めほとんどの司法書士がその認識で利用しているはずです。

●登記情報提供サービスHPの「よくあるご質問」のQ8Toukijouhou_q8

 ところが、そのリアルタイム性に疑問を投げかける事象に出くわしました。守秘義務の関係で詳細をお示しできませんが、ある不動産に対するオンライン申請で、「申請確定」させたのち、11時19分に申請が受け付けられた旨のコメント情報が到達している案件がありました。
 コメント情報の到達から約3分後、当該申請にかかる不動産の登記情報を誤って請求してしまったところ、通常表示されるはずの「登記中」のエラー画面ではなく、なんと登記情報が表示されてしまったのです。表示された登記情報のヘッダーには、「2010/08/03 11:22 現在の情報です。」と書かれていました。そう、タイムラグの存在です。

 表示される都度465円かかってしまうので何度も試すことはしませんでしたけど、今回表示された情報は、まちがいなく「請求した時点」の情報でなかったことだけは確かです。登記情報提供サービスの情報はリアルタイムではない、ということが実証されてしまったのです。3分差とはいえ、これは大きい! 紙の時代には「当たり前」だったタイムラグは、両者がオンラインでは「あり得ない」「あってはならぬ」事態ではないでしょうか。

 順位確保のため“ギリ”を追求する事案などで『登記情報提供サービス』を過信するのは、禁物のようです。

●登記手続き中の場合には、このような画面が表示されるはずなのだが…Toukijouhou_error

(第371号)

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コメント

このデータベースシステムの提供会社のホームページ上の記載(下記URL)によれば、登記情報提供システムで公開しているのは、法務局が直接使用している「プライマリの業務系システム」のデータではなく、対応する「保全システムのバックアップデータ」とのことです。これにより「ほぼリアルタイムでの情報提供を実現」しているとしていますから、逆にいえば、完全リアルタイムではないことはシステム会社も自認しているようですね。
http://www.oracle.com/lang/jp/customers/profiles/moj_20100721.pdf

投稿: 末吉 | 2010年8月 4日 (水) 16時23分

 末吉さん、コメントありがとうございます。
 それにしても、ものすごいリサーチ能力ですね。いつものことながら感心します。
 ご指摘のとおり「請求した時点」の登記情報でないことがサービスの“仕様”だとすると、Q&Aはウソだということになってしまいます。Q&Aの訂正は当然として、完全リアルタイムではないこと、時差の最大値などもきちんと公表してほしいところですね(それによって使い方が変わってきますので)。

投稿: 鉄まんアトム | 2010年8月 5日 (木) 22時58分

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