ワタスゲそよぐ初夏の尾瀬ヶ原(前編)
1カ月前に行ってきたばかりの尾瀬(第352号参照)に、また出掛けてきました。今回は、友人と2人での尾瀬散策。いつも通りの鳩待峠INOUTで、竜宮を経てヨッピ橋を周回(+ヨシッ堀田代まで往復)する日帰りコースです。
尾瀬には、6月上旬のミズバショウと7月下旬のニッコウキスゲの時期に人波が押し寄せます。その狭間となる7月上旬は、梅雨の最中でもあり人気薄。週末でも目立った混雑はありません。しかし、この時期こそ尾瀬が最も輝く季節。いろいろな花が競うように咲きはじめ、湿原の緑は鮮やかで生命力がみなぎっています。
主役は、純白のワタスゲや真紅のレンゲツツジ。ほかの季節や花にはない色彩で湿原が飾られます。上の写真がその代表例、天気が曇りでも写真が華やぎます(尾瀬ケ原上田代・牛首付近にて)。
トップの写真を撮ったところで振り返ると、こんな感じ。満開のワタスゲが広がっています。満開とはいっても、じつは、ワタスゲの白い綿毛は花ではなく、果穂と呼ばれる実(み)なのです。ワタスゲの花が咲く早春は遅霜の時期と重なり、霜に遭うと実にならないのだそうです。このような群落が見られるのは数年に一度ということで、なんか、すご~く得をした気分になりました。
ところで、ワタスゲの綿は、濡れると“ふわふわ度”が落ちるようです。こちらは、1つ前(上から2番目)の写真とほぼ同じ場所で午後に撮ったものですが、朝見たときより綿が膨らみを増し、全体の白の密度も目に見えて濃くなっています。
なお、第274号「尾瀬大好きの半年を総括」の2枚目の写真は、ここで去年撮ったものです。白さの違いは歴然です。
牛首付近には、ヤマドリゼンマイが群生しているところもあります。ヤマドリゼンマイの緑は、ほかの緑と比べ鮮やかさが際立っています。所々に見えるオレンジはレンゲツツジで、ワタスゲとはもちろん、ヤマドリゼンマイとの相性も抜群です(尾瀬ケ原上田代・上ノ大堀川付近にて)。
この日の折り返し点となったヨシッ堀田代にて。咲いていた花の種類が多く見応えがありました。ここに来るためヨッピ橋とを30分ほど往復したことで、同行した友人を疲れさせてしまったかもしれません。いま思うと、行かない方がよかったかなあと…(この話の続きは後編にて)。
同じくヨシッ堀田代にて。木道から見下ろすヤマドリゼンマイの鮮やかさは見事でした。
後編につづく――
*本記事で使用した写真は、すべて2010年7月3日にPanasonic LUMIX DMC-LX3で撮影したものです。
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(第364号)
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