« 続・約20年ぶりとなる尾瀬沼へ | トップページ | 初めての尾瀬沼周遊 »

白虹たつ尾瀬沼の黎明

 ――前号「続・約20年ぶりとなる尾瀬沼へ」からのつづき

 場所を変えて、尾瀬沼のシンボル“3本カラマツ”のある大江湿原へ。ちょうど朝日が差し込んできたところで、霧が動き出していました。
P1120545
午前5時半頃、大江湿原

 木立の向こうをよく見てみると、霧の濃い部分と薄い部分が。そう、尾瀬特有の白い虹だ! しかも形はしっかり、完全な弧を描いています。広角24mmのLX3をもってしても画面に収まりきらず、肉眼で見るほどには写せませんでしたけど…。白虹は10分ほどで見えなくなってしまいました。P1120556_1
午前5時40分頃、大江湿原

P1120576_1
消えかかりの白虹、角度を変えて見たら、うっすらと色がついていました。

 山小屋の人に聞いたところによると、尾瀬沼での白い虹は年に数回ほどの貴重なシーンだとか。白い虹そのものが初めての私、これまた初めての尾瀬沼畔泊まりで出会えたのは、かなりラッキーなことに違いありません。

 虹も消え、朝日が眩しくなってきたところで、先ほどの長蔵小屋裏手の「定番ポイント」に戻ることに。途中、背中を振り返ると、鮮やかな光芒が見られました。P1120577_1
午前6時頃、尾瀬沼ビジターセンター前

          *          *          *

 定番ポイントにて臨む大江湿原は、早朝垂れ込めていた霧が上がりはじめ、じつにフォトジェニック。ここに立っていると、刻々と景色が変化していく様子が見て取れます。風もないのに霧が動く、いつまでもじっと眺めていたい、神々しさを感じる尾瀬沼大江湿原の黎明です。
 同じ場所で視線を沼の方へと転じてみれば、夏色の燧ヶ岳が見事に倒映。水面はどこまでも続く静けさに包まれているようでした。見たかった風景が期待以上に見られて大満足。どこをどう切り取っても、「作品」が出来上がってしまうほどです。

P1120590_2
大江湿原での黎明クライマックスシーン。この爽やかさはクセになりそうだ。

P1120606_2
倒映する燧ヶ岳。3つのピークは左から順に、赤ナグレ岳2249m、柴安嵓(しばやすぐら)2356m、俎嵓(まないたぐら)2346mで、柴安嵓は東北地方の最高峰である。

P1120610_1
尾瀬沼東岸の桟橋近くから三平下(さんぺいした)方向を臨む。この静けさもクセになりそうだ。

P1120619_1
ミズバショウの撮影地として知られる通称「釜ッ堀」。尾瀬沼随一の夕日ポイントともいわれる。ここに沈んでいく夕陽を、ぜひとも見てみたいと思う。以上4カット、いずれも午前6時頃撮影。

 ハラヘッタと息子が騒がしくなってきたので、2時間にわたっての朝飯前散歩はこれにておしまいです。
 …それにしても尾瀬沼畔での黎明は、とにかく幻想的なシーンの連続で飽きることのないひとときでした。あっという間に時が過ぎ、これから朝食を小屋で食べる寸暇も惜しまれます。山小屋泊の良さを存分に経験してしまったいま、日帰り尾瀬詣だけでは満足できなくなるかも。今後ますます尾瀬の虜になってしまいそうです。

―次号「初めての尾瀬沼周遊」につづく――

*本記事で使用した写真は、すべて2010年7月18日にPanasonic LUMIX DMC-LX3で撮影したものです。

*そのほかの尾瀬関連記事は、カテゴリ「尾瀬」をクリックしてご覧下さい。

(第368号)

|

« 続・約20年ぶりとなる尾瀬沼へ | トップページ | 初めての尾瀬沼周遊 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 白虹たつ尾瀬沼の黎明:

« 続・約20年ぶりとなる尾瀬沼へ | トップページ | 初めての尾瀬沼周遊 »