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上野金沢間を直結する列車が消え去る日

 1年前の今日、「東京駅からブルートレインが消え去る日」と題して、東京と大分・熊本を結ぶ寝台特急「富士・はやぶさ」の廃止が決まったことを書きました(第145号)。今年もまた、同様の記事を書くことになってしまいました。
 JR各社から来年3月13日に実施されるダイヤ改正の内容が正式発表され、同日をもって、上野-金沢間を上越線経由で結ぶ寝台特急「北陸」と夜行急行「能登」の2列車の同時廃止が明らかとなりました。半世紀以上にもわたって走り続けてきた両列車の廃止で、首都圏と北陸を直行する列車がすべて消え去ります。

     どちらの列車も思い入れがあって・・・‥‥…

 学生時代はカネが無くて、ミニ周遊券ならタダで乗れる「能登」(当時は客車で信越線経由)には何度もお世話になりました。社会人になり、高嶺の花だった「北陸」に乗れるようになってからは、個室化の進んだ快適な寝台のお世話にもなりました。
 とくに「能登」には、若かりし頃の思い出がたくさんつまっています。座席の確保のため上野駅の地上ホームに昼から並び、時間つぶしにアメ横でパチンコをした友との旅。夜汽車に乗るときは発車の何時間も前から並んだものですが、ああいう光景はもう、世の中からなくなってしまいました。
 ~ふるさとは遠きにありて思ふもの~ 東京や埼玉で見る金沢からの列車には、ふるさとを思う匂いがあるのです。両列車をなくすのなら、せめて「はくたか」を1往復だけでも上野に乗り入れ、金沢に直通する定期列車の灯だけは維持してほしいものです。

 毎年この時期恒例のJRダイヤ改正発表。ここ最近の傾向は、改正とは名ばかりで、鉄道の魅力や優位性を削る改悪ばかり続いています。夜行や長距離列車の相次ぐ廃止減便はその象徴です。なんか、線路は全国つながっているといっても、最近それが実感できなくなってきているんですよねえ‥‥…。

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身近にあるものほど写真とか記録は残っていないもの。キップを探してみたけれど、ずいぶん前のものしか見つからない。

(第290号)

*追加関連記事 さらば故郷への夜汽車よ(第315号)

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コメント

ついに能登も・・・残念。
能登(信越線経由客車)には学生時代、剣岳や薬師岳への登山で何度か乗りました。午後早くから暑い上野駅のホームに並んだ記憶がなつかしいです。
土合に未明に停車した上越線長岡行普通列車、八ヶ岳や南アルプス登山で新宿駅「アルプス広場」に並んだ中央本線上諏訪行普通列車など、夜行列車がみんな消えてしまうのは、さびしいですね。

投稿: 末吉 | 2009年12月20日 (日) 11時48分

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