尾瀬の山上に広がる楽園を見る
またしても尾瀬に行ってきました。
先月の初秋尾瀬ヶ原風景を見たら、中秋の紅葉に染まる樹林帯も見たくなってしまいました。鳩待峠~山の鼻間の紅葉を見てみたいと思いましたけど、それだと4回とも同じ場所ばかりになってしまうため、今回は未だ行ったことのない「鳩待通り」に足を踏み入れてみることにします。
鳩待通りとは、尾瀬ヶ原の南側の稜線を辿って鳩待峠(標高1592m)と富士見小屋(同1863m)を結ぶ道。途中の主な見所は、横田代の傾斜湿原、“天上の楽園”と称されるアヤメ平、それに神秘的な水をたたえ燧ヶ岳の頂を臨む富士見田代などなど。ずうっと前から一度は行ってみたいと思っていました。この日は秋晴れという天気予報を信じ、山上からの眺望に期待で胸膨らませ鳩待峠から初めて登りの登山道に入りました。
鳩待峠から1時間ほど登り続けると、突如視界が開ける場所に。斜面が湿原になっている横田代(標高1860m)です。横田代の斜面を登る途中で振り返ると至仏山が正面に。天気が良ければその右奥には上越の山並も見えるそうです。ちなみに、これは写真が下手くそで傾いているのではなく、こういう地形なんです。
横田代から30分ほど登り下りするとアヤメ平(標高1969m)です。着いたときは写真のようなガス模様。そのなか待つこと小1時間、願いが通じたのか少しの間だけ、至仏山や燧ヶ岳、それに景鶴山など尾瀬ヶ原の北の山々が姿を現しました。全方位に眺望が開け、まるで湿原が空中に浮かんでいるかのような錯覚を覚えます(震えるほど寒かったですが…)。
アヤメ平からさらに15分ほど進むと、尾瀬ヶ原竜宮へと下る長沢新道の分岐となり、そのすぐ脇に富士見田代という小さな池塘があります(標高1886m)。燧ヶ岳の山頂部が姿を見せ、空や雲が草紅葉に縁取られた穏やかな水面に映ります。ここでも視界が晴れるのを待つことに。期待した好天には恵まれませんでした。
* * *
時間があれば、長沢新道を下り尾瀬ヶ原散策も楽しみたいところですが、山の鼻を経由して鳩待峠までは最低5時間が必要とみました。この時点で正午を回っているため、今日は無理と判断。これまた初めて富士見下(標高1173m)へと下ることにします。
じつは、今回の目的の一つは、“燃え上がるようなツタウルシの紅葉”。これを見るにはどこに行けばいいのかと調べていたところ、最新の09年版『るるぶ情報版・尾瀬』には、このルートの途中の田代原(たしろっぱら)について「秋には、燃え上がるようなツタウルシの紅葉に見とれながら…歩いていく…」と書いてありました(p34)。「とくに紅葉の秋はおすすめだ」というので、それを信じてこのコースを選びました。
しかし、“燃え上がる”どころかツタウルシ自体ほとんどなく、結局、まともに見つけられないまま7km先の富士見下に着いてしまいました。『るるぶ』にはすっかり裏切られました。残念至極。
ちなみに、富士見小屋~富士見下は開けた林道コース。木々を見上げるようにしか撮影できないため、写真を撮る目的で選んではいけないコースだということを学習しました。…仕方ない、じゃあ5回目やって再挑戦することにしますか(って、もう無理!)。
田代原の「見とれてしまう」ほどの紅葉に免じて、これでヨシとしましょう。
*写真は、すべて2009年10月4日にLUMIX DMC-LX3で撮影
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(第260号)
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コメント
先ほど(5日23時半頃),写真と文章を末尾に1つずつ追加しました。
(燃え上がるようなツタウルシがなかっただけで,富士見ルートの紅葉そのものはとてもキレイでしたので)
投稿: 鉄まんアトム | 2009年10月 5日 (月) 23時40分