去りゆく尾瀬の秋風景(後編)
前回の尾瀬散策(10月4日)で心残りとなっていた樹林帯の紅葉。今回は、もう何度目になろうとも、いつもの鳩待峠~山の鼻を歩くことに決めていました。黄色を基調にしたブナ林の色づきは、どこで立ち止まっても写材に事欠きません。
前編でお伝えしたとおり、行きの足下はつるんつるんで写真どころではありません。それでも、朝の斜光に輝く黄葉を見ると思わず足が止まります。ちなみに、こうして止まっていても滑るような状態でした。
竜宮十字路から富士見峠に向かう長沢新道。足を踏み入れたことのないこの道を、樹林帯まで10分ほど歩いてみました。6日前に時間切れで歩けなかった道です。行き交う人もまばらの山道。静けさや寂しげなようすは伝わるでしょうか。
尾瀬ヶ原に別れを告げ、山の鼻を離れ鳩待峠に向かいます。黄色く染まるブナ林の中で、ひときわ目を引くのがモミジの赤。赤というよりは朱ですけど、その微妙な色合いゆえに雨の中で柔らかなる精彩を放っていました。
秋の樹林帯で見かけるのがキノコたち。キノコのことはよくわかりませんが、見て写真を撮るのは好きです。でも、落ち葉に埋もれていたりして、なかなか見つかりません。ようやく見つけられたのがこの2つです(上下)。
こちらは、よく見ると蚊のような虫がくっついています。取り除いてしまおうかと思いましたが、やめました。自然には手を加えない。これは尾瀬でのお約束だからです(上がナメコ?、下がヌメリスギタケ?)。
テンマ沢を過ぎると、残りは鳩待峠に登る最後の坂道。さんざん歩いた後の急な登り坂でいつも息を切らすのは、これでまた尾瀬ともお別れだという後ろ髪引かれる思いあるからに違いありません。でも、なぜか、今回は休まず軽い足取りで登り切りました。夕方の鳩待峠に吹くのは木枯らしの風。尾瀬の長い冬は、もうすぐそこまで来ています。
*写真は、すべて2009年10月10日にLUMIX DMC-LX3で撮影
※こちらを先にご覧になった方は、ぜひ前編(湿原編)もお楽しみ下さい。
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(第263号)
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