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尾瀬を吹き渡る千の風

 池塘に咲くヒツジグサを見るため一人尾瀬に行き、当ブログでその写真ばかりを紹介しました(第248号「続々・はるかな尾瀬」参照)。でも、尾瀬の池塘に必ずヒツジグサがあるとは限りません。この写真のようにヒツジグサのない池塘もあるのです。
 尾瀬の池塘、穏やかな天気の日には、水面が鏡のように空や雲を映し、至仏山や燧ヶ岳の倒映も見られます。一方で雨が降ればそこには無数の波紋が描かれ、風が吹けば目には見えないはずの風が姿を現します。空気でさえも役者のひとり。同じ場所であっても、同じ風景には二度と出会えぬ一期一会をつくりだします。

 この日は風の日。燧を下り尾瀬ヶ原を吹き抜けるすずかぜは、全身をここちよく通り越していきます。足を休めリュックを降ろせば背中はすぐに乾き切ります。来た道を振り返ると、清冽な池塘をそよぐたくさんの風が広がっていました。

 さざなみをたて吹き渡っていた尾瀬の風、あなたの処へも届くでしょうか?

P1080320
上ノ大堀川近くの大きな池塘と燧ヶ岳(2356m) 2009年8月14日
Panasonic LUMIX DMC-LX3,絞り優先AE,1/200,F6.3,ISO80,-0.33補正,24mm

*そのほかの尾瀬関連記事は、カテゴリ「尾瀬」をクリックしてご覧下さい。

(第250号)

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