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2009年8月の3件の記事

尾瀬を吹き渡る千の風

 池塘に咲くヒツジグサを見るため一人尾瀬に行き、当ブログでその写真ばかりを紹介しました(第248号「続々・はるかな尾瀬」参照)。でも、尾瀬の池塘に必ずヒツジグサがあるとは限りません。この写真のようにヒツジグサのない池塘もあるのです。
 尾瀬の池塘、穏やかな天気の日には、水面が鏡のように空や雲を映し、至仏山や燧ヶ岳の倒映も見られます。一方で雨が降ればそこには無数の波紋が描かれ、風が吹けば目には見えないはずの風が姿を現します。空気でさえも役者のひとり。同じ場所であっても、同じ風景には二度と出会えぬ一期一会をつくりだします。

 この日は風の日。燧を下り尾瀬ヶ原を吹き抜けるすずかぜは、全身をここちよく通り越していきます。足を休めリュックを降ろせば背中はすぐに乾き切ります。来た道を振り返ると、清冽な池塘をそよぐたくさんの風が広がっていました。

 さざなみをたて吹き渡っていた尾瀬の風、あなたの処へも届くでしょうか?

P1080320
上ノ大堀川近くの大きな池塘と燧ヶ岳(2356m) 2009年8月14日
Panasonic LUMIX DMC-LX3,絞り優先AE,1/200,F6.3,ISO80,-0.33補正,24mm

*そのほかの尾瀬関連記事は、カテゴリ「尾瀬」をクリックしてご覧下さい。

(第250号)

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総延長57km

P1080305  総延長約57km。これは尾瀬にある木道の長さです。
 尾瀬の道は、ほぼ全域にわたって木道が整備され、木道以外の場所に足を踏み入れることは厳禁です。カメラの三脚もアウトです。この木道、1950年代から整備が始められたのですが、当初は、湿原のぬかるみから人間を守るためのものでした。
 いまではその発想が逆転し、人間から湿原を守るものへと変化しています。私たちに快適な尾瀬散策をもたらす木道は、一方で貴重な湿原を守るうえで欠かせないものなのです。
 尾瀬ヶ原の湿原堆積は、1年で1mmといわれています。たった1歩の踏みつけが、何十年もの自然の営みを一瞬にして破壊してしまうわけです。木道の整備される前に登山者が踏みつけ荒廃してしまったアヤメ平では、1966年から湿原の復元作業が続いています。しかし、40年以上経った現在でも、元の姿には遠く及ばないようです。尾瀬の自然保護は、自然破壊の歴史と裏表なのです。

 ところで、この尾瀬の木道。1mあたりの設置費用は複線で約12万円もかかります(木道1本の長さは通常4m)。7~10年で寿命となるため、定期的かつ計画的な補修交換も必要になります。湿原と同様、P1080243こうして維持されている木道にも、優しさと労りと感謝の気持ちで接したいものです。
 ちなみに最近では、木道の1本1本に設置管理者と設置年が分かるよう焼印がされています。歩きながらこれに注目しすぎると転倒や転落の恐れ大ですのでほどほどに。

(第249号)

*追加関連記事 尾瀬大好きの半年を総括(第274号)

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続々・はるかな尾瀬

P1080334

 7月に家族で行った尾瀬ハイクの写真を眺め、ヒツジグサの花が見られず残念だったとボヤきました。すると妻が「見に行ってくればぁ」と一言。そう簡単に言うなよといいながら、1日だけ夏休みを取って1人で出かけてきました。

 池塘(ちとう)の水面に浮かぶヒツジグサ。おもしろい形をした葉の向きは勝手気まま、それでいて花はとても端正なつくり、黄泉を想わす神秘さがあります。私は、この水草が大好き。尾瀬の景観になくてはならない存在です。
 未の刻(午後2時頃)に咲くのでヒツジグサというものの、じっさいは、午前11時頃に花びらを開き、午後4時頃には閉じ始めてしまいます。だから、朝と昼で池塘のようすは一変。満開時は、夜空に散らばる星のようでもあります(写真上)。

 8月中旬の尾瀬。ヒツジグサの葉は、鮮やかな万緑の時季を過ぎ色づき始めていました。朝夕はひんやりとして秋の気配が感じられます。
 午後、山の鼻への戻り道、木道の両脇に見える池塘は、埋め尽くすヒツジグサが鏡のように光って見えました。行き交う人もまばらになった木道に腰掛け心ゆくまで堪能、午後3時を過ぎ下山しました。日帰り10時間の尾瀬ハイク、歩数計の表示は36,097でした。

P1080420_1
葉に付いた2つの気泡で、カエルが隠れ覗いているよう見えるのは私だけでしょうか?(上田代の池塘にて)

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