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小沢辞任に見るマスメディアの危うさ

 民主党の小沢代表が辞任を表明しました。
 私は、民主党や小沢一郎を支持する立場ではありませんが、今回の件でのマスメディアの対応には問題アリ、と思っています。
 テレビや新聞は、前日まで、ネタ切れの穴埋めをするかのごとく「辞任すべき」「国民は納得していない」などとさもありげに語っておきながら、辞任表明するや、「なぜ今」「説明責任を果たしていない」と言い出しました。呆れたのは、街頭インタビューで「辞めない方がよかった」という声を集め、それをキャスターが生でテレビ出演している民主党の議員に「こういう街の声もありますが、どうですか?」とぶつけていました。なにをかいわんや、メディアの恐ろしさを見せつけられた思いです。

 マスコミが盛んに繰り返してきた説明責任について言えば、小沢本人の口からすでに“濡れ衣”であるという話が幾度となく出ています。なのに、「説明責任が果たされていない」と。疑惑自体を根本から否定しているのに、それ以上の何をどうやって説明すれば「分かり易い」というのでしょうか。
 裁判を受ける権利や黙秘をする権利は誰にでも認められています。小沢一郎は、本日現在のところ、それらの権利を直接に保障されている刑事被告人でさえないし、被疑者でもないし、その重要参考人にもなっていない。いまは、検察、すなわち国家権力と野党第一党の党首の見解が鋭く対立し、しかもその野党が政権を取るかもしれない選挙が間近に控えている状況にあるのです。メディアは、もっと慎重に、もっと抑制的に報道にあたるべきではないでしょうか。感情に訴えるだけの場当たり的な報道には、いい加減うんざりです。

 小沢一郎に金権政治の臭いを感じ取り、根拠を挙げて批判することはけっこう。
 しかし、政治倫理と刑事事件の問題を混同してはいけないと思います。最近のメディアを見ていると、何でもいいからとりあえず誰かを「悪」に仕立てて、それに対し、冷静で論理的な批判ではなく、都合のいいように“世論”を利用し感情や気分で襲いかかっているように見受けます。
 今回の件で小沢一郎がどんなに怪しいとしても、いまは本人が真っ向から否定し、裁判所の事実認定があるわけでもない。そういうときに、メディアが居酒屋談義と同等レベル以下の報道をしていいわけがありません。そういう弁えすらないメディアが、小沢一郎はもちろん、政治家に責任云々迫る資格などないように思います。いま責任が問われているとすれば、まずは、その本質を完全に見失っているマスメディア自身です。

(第213号)

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コメント

 お久しぶりにコメントをさせていただきます。おげんきですか?
 民主党の小沢党首辞任には、私もびっくりしました。以前にお会いしたこともあり、何とも笑顔が素敵なことを覚えております。政策については、賛成しかねる所も多々あれども、今回の報道については、全く、同意見であります。テレビの前で、なんと言う質問だ?と憤慨いたしました。失礼極まりないものでした。
 これからの日本はどうなってしまうのだろうと、本当に心配です。うぐいす経験25年の私ですが、政治家の皆さんは本当に日本をどの道に導くのか、真剣に考えてほしいと思います。そして結果を出してほしいものです。
 ちょっとまじめな話でした。

【※管理者より補注】
 上記コメントは,13日19時56分に別の記事に対してつけられました。
 コメントの内容に照らしてみて,私の判断で本記事のコメントに付け替えましたので補足しておきます。ご了承下さいませ。

投稿: K.O | 2009年5月13日 (水) 22時49分

 K.Oさん,コメントありがとうございます。また,拙稿に共感いただきうれしく思います。

 政治家のみなさんが日本をどの道に導くのか。その政治家を選ぶのは,ほかでもない私たち国民です。結局は,国民ひとりひとりの責任と自覚と見識に左右される問題です。

 『いつか来た道』だけは絶対にゴメンです。その道へと進みたい人の道連れにもなりたくありません。
 そのために,どうしても譲れない一線は,現行の日本国憲法で保障されている国民の自由及び権利のレベルです。これらを微塵といえども後退させるような改正を阻止することです。
 とりわけ,平和のうちに生存する権利(平和的生存権)を具現化するための憲法9条2項は,どんなことがあってもあるがままに子へ孫へ受け渡していかなければならない,と私は考えています。
 以上,私もちょっとまじめな話でした(記事の本題から脱線しました。スミマセン)。

投稿: 鉄まんアトム | 2009年5月13日 (水) 23時48分

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