雨に煙る川越水田風景
晴れた空の下に広がる水田風景は気持ちのいいものです。田植えの頃は、田んぼが水鏡になり瑞々しさいっぱいに輝きます。一方、雨が降るとその風景は一変。雨粒による無数の波紋が水鏡をかき消し、陰鬱な表情に支配されてしまいます。きょうの川越は、そんな一日でした。
東武東上線川越市-霞ケ関間(川越市大字小ヶ谷) 2009年5月24日撮影
しかし、写真が写し出すくすんだ表情とは異なり、その場所に立っていると不思議と気持ちが落ち着いてきます。水田の表面や草の上に落ちる雨音、そしてどこからとなく聞こえてくる蛙の鳴き声。これらは、癒しの音楽なのかもしれません。時おり通り過ぎる列車がレールを刻む音も加わり、私の心を安らげてくれました。私の写真では、そんな音たちを伝えられないのが残念です。
(第219号)
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