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配達記録郵便の廃止

 2月いっぱいで「配達記録」郵便が廃止になりました。
 変わって3月から、「特定記録」郵便が導入されるとともに、「簡易書留」郵便が値下げされました。しかし、「簡易書留」ヘビーユーザー以外の利用者にとって、今回の改定はまったくメリットがありません。

 まず、「配達記録」郵便とは、ふつうの郵便(封書なら80円から)にプラス210円することで、郵便物の引受け及び配達の記録をしてくれる郵便です。紛失等の事故があった場合でも補償はありません。ただ、配達の際は必ず手渡しで受取人の受領印が必要なので、補償の必要まではないけど、簡単な文書などを確実に相手方に送り届けたい場合などに重宝していました。
 つづいて、「簡易書留」郵便とは、+350円で、郵便物の引受け及び配達の記録をしてくれるとともに、紛失等があった場合には5万円を限度に実損額を補償してもらえます。今回、これが+300円となり、50円値下げされました。
 ちなみに、簡易ではない「書留」郵便は、+420円で引受けから配達までの送達過程をもすべて記録し、事故の場合は10万円まで補償してもらえます。要償損害額を増やしたければ、5万円刻みで+20円ずつを払うことで、最高500万円までの実損害額を補償してもらえることになっています(注:現金の場合は「現金書留」で、+420円はいっしょですが、原則1万円までの補償、1万円超の場合5千円刻みで10円ずつ加算、補償上限は50万円までです)。
 一方、今回新たに導入された「特定記録」郵便は、+160円で引受けだけを記録してくれるもので、配達は、ふつうの郵便物と同様ポストに投函されるものです。もちろん、紛失等の補償などありません。日本郵便のホームページによれば、「郵便物等を差し出した記録を残したいときにおすすめ」だそうです。

 ところで、郵便物というものは、先方様に届いてこそ意味があります。差し出す側としては、その郵便が相手に届いたかどうかを確認したいからこそ、追加料金を支払ってでも「配達記録」や「簡易書留」を利用する意義があるのです。
 ビジネスに限らず一般的な社会常識として、郵便物の発送をめぐる行き違いが生じた場合、普通郵便で出して相手が受け取っていないと言われれば、基本的にそれは出した方の落ち度です。間違いなく送ったと言い張っても、意味はありません。「確かにこうやって差し出した」という証拠を示しても、受け取ったという証拠がない以上、「こっちは証拠があるんだから着いているはずだ」なんて口が裂けても言えません。送っても届かない郵便は実際にありますし、知らない人の郵便物がポストに入っていることもよくあります。結局、「特定記録」なんか使えない、ということです。
 要するに、いままで「配達記録」で済んでいたものは、今後すべて「簡易書留」以上にしなければなりません。ですから、210円→300円への事実上90円の値上げということです。郵便局の窓口に持参して“受領証”をもらうだけの「特定記録」に+160円なんて、ぼったくり以外のなにものでもありません。ヤマト運輸の「クロネコメール便」で十分です。
 遠方の役所から戸籍謄本や住民票等の証明書を取り寄せる場合、手数料は「定額小為替証書」を利用して決済しているのが一般的です。郵政民営化でこの証書の発行手数料が10円から100円へ一気に10倍の値上がりをしました。50円の証書を買うのに100円払うアホらしさです。今回の実質値上げもそうですが、郵政民営化に伴うサービス低下のツケは全部国民にまわっていきます。

 なお余談ですが、司法書士は、各種契約書から権利証、それに高額な収入印紙を郵送でやりとりすることが多いと思います。なので、郵便や宅配便に関する知識はそれなりに持っておくべきです。
 以前に驚いたのは、何十万もの収入印紙が貼られた書類を「エクスパック」で送ってきた人がいました。「エクスパック」とは、全国一律500円の定形封筒で「小包」が送れるサービスです。しかし、これには、事故があった場合の補償がありません。紛失した場合に数千円以上要するものを送るなら、せめて「ゆうパック」というふつうの「小包」を利用するべきです。普通小包の損害賠償額は30万円以内の実損額で、それを上回る場合には書留扱いとすることも可能です。
 ただし、「小包」や「クロネコメール便」では、『信書』を送ることができません。…そうは言っても、じゃあ何が信書で、これが信書だからどうのこうのと、正直もういい加減、どうでもいいような気がするのは私だけでしょうか。

 とにかくみなさん、モノを送る際は中身を勘案し、よく考えて最適な方法で送りましょう。

(第174号)

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