会則改正問題のその後
当ブログ2008年5月25日付け「埼玉司法書士会第41回定時総会」(第73号)でお伝えした埼玉司法書士会(以下、「埼玉会」といいます)の会則改正が、まだ宙に浮いた状態で止まっています。
司法書士会の会則改正は、司法書士法54条に基づき、法務大臣の認可を受けなければなりません(同条1項)。そして、法務大臣は、日本司法書士会連合会(以下、「日司連」といいます)の意見を聞いて、認可し、又は認可しない旨の処分をしなければならないこととされています(同条2項)。
通常では、総会議事録等の準備が整い次第、管轄する法務局を経由して法務大臣に認可申請をします。すると、法務省から日司連に意見聴取がなされ、日司連は速やかに意見を返答し、法務大臣の行政処分が下される段取りです。この間、おおよそ2~3カ月で結論が出ます。
しかし、埼玉会での今回の会則改正は、8カ月以上経ったいまも認可(又は不認可)がなされていない状況です。昨年11月7日の時点で、すでに法務省から日司連に対し意見を求めていたことが確認されていますので、日司連は3カ月以上も放置していることになります。これは異常事態です。
この間の細かい経緯については、つい先日、埼玉会会長から同会会員宛てに「会則変更認可についての経過報告」と題する文書(平成21年2月16日付け埼司総発第174号)で明らかにされました。踏み込んだ内容になっていますので、ぜひともお読み頂きたいと思います。
さて、その文書で明らかにされた事実によれば、日司連はすでに意見を起案済みで、そこでは、「日司連の基準案(*)に関しては」「法務省と日司連で度重なる協議を行い、司法書士制度のあるべき姿、特に行政改革・規制改革の流れの中で、国民と国家制度の間に位置する専門家として求められる予防司法的な役割の拡大という状況認識を前提に、法務省から示された数々の教示及び信頼関係を基に策定されたもの」で、日司連基準案(*)で示した「レベル以下の内容による会則改正は」「了解することはできない」と述べられています。
そして、日司連は、2月に開催される理事会で、日司連基準(*)とは異なる会則改正をした4会(石川・鹿児島・札幌・埼玉)のうち、埼玉会だけは認可不相当という意見を法務大臣に具申する旨決議する予定だというのです。ちなみに、前記4会のほか、さらに8会は会則改正自体していません。
一般に、ある団体が、所管行政庁の最高責任者に対し、「認可という行政処分はすべきでない」という意見を出すならば、それは当然、「そのような行政処分がもしなされれば、それは違法又は不当な処分だと考える」という意見表明であることを意味します。
なので、日司連が、法務大臣に対し、「埼玉会の会則改正は認可すべきでない」という意見を出すということは、「埼玉会の改正会則が違法又は不当である」という事実が前提にないとできないことなのです。
そこには、日司連が埼玉会の会則改正を認可不相当にすべき理由としてあげた、司法書士制度のあるべき姿や、行政改革や、規制改革や、法的根拠のない法務省から示された数々の教示や、法務省と日司連との信頼関係などは、どれもまったく関係しないことだと私は思います。
じつは、先に述べた2月に開催される理事会というのが、昨日と今日、東京四谷で開催されています。そこで、日司連としての結論が正式に示される見込みです。
(*) 日司連「依頼者等の本人確認等に関する規程基準」
(第170号)
●追加関連記事
【速報】日司連が出した結論は“認可不相当”(第176号)
【速報】法務大臣が出した結論は“認可します”(第184号)
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コメント
本記事で取り上げた理事会の模様を、生々しく伝えてくれているブログがありますのでご紹介しておきます。
司法書士日記“走って遊んで仕事して” 「日司連理事会傍聴記」
http://ryoman.cocolog-nifty.com/blog/2009/03/post-fe3c.html
投稿: 鉄まんアトム | 2009年3月 4日 (水) 18時36分
本記事に関しては、2009年2月27日付けの週刊法律新聞第1798号で、「埼玉会の再改正会則『認可』棚ざらし状態」という見出しで取り上げられていました。
同紙の記事によれば、
「埼玉会では、平成19年11月の臨総で、日司連モデル案に沿った会則見直しを決議。昨年2月に法相認可を得た。しかし、この決議をめぐり、会員有志が会則に基づき総会を招集し、賛成多数で11月の議決は無効であるとしたが、埼玉会執行部は事実上無視したことから、会内は混乱。昨年5月の定総には、正副会長の解任議案も出されたが、同時に会員有志らが会則の再改正案を提出し、それが賛成多数で通ったことから解任議案議決が回避され、混乱は一応の収拾をみた」
と、背景事情についても簡潔に伝えていたことをご紹介しておきます。
投稿: 鉄まんアトム | 2009年3月 5日 (木) 20時48分