能登線追憶(2)
のと鉄道能登線波並-藤波間 撮影2004年11月21日Canon IXY DIGITAL400
能登線がもっとも海に近づく鵜川-藤波間。矢波、波並、藤波と「波」のつく名の駅が3駅連続する能登線のハイライトです。
地図では内浦(七尾湾)に沿って線路が敷かれているように見える能登線ですが、番号が、いろはにほへと……と続く49のトンネルに象徴されるよう大半は山あいを走り、海を臨む区間はそう多くありません。波並駅を発車した下り列車はグイグイと坂道を登り、海を眼下に見晴らす高台へと上がっていきます。
この日は朝から雨で、宇出津駅に車を停めて、一日中、能登線の列車に乗っていました。夕方になって雨は上がり、雲の切れ間からのぞく夕日を背に宇出津駅に向かう汽車の中でシャッターを押したのがこのカット。細波立つ広い海と控えめに光る二条のレールが写り、印象深い写真に仕上がりました。
画質はけしてよくありませんが、私にとっては、いろいろ思い巡る大切な1枚です。
*参考
私が大切にしている湯浅啓写真集「能登線日和」(2005年、能登印刷出版部)の18pにも、ほぼ同画角の写真が「道行」の画題にて掲載されています。撮影場所を「波並-矢波間」とされていますが、この場所は上記のとおり波並-藤波間で、私の記述に間違いはありません。
(第154号)
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