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叡智と努力の象徴0系、去る

Shinkansen
 きょう11月30日,岡山発博多行き「こだま659号」の博多到着をもって,初代新幹線0系を使用した定期列車がなくなります。「日本国民の叡智と努力によって完成された」鉄道の象徴として,44年間の有終です。
 新幹線0系車両は,1964年から86年までの23年間にわたり,延べ3216両も製造されました。東海道新幹線では,99年9月18日を最期に完全に姿を消していましたが,山陽新幹線では,その後も18両(6両3編成)が最後の活躍を続けていました。その定期運用も今日で最後。来月の3日間,「ひかり」号として臨時のさよなら運転をしたのちに,すべて廃車されることが決まっています。

 それにしても,完成されたモノはどこまでも美しい。

 夢多き時代の「夢の超特急」。いい時代のいいものが,また一つ,私たちの日常から去りゆきます。良いモノだから長く使えたのか,長く使えたから良いモノだったのか。一つのモノを長く使い続ける時代は,もう来ないのでしょうか。どの時代も同じ時間が流れているはずなのに,年々その密度は濃くなっていくばかり。そう感じるのは,モノが使い捨てられていく時間の短さと無関係ではないような気がします。

 東海道新幹線の東京駅19番線の下に,ひっそりと掲げられている「この鉄道は日本国民の叡智と努力によって完成された」という銘板。この誇り高き文章は,名車0系にこそふさわしい一文です。

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(第134号)

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