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反貧困全国キャラバン2008

 「人間らしい生活と,労働の保障を求めて,つながろう!」をテーマに反貧困を訴える全国キャラバン東ルートの出発集会が,本日,さいたま市浦和区で開催されました。
 集会では,わが国において急速に拡大している格差や貧困について,非正規雇用の搾取に苦しむ現場からF1010082の切実な生の声や,様々な専門家たちの取り組みなどが報告されました。笹森清氏(中央労福協会長・連合 元会長)の基調講演,湯浅誠氏(NPO法人自立生活サポートセンターもやい事務局長),藤田孝典氏(NPO法人ほっとぽっと代表理事)及び河添誠氏(首都圏青年ユニオン書記長)らによるパネルディスカッション,宇都宮健児弁護士による運動提言などののち集会宣言を採択し,JR浦和駅前から埼玉県庁前までをデモ行進しました。
 キャラバン東ルートの出発地となった埼玉県では,三郷市が,病気で働けなくなった一家の行った生活保護申請を1年半にわたり約10回も拒否し続け,弁護士の同行によって保護開始が実現するも,2カ月後には市外への転居を迫られて保護を打ち切ってしまうという事件(いわゆる水際作戦&硫黄島作戦)があり,現在,さいたま地裁に国家賠償請求事件として係属中です。

 全国的にこのような状況が蔓延しているなかで国は,最低生活費の目安である生活保護基準(ナショナル・ミニマム)を切り下げようとしています。すでに老齢加算・母子加算が削減・廃止されました。さらに生活保護基準が切り下げられると,これに連動している地方税の非課税基準,就学援助や国民健康保険料・介護保険料の減免基準など国民全体の生存権保障の水準が切り下げられることとなり,私たちの生活はよりいっそう底の抜けた状態になってしまいます(反貧困全国キャラバン2008のビラより一部引用)。
 これは,いま生活保護を受け,あるいは受けなければならない状況に置かれている「貧困層」だけの問題ではなく,いつか自分たちも働けなくなった場合に受けなければならない私たち自身の制度の問題です。生活保護制度は,誰にも起こりえる万が一のとき,生きていくための最後のセーフティネットなのです。
 ワーキングプアという言葉に象徴される,いくら働いても生活していけない雇用形態というものも,どう考えてもおかしいことです。しかしいまの日本は,働く人の3人に1人以上,その数1890万人がパートや派遣といった非正規雇用で,その多くは低賃金に苦しめられています(非正規雇用者の9割以上が年収200万円以下,正規雇用者ですら3割以上は年収300万円以下です)。
 働いていても生活ができない人や働くことができない人が最後の拠り所として生活保護を求めるのは当然の権利です。ただそうは言ったところで,それを求めると違法に追い返され,運良く保護を受けられても今度は追い出される実態。穴だらけでボロボロになったお粗末な福祉制度ゆえ,働くことができなくなれば,それが死に直結している現実があります。1年間に3万人以上が自ら死を選ぶのが”ふつう”になっている”経済大国”。自ら死を選ばなければ,「オニギリ食いたーい」と思いながら,そんなことすら叶わず餓死することを余儀なくされているのは特別な一例ではありません。もはや「健康で文化的な最低限度の生活」が当たり前のようにできる社会ではないのです。しかも,国がそれを是正する方向ではなく,拡大する方向での政策を積極的に推進しています。これは明らかに政策の誤りです。政策の誤りを質すのは政治家の役目ですが,その政治家を選ぶのは私たち国民です。
 みんな,いつまでガマンしますか。…先日の養護学校のことといい,今日はまた,いろいろと考えさせられた一日でした。

 全国キャラバンの西ルートは,1日早い12日,北九州市を出発しました。生活保護の申請を福祉事務所が違法に受け付けず,追い返された市民が餓死する事件が3年連続で発生した場所です。その福岡とここ埼玉から2台のキャラバンカーが列島をそれぞれ半周し,10月19日に東京・明治公園にゴールする予定です。キャラバンカーが無事に全国を走り抜け,貧困に抗するネットワークが力強く広がっていくことを願っています。

(第82号)

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