« 2008年3月 | トップページ | 2008年5月 »

2008年4月の5件の記事

「最長片道切符の旅」取材ノート

 今日4月22日、「『最長片道切符の旅』取材ノート」が新潮社から刊行されました。
 同時に、”宮脇俊三と旅する”と題する特集を組んだ「小説新潮」5月号も発売されました。

  自由は、あり過ぎると扱いに困る。

 この書き出しで始まる「最長片道切符の旅」は、宮脇が27年間勤めた中央公論社を退社した直後の1978年10月13日から計34日間、広尾駅(北海道広尾線、廃線廃駅)から枕崎駅(鹿児島県指宿枕崎線)まで、同じ駅を二度通らないで可能な限り長くする片道切符(いわゆる”ひと筆書き”)での旅を綴ったノンフィクション作品です(新潮社、1979年)。
 その旅の距離、1万3319.4キロ。当時の国鉄全旅客営業キロ(21011.7km)の3分の2、それは地球の直径に及ぶものです。デビュー作「時刻表2万キロ」と並んで、宮脇を代表する作品の一つでもあります。080422
 「メモを見て思い出すようなことは書くに値しない」と語っていた宮脇でしたが、2003年の没後、自宅書斎からメモ帳100冊が見つかり、うち「最長片道切符の旅」の”取材ノート”が11冊も含まれていたことが明らかになりました。
 それを完全収録したのが、きょう発刊された「『最長片道切符の旅』取材ノート」です。29年を経て、名作「最長片道切符の旅」のネタ帳が公開されたわけです。宮脇ファンとしては久々に、宮脇の”新作”が読める、もちろん発売当日に買い求めました。

 宮脇の魅力は、鉄道を中心とした紀行作品というだけでなく、正確無比なる客観的事実の描写、徹底した推敲によって紡がれた文章にあります。初期の作品にはその傾向が顕著で、文学的にも高く評価されています。
 また、いまは廃止された路線や航路が舞台になっているものも数多く、史料としての歴史的価値を併せ持つものです。その「最長片道切符の旅」も今日、同時に復刊されました。新潮社も商売が上手ですね。(写真中央。ちなみに、これは私が持っている初版本です)

 ”取材ノート”に収録されている「最長片道切符の旅」の出発地に向かう前日(10月12日)の日記の一部。
   札幌ジンギスカン飲み放題 2、000-
   退職金を高いとは思わない。国鉄運賃を高いとは思わない。私は高いとは
  思わない人間だ。(少々ノンデル)
   女房は1/3で不動産にした。1/3は新会社用。残りの1/3は減りつつある。
 
給与所得者から自営業者へ転身した頃、さぞかし懐に気を揉んだのでしょう。よくわかります。「いい齢をした男が児戯に類した目的を持っている」と自己を冷静に評価する宮脇独特のユーモアは、原作の原作である”ノート”にどれほど詰まっているのでしょうか。

 ”取材ノート”を読みながら、「最長片道切符の旅」を読む。
 「最長片道切符の旅」を読んで、”取材ノート”をまた読む。
 しばらく寝不足の日々が続きそうです。

(第61号)

| | コメント (1) | トラックバック (0)

命を繋いで4年間

 先週末、妻の手作りケーキで、二男の4回目の誕生日を祝いました。
 以前にこのブログでも書いたとおり、二男は重度心身障害者です。
 生まれてすぐ保育器に入り、産院で手に負えなくなって救急車で東京都立清瀬小児病院の「NICU」に搬送されました。このとき初めて、NICUと呼ばれる新生児集中治療室のことを知りました。
 この時点では重い障害のことも判らず、いまのような暮らしは想像の範囲外、未知のものです。が、それから今日までのことはここでは省略しましょう。

 さて4歳といえば、幼稚園に入園する歳ですね。イタズラは、し放題。お菓子やケーキが大好き、歌も歌い、お遊戯もでき、アスレチックで遊ぶことだってできる年齢です。
 でも二男は、鼻からチューブでの経管栄養、自分の意思で立つことはおろか座ることもできない。手や足が自己の意思どおりには動かず、言語も発することはできず、排泄にも介助が必要です。私たちが考える”意思の疎通”など不可能なのです。
 こうして健常児と比べると二男にはできないことばかりですが、見方を変えると、歳を重ねて成長していることも実はたくさんあるのです。二男なりの時空があるのでしょう。
 寝返りが打てなかったのにいまは自由自在。音や物に反応しなかったのに追うようになった(視覚及び聴覚の”確認”)。口から食べることが全くできなかったのに、おいしい物は知っていて要求する仕草を見せるようになりました。肉やイクラは大好きなようです。何よりうれしいことは、笑うようになったことでしょうか。それも、ゲラゲラと。
 とくに1年前から保育園に通えるようになって以降の成長は著しく、特筆しておかなければなりません。
 あれもダメこれもダメと人のできないことばかりを挙げて排除するのではなく、あれはできるこれができるという視点で見ることが、障害児はもちろん、どんな人にも大切なのではないでしょうか。そんな視点で二男を公立保育園に受け入れてくれた川越市には、改めて感謝しています。

 また1年、彼はどんなことができるようになるのでしょうか。確率は低くても可能性だけは無限に広がっています。

(第57号)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

相続関係説明図について一考

 2005(平成17)年に改正された不動産登記法では,権利に関する登記の申請をする場合には,原則としてすべて,登記原因を証する情報(以下,登記原因証明情報)を提供しなければならないこととされました(*1)。
 相続を原因とする権利の移転の登記申請(以下,相続登記)の場合,「相続その他の一般承継があったことを証する市町村長,登記官その他の公務員が職務上作成した情報(公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては,これに代わるべき情報)」(以下,相続証明情報)を提供しなければなりません(*2)。
 そして相続証明情報とは,具体的には,1)被相続人の10歳頃以後から死亡に至るまでのすべての戸籍,除籍又は原戸籍謄本,2)相続人の戸籍謄本又は抄本,のことを指し,3)遺産分割がある場合には,遺産分割協議書及び印鑑証明書,4)相続放棄がある場合には,相続放棄申述受理証明書,なども提供しなければなりません。なお,この取扱いは,旧法の「相続ヲ証スル…書面」(*3)に基づく実務と実質上変わりはありません。
 ところで,登記申請に添付する証明書類の一部は,原本と写し(コピー)を提出して原本を返してもらう(以下,原本還付)ことができます(*4)。
 相続登記の場合,戸籍などを直接コピーするのではなく,『相続関係説明図』という一覧表を作成添付して,戸籍などは原本還付してもらうことが一般的です。

続きを読む "相続関係説明図について一考"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

地方の足消え新幹線に巨費

 当ブログ記事の「加津佐の風、昭和の薫り」(2008年3月31日)に付した私自身のコメント(4月3日00時10分)を改編し朝日新聞「声」欄へ投稿したところ、採用されました。
 4月7日付けの朝日新聞東京本社版朝刊の「声」欄に、「地方の足消え新幹線に巨費」というタイトルで掲載されています。タイトルは朝日新聞によるものです。

 地方の足消え新幹線に巨費
    司法書士 広田 博志
    (埼玉県川越市 38)
 先月末、長崎県を走る島原鉄道に乗ってきた。車窓には雲仙岳や有明海が広がり、旅情豊かなローカル線として知られている。しかし、噴火災害などで利用客は減り、05年度の赤字は約1億7千万円という。80年余も地域を支えてきた景色のよい南半分は県や沿線の市が支援を断念し、先月末で廃止された。
 同じころ、九州新幹線長崎ルートの武雄温泉―諫早間約45・7㌔の着工が認可された。総工費は約2600億円。このうち長崎県は297億円を負担する。新幹線開業後の並行する在来線は、20年で約34億円の赤字と試算する。博多―長崎間の所用時間の短縮はわずか26分にすぎない。
 長崎県は、島原鉄道を支援せずに廃線にする一方、新幹線には巨費を投じ、並行する在来線を赤字路線にまでして支援するというのだ。
 新幹線の建設費で、島原鉄道が1529年間走る勘定になる。人口が減って高齢化する中で、今ある物を次の世代にどのように引き継いでいけばいいのだろうか。政治家はもちろん私たち自身にも問われている。

(以上、文字数428+空白4)

続きを読む "地方の足消え新幹線に巨費"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

桜、みましたか

桜が散り始めました。
氷川橋周辺の新河岸川沿いに咲く「誉桜」もご覧のとおりです。
事務所から5分とかからないので、息抜きに見てきました。
川越でのお花見は、今度の週末が最後でしょうか。
Img_1659_1

続きを読む "桜、みましたか"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2008年3月 | トップページ | 2008年5月 »