北八ッ雨池初逍遙

 「雨池は雨がつくった湖である。山の中にできた巨大な自然の水たまりである。つまりこの湖は、湖水を涵養する、沢という水源をもっていない‥(中略)‥水が少ないとき、水面に頭を出した飛石づたいに池を一周するのは、いかにも愉しい。」 ――山口耀久著『定本 北八ッ彷徨』(2001年、初出1960年)より引用

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 今回の北八ッは、国道299号線の北側に初めて分け入り、この雨池を目指す山行でした。標高2120mの麦草峠から、茶臼山と縞枯山の頂を乗り越し、ぐるっと時計回りに歩くこと約3時間で辿り着きます。(※雨池への直行コースなら約1時間)
 此処でのcoffee breakをたくらみ道具一式を持ったつもりが、最近装備していないことが多く不慣れで、カップを車に置き忘れてきたようです。それでも、ジップロックにドリップしてヤカンに戻せばどうにか飲めるぞ、と閃いてはみたものの、なんと、燃料も忘れているではありませんかっ! ラジオを持って大昔に行ったのび太の気分です。万事休す、であります。

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 無沙汰になったので池の周りを石づたいに歩いてみましたけど、コーヒー飲めなくなったせいか、さほど愉しいとは感じませんでした。麦草峠に戻ります。途中、笹原の道、ダケカンバの道などを歩きながら、やがて苔の森を木道が縫うようになれば逍遙は終章です。コーヒーは山を下りたコンビニで飲みました。

*撮影2017年8月4日 北八ヶ岳 麦草峠雨池周回 Canon PowerShot G7 X MarkII

(第957号)

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彷徨って北八ッ彷徨

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 某百名山の頂上近くに建つ山小屋で1泊する夏山計画。これをヤマテン(山の天気予報)の芳しからぬお告げゆえ前日に見送り、彷徨ったすえ、雨や霧の予報を逆手にとって全く別の山域へと向かいました。3年ぶりの北八ヶ岳です。
 しかし、北八ッで狙いの雨は降らず、一方の見送った某百名山では美しい夕焼けが‥‥。当初の計画を直前に変更した判断は、以降の選択のほとんどが裏目に出る空回りの始まりとも相成って、大失敗でありました。

 それでも北八ッの森は裏切りません。シラビソやコメツガなど黒木が鬱蒼と生い繁り、足元を多様な苔が覆い尽くす圧倒的な密度の森で、フィトンチッドに満ちあふれ、それらを分厚い静寂(しじま)が包み込んでいる森です。彷徨い歩いた場所だけは間違っていなかったようです。森から元気をもらって帰ってきました。

*撮影2017年8月4日 北八ヶ岳大石峠付近にて Canon PowerShot G7 X MarkII
【3年前の北八ッ】 北八ケ岳にゅうの森をあるく(第719号)

(第956号)

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尾瀬のワタスゲに呼ばれて

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 尾瀬でワタスゲが数十年に一度の大豊作といわれた2014年。それから3年後の今年また大豊作となり、一度は見送ったものの、どうにも押さえきれなくなって急遽出掛けてきました。もう真ん丸ふわふわの頃合いは過ぎてしまっていたんだけど、代わりに、あちこちで綿毛が飛び立つ瞬間を目にしてきました。季節の移り目も美しいものであります――

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草津白根山でカモネギの図

 白根が白峰あるいは白嶺から来ていると云うのは真でありましょう。じつに日本離れした荒涼とした景観ですけれども、カラマツの存在によって此処が歴として日本であることを物語っております。前号で紹介した芳ヶ平から直線で2キロ足らず、対比の妙であります。
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 こんな山の一角で愛くるしいカルガモ親子と出会しました。ちょっとお疲れ気味だった私にとっては全く以ておあつらえ向きの光景で、バスの時間も忘れてくっついて行ってしまいました。
 じっと眺めていると、後ろにいたのが前の方に割り込んできたり、抜かし返して横から体当たりしてみたり、突如1羽だけ列から草むらに逸れて何かして急ぎ追い掛けてきたり、前方の1羽が蹴躓いて後ろ全員が玉突きになって転けたり、とにかくカワユくて見飽きません。
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 これで予定がぐちゃぐちゃになって、コマクサも湯釜も見逃しバスにも乗り遅れました。全部こいつらのせいです。ん? となると、一体何がカモネギなんだかさっぱり意味が分からなくなっていますが、もうこれはこれでそういうことで。

(第954号)

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ワタスゲ浮かぶ初夏の芳ヶ平へ

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 草津白根山の北西に広がる芳ヶ平湿原(標高1840m)を歩いてきました。お目当てのワタスゲはもう綿毛を飛ばし始めており見頃の終盤でした。荒涼とした火山風景にあって池塘が点在する湿原は、まさに楽園そのものでありました。
 先月、噴火警戒レベルが「1」に引き下げられ、3年ぶりに湯釜の展望台へ行けるようになったというのに疲れを感じパスしちゃったのは、ちょっと後悔です。山登りに来たのに、ね。(笑)

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*草津白根山 芳ヶ平湿原/上信越高原国立公園・ラムサール条約登録湿地
*撮影2017年7月8日 Canon PowerShot G7 X MarkII

(第953号)

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ぶらり善福寺公園

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 急きょ日曜に西武新宿線の上石神井駅へ行かねばならなくなり、せっかくなので善福寺池(善福寺公園)まで足を伸ばしました。井ノ頭池(井の頭恩賜公園)、三宝寺池(石神井公園)と並び武蔵野三大湧水に数えられる水辺で、これら3カ所は川越からでも西武線で案外と行き易い穴場ぶらりスポットであります。

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思い切ってG7 X Mark II

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 Canon PowerShot G7Xは僕のスタイルにドンピシャのカメラです。でも、購入からわずか半年後の昨年4月、後継機mark2が発売され、以来、そいつにずっとうるさく付きまとわれていまして、思い切って乗り換えてみることにしました。後継機は新映像エンジンDIGIC7によるブレイクスルーがてんこ盛りです。
 初代はG1X MarkII を超える広ダイナミックレンジでしたが、ディテールの甘さが否めず下克上はなりませんでした。さあ2代目はどうでしょう。

 なお、いま使っているLightroom5.7ではG7Xmark2のRAW(CR2)が読み込めません。無料の「Adobe DNG Converter」でDNGに変換すれば読込&現像できるようだけど、劣化とかあるのかな?(それだと困る) アドビ税は予算外だな~σ(^_^;

【関連記事】 いまさらながらG7X(第840号)

(第951号)

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谷川連峰、天空のお花畑を振りカエル(後編)

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 タイトルを考えるのも面倒で連載にしちゃってますけど、前編との話の繋がりが全くない後編であります。前編の平標・仙ノ倉から中5日で向かった谷川岳の話です。ロープウェイ代をケチって西黒尾根に喘ぐ自分を呪いながらも、山頂に着く頃にはケロりと忘れていました。天神尾根では得られぬアルペンチックな眺望がじつに素晴らしかったです――

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谷川連峰、天空のお花畑を振りカエル(前編)

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 続編をほのめかしておきながら半月が経とうとしています。自分の備忘録がてら記録だけは留めておこうと奮い立ってのアップです。いざ振り返ってみると、お花畑には尚早だったため、花よりは展望中心の記録です。当日の空はすこぶる気持ちの良いものでありました――

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ふたたび 谷川連峰、天空のお花畑へ

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 前回の平標・仙ノ倉から中5日で再び谷川連峰へ。今回は厳剛新道から西黒尾根のルートで谷川岳を目指しました。さすが日本三大急登の呼び名どおり、足は上がらず息が上がってもうクタクタです。
 頂上への到着が正午を回ってしまう牛歩ぶりながら、西黒尾根では咲き誇るホソバヒナウスユキソウを見て、肩ノ広場下ではハクサンイチゲの大群落など、そのほか季節の花々がたくさん楽しめました。厳剛新道や天神尾根では雪渓上を横切る場所もあってスリリングでもありましたが。(※写真下の雪渓=マチガ沢=を歩いたわけではありません)

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 前回の続編に手付かずのまま次の山行やってしまったんで、この先週末に雨でも降り続かない限り、この2回分をまとめ上げるのは難しいかもしれません。

*撮影2017年6月17日 谷川岳 厳剛新道~天神平/上信越高原国立公園

(第948号)

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